なまり節の思い出 ~祝・感想200件 記念回
今回は感想200件目のキリ番を踏んだ、水渕成分様のリクエスト回です。
ご笑納ください。
カツオのなまり節。
子供の頃、ちょいちょい食べました。
初夏と初秋、初鰹と戻り鰹の時期に、母がなじみの魚屋さんや行きつけのスーパーなどから、刺身用もしくはたたきの状態になった柵(おおよそ半身くらい)を買ってきます。
文句なく新しいピカピカの身は、そのまま刺身やたたきで食べましたが、大抵は『なまり節』になりましたね。
大きな鍋(といっても家庭のことですから、半身丸々は入りきらないので、適当にぶつ切りにして)で茹でます。
しっかり茹でます。
茹でたカツオの身をざるなどにあげます。
皿にキッチンペーパーなどを敷き、粗熱の取れたカツオの身を、あまり重ならないようにして並べ、ラップをかけて冷蔵庫へ入れます。
(身が重なったところがくっついて、ぼろぼろになることも稀にありましたから)
食べる直前にレンジで温めるか、魚焼き網などで軽く焼きます。
私は焼く方が好きですね。
皮のところがちょっと焦げたりして、香ばしくなりますし。
生姜多めの生姜醤油で食べると、ごはんが進む感じでした。
でもいつの間にか、カツオのなまり節を食べなくなりました。
家族(夫)がそもそも、カツオがあまり好きではないので(でもサバとアジは好き)、私自身作らなくなりましたし……。
実家でも、作らなくなったのです。
第一番の理由は、行きつけのお魚屋さん数店舗のうち、一店舗を残して廃業したこと。
気に入るカツオそのものが手に入りにくくなったのです。
この辺りは、昨今全国的に商店街がさびれている事情そのものでしょうね。
個人店舗の魚屋さんは、大抵商店街の中にありましたから。
二番目は、母自身の高齢化。
とにかく家事が負担になってきたようです。
買ってすぐ食べられるもの。
洗って切ったらすぐ食べられるもの。
焼けばすぐ食べられるもの。
食事の中心がそういうものへ、ここ十年くらいでじわじわ移行していっているようです。
ごはんは炊いているようですが、最近味噌汁を作るのは億劫らしく、ちょっと前に実家へご飯作りに行って、味噌がないのにかなり驚きました。
どうやら、インスタントの味噌汁やコーンスープに頼っているようです。
それ自体はかまわないのですが(肩で息をしながらメシ作りをするのもつらい話ですから)、私たちが子供の頃は、極力インスタントものに頼らず料理をしていた母が、だしの素を使った味噌汁さえ作るのが億劫だなんて、老いたんだなぁ……と、何とも言えない気分になりました。
むむ、いけませんネ。
湿っぽくなってしまいました。
【記憶+αで書き出してみる カツオのなまり節の作り方】
〈材料〉
カツオ半身ほど(生。たたきの状態でも可)
あとはお湯と酒少々
〈手順〉
① 大きめの鍋に水を張り、火にかける。
② 鍋に入れやすい大きさに、カツオを切り分ける。
③ ①が沸騰すると②を入れ、酒少々を入れる。
④ ③が沸騰すると火を弱め、コトコト茹でる。
最低でも30分くらい。
ゆで汁が足りなくなってくると湯を差すなどをし、しっかり茹でる。
⑤ 茹だった④をざるなどに取り、粗熱を取る。
この際、身が重ならないように注意。
⑥ 粗熱が取れたらキッチンペーパーを敷いた皿などに移し、冷蔵庫へ保管する。(この時も身が重ならない方がベター)
しっかり火を通しているので、冷蔵庫で二日ほどは保ちます。
食べる直前に焼くなりし、生姜醤油でいただきましょう!
呑む方は、日本酒のお供としてよく合うのではないでしょうか。
戻り鰹の時期はもう過ぎてしまいましたが、しみじみ美味しいおかずですよ。
機会があればどうぞ!




