⑩ BIG BOSS唐揚げ
思い切り私事ですが、4月は我が家の男どもの誕生月です。
そしてそれぞれの誕生日に好物を用意するのが、キッチン担当者の役割でもあります~。
息子は『寿司』をご所望。
いつもなら回転寿司でランチ、というところですが、昨今の情勢(大阪は今、日本で一番ヤバいコロナ蔓延地域に……)を鑑み、宅配寿司を手配。
ラッキー!
大きな声では言えませんが、キッチン担当者としては手抜きの日になりますね♪
「ナンで寿司やねん」
お父さんはムクレます。
「唐揚げの方がエエやないか。旨いし食いごたえあるし、安上がりやん」
ハイハイ、あーたの好み(チキン大好き♥)はわかっていますよ。
でも息子は、あーたとは別人格ですからね、仕方ないでしょ。
息子もチキン大好きだけど(作れば喜ぶ)、どっちかと言えば、ハレの日には唐揚げより寿司が食べたい派なのでしょーよ。
「贅沢や」
エエやん誕生日やねんから、と、心でつぶやく私。
この親子、食の好みが若干違います。←と言いますか、違ってて当たり前でしょう。息子には半分、私の遺伝子が入ってますし、そもそも親子なだけで違う人間なんですし。
でもこのお父さん、自分の好みこそが世界の正義!的な無意識の思い込みがあるタイプ(多分)。
自分の血を分けた息子なら自分と同じものを好むだろう、多分きっと絶対。
そんな思い込みが若干、ある様子です(笑)。
そして、寿司ってそんなに旨いか?が、彼の偽らざる本音。
(この人海産物、特に生魚がキライなんですよね、食べられなくはないのですが)
大して旨くない(個人の感想です)割に高いから、なんだか腹が立つのかもしれません。
でも息子のお祝いは宅配寿司ですからね、諦めましょうお父さん(笑)。
それではお父さん。あなたはバースデー、何をご所望でしょうか?
「唐揚げ」
マジですか、もうちょっとご馳走感のあるメニューでも……。
「去年作ってくれた、メッチャ大きい唐揚げ。俺はアレあったらそれだけで十分や」
あー……。
実は去年、彼の誕生日に鶏もも肉一枚を半分に切り、下味をつけてじっくり揚げる、一口では絶対食べられないでっかい唐揚げを作ったのです。
でっかい唐揚げが食いたい~、とちょいちょい言っていましたので、それならばチャレンジしましょうかと。
彼は何故か『大きなハンバーグ』『大きな餃子』『大きな唐揚げ』等々に、ロマン?を感じるタイプ。
テレビのグルメ番組なんかで出てくる『巨大ナントカ』におおッと目が釘付けになっていますねえ。
だからハンバーグを作る場合は、1.5~2個分をひとつにまとめたでっかいのを、彼のお皿へドンと盛りつけるようにしています。
まあ大きいって、それだけでインパクトありますからね。
でも……大きければいい、のでもなさそうなのが、やや面倒。
一度ホームベーカリーを使って餃子の皮を作り、それをそのまま(通常なら20枚分ほどの量になります)めん棒で伸ばしてオムライス並みの超巨大餃子を作ってみたのですが。
サスガにでっかすぎて、駄目だったようです(笑)。
もちろん食べてくれたのですが、テンション低めでしたね~。
彼にとって食欲とテンションが上がる『餃子における巨大』は、通常の2倍強くらい……だったようですが、面倒見切れないので(笑)、以後は市販の大判の皮を使って作っています。
そんなこんなの試行錯誤により、彼がロマン(笑)を感じる『巨大ナントカ』の傾向がわかってきました。
どうやら
『ギリギリ箸でつまみ上げることが出来、かぶりつける』
大きさが好みのようです。
その辺も鑑み、去年の彼の誕生日に市販されている鶏のもも肉一枚を二等分して揚げてみると、大ウケした……、と。
そういう経緯です。
ちょうどその頃、彼は『メタルギアソリッド』シリーズの『Phantom Paine』にハマっていたのもあり、このでっかい唐揚げを主人公の呼び名にちなみ『BIG BOSS 唐揚げ』、と我が家では呼ぶようになりました(笑)。
【BIG BOSS 唐揚げの作り方】
〈材料〉
鶏もも肉3枚(一人一枚、が目安。あまり食べられない方は1/2枚で計算して下さい) 粗びきガーリック(市販のスパイス) おろししょうが(チューブ入りのもので十分) 酒 醤油
〈下ごしらえ〉
① もも肉一枚を1/2に切り分け、余分な脂身や筋っぽいところを取り除く。皮に包丁の刃先かフォークで軽く穴をあける。
② バット等の底に粗びきガーリックをパラリと一振りし、おろししょうがを薄く伸ばしておく。
③ ②へ①を、皮を下にして並べる。
④ ③の鶏肉へ粗びきガーリックを再びパラリと振り、おろししょうがを薄くまぶす。
⑤ 酒と醤油を1対1で混ぜたものを④にかけて、冷蔵庫でしばらく置く。
〈調理法〉
① 下ごしらえした鶏もも肉を取り出し、余分なつけダレをキッチンペーパー等でふき取る。
② ①に、丁寧にしっかり、片栗粉もしくは片栗粉と小麦粉を1対1で混ぜたものをまぶす。
③ 大きめのフライパンで、肉の厚みほどの高さまで入れた油をぬるめの中温に熱し、皮側から交互に、ゆっくり揚げる。
④ 一度取り出し、油を高めの中温に熱してもう一度、サッと揚げる。
(いわゆる二度揚げ)
⑤ 取り出して、油をよく切る。
お供はサラダや具沢山の味噌汁などを。
レモンや大根おろしを添えるのもいいですね。
かなりボリュームのある唐揚げになります。
油ものが得意でない人や年配者は持て余すかも……ですけど、から揚げ好きの人や中高生の腹ヘリさんには、すごく嬉しいメニューでしょうね。
味付けが和風寄りですので、ご飯にもよく合いますよ!
ただ食べにくいので、私はフォークとナイフを用意して食べます。
お父さんはワイルドにかぶりついてご満悦、です。
がっつり食べたい日におススメのメニューです。
よろしければお試しを。




