表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/11

寝落ち

 夕食を食べ終え片付けまで済ませると、俺はそのまま部屋に戻ってきた。

 と言えば聞こえはいいが実際は妹にケーキ味わっで食べたいからリビングから出て行けと追い出された。

 お詫びとして買ってきた手前言うことを聞かない訳にも行かないので、大人しく退散してきたわけだ。

 ベットの上に座り


 「そういえばカズキのやつからメッセージきてたの返してなかったな」

 

 思い出しメッセージを開く。

 

 『大丈夫か? 』


 カズキらしい簡潔的な文だ。

 たまーに言葉が足りなくて勘違いを産んだりするのだが、笑い話なったりするのでそれはそれで嫌いじゃない。

 

 『 なにが?』


 早速返信する。

 主語が抜けているのでひとまず確認だ。

 メッセージを飛ばしてすぐに既読がつく。

 

 『 放課後、比嘉川に連れていかれただろ? だから大丈夫と心配になってな』

 『軽く復縁を迫られただけだ、特に問題は無い 』


 カズキはよく恋愛の相談に乗って貰いるので俺の恋愛事情には詳しい。

 カズキのアドバイスはよく当たる。

 本人の恋愛はからっきしなのだから逆にすごい。


 『 レンタ、それ受け入れるつもりなのか?』

 

 既読がついてから1分程の間をおいて返信がきた。

 あまり空気が重くならないようになのか文字が送られてきたすぐ後にサングラスかけた猫があぁん? って不機嫌そうにしているスタンプが送られてきた。


 『 悩んでいたんだけど妹にそんなの絶対ありえないって怒られちまったよ。だから断るつもりではある』


 内心向こうが悪いんだと思っていても顔をみて話してしまうと簡単に心が揺らいでしまう。

 別に嫌いになって別れたわけじゃない。

 浮気された時許せないから別れることにしたというのが正しい。

 その選択に後悔はないし、多少成長させてくれたと感謝している。


 『 そうか。そうした方がいい。比嘉川のやつ今日の放課後大慌てで帰って行く姿見たやつがいるんだよ。しかも復縁してやるって言いながら』

 『 それ怖いな』

 『 だろ? だからなんかされてないかと思って連絡したってのもある』

 『 なんだそのストーカーに付きまとわれてる彼女を心配する彼氏みたいな感じ。俺の事好きなのか?』

 『 マリちゃんの兄だからな。遺伝子的にはマリちゃんに近い。つまり実質マリちゃんみたいなものだ。好きか嫌いかで言えば好きに決まってるだろ!』

 『 さすがそれは引くわ。あとマリちゃんって気安く名前で呼ぶな。はりたおすぞ!』

 

 いくら妹が好きだと、言ってもその兄である俺を妹と遺伝子が近いってだけで告白じみたセリフを吐かれても気持ち悪いだけだ。

 そこそこの友情はいだいてるつもりだが、さすがにその許容範囲を超えた。


 『 冗談だって。というかそっちが先にそういうの話しに持ってんたんだろ?』

 『 確かに』


 メッセージを少し遡ると、確かに俺の事好きなのか? からこういうの流れになっているのは間違いない。

 だとすると俺の自業自得と言えなくもない。

 

 『 だろ?』

 『だな 』

 『 風呂落ち』

 『 うい』


 この他の人には絶対お見せできない会話は、カズキの風呂落ちで終了となった。

 既読つき返信が途絶えたことで、スマホから手を離し、ずっと下を向いていた首を回してストレッチをする。

 受験勉強のし過ぎで首を痛めたことがあったので、それ以来長く下を向いたあとは必ず軽くストレッチをするのが習慣化しているのだ。

 バキバキと音を立てる首に毎回の事ながら俺の身体大丈夫なのかと心配になる。

 それが終わるとそのままベッドに倒れ込む。

 この一瞬がなんとも心地いいなんて話すとお前はじじいかよって言わそうだ。


 数分程そのままぼーっとしていると、スマホからメッセージを受信したことを知らせる音が聞こえた。

 

 「カズキあいつもう風呂上がったのか? そういえばあいつシャワー派だったな」


 メッセージを送ってきた人物にあたりをつけスマホのロックを解除するとそこには意外な人物から意外なメッセージが入っていた。


 『 初めまして、金城カノンです。約束のお弁当なんだけど、なにが食べたい? リクエストがあればなんでも言って欲しいな』


 メッセージの主は金城さんのはすだ。

 なんか微妙に違和感を感じる。

 金城さんって欲しいなとか言うんだ。

 俺の脳内ではあなたに特別お弁当作ってあげるわ感謝なさい。リクエスト? そんなものが受けいられると思っているのかしら?

 みたいな感じを想像してたんだが、何だこの優しくて可愛い子。

 作って貰えるだけでもありがたいのに、リクエストまで聞いてくれるなんて贅沢でしかない。

 ネットで性格が変わる人っては一定数存在するのは知っている。

 普段は真面目なサラリーマンがゲームの中でプレイヤーを狩りまくる殺人鬼なんて事もあるし。

 だからこの金城さんのネット限定の可愛いモードだと解釈する。


 『 そうだな、ハンバーグとか唐揚げとか肉系のものが入っていると嬉しい 』


 戸惑いながらも返信する。

 すると送った瞬間に既読がついた。


 『 良かった。なかなか返事くれないから無視されたんじゃないかって思ったよ。リクエスト承りました。明日は期待しててね』


 またも返ってきたメッセージは想像の何倍も優しいものだった。

 想像では、私のメッセージを5分も既読無視するなんていい度胸ね。リクエストはお肉ね。ええ覚悟しておきなさい。

 みたいなのが来ると思ったのに。

 普通に可愛くて困る。特に期待しててね、が。

 普通の女の子が言ってもここまで可愛いとは思えなかっただろう。

 でもあの氷の女王様的なあだ名が似合いそうな金城さんが言ってると思うと無性に可愛い。


 『ひとつ聞いていいか? 』


 しかし俺は1度浮気をされて女を少し知った男だ。

 ここで素直にギャプ萌にコロッとやられるチョロ男ではない。

 金城さんの口調の変化は計算でやってる可能性があることを俺は忘れてはいないのだ。

 なのでそれを確認する必要がある。


 『なに? 』

 『 メッセージだとなんかすごく優しい感じがするんだけどなんでかな?』

 『別に変わってないと思うけれど? でも普段は気を張っているからかしらね 。家ではリラックス出来るから自然と緩むかもしれないわ』


 なるほど無自覚か。

 偽装の場合普段より優しいなんて失礼なこと言えば絶対綻びが生じるしかし今のメッセージにはそれがなかった。

 しかも本人から分析出ているのでこれはもう天然のギャプと言える。

 金城はずっと家にいてリラックスしてくれると嬉しい。

 なんて思うぐらいにはこのモードの金城さんは可愛い。


 『 リラックスってことはもうすぐ寝るところなのなか?』

 『ええ、そうよ。でもこうしてメッセージを打ち合うのが楽しいからもう少しだけ頑張って起きる』


 えぇ。

 これ金城さん、明日恥ずかしくて顔合わせられないんじゃないか?

 というかこっちが恥ずかしくなってくる。

 俺はこんなに女の子に免疫がない男だったか?

 心臓バクバク言い始めた。


 『明日遅刻したら良くないからそろそろ終わらそうと思うんだけど 』

 『 嫌よ。もうちょっとぐらいいいじゃない? もしかして私とメッセージのやり取りするのが疲れたの?』

 『そういうわけじゃない。でももう23時超えてるし明日に響く』


 俺はこれから風呂に入らないと行けないし、明日の用意もしないといけないのでそろそろ切り上げないとこっちが寝坊するかもしれないのだ。


 『じゃあ、あと5分だけ。付き合ってくれたら大人しく寝るわ』

 『 わかった』

 

 なんかまだ小さい頃の妹の相手をしているような気分になってきた。

 今でこそ俺より頼もしい妹だが、昔はそうじゃなかった。

 

 『ねぇ? 今、別の女のこと考えなかった? 』


 怖っ。

 もはや超能力者じゃん。

 

 『 妹を女カウントするのは違うだろ』

 『妹さんがいるの? いつ紹介してもらえるのかしら? 』


 妹と金城さんを会わせるのはまだやめておいた方がいいよな。

 妹はまだ俺が浮気された心の傷が深いって思っていて、女の子と仲良くすること自体を嫌がっているように思える。

 そんなところに彼女ですなんて紹介すれば修羅場になりそうなのは簡単に想像つく。

 しかも妹も金城さんも口喧嘩強そうだし。

 胃が痛くなって紹介所じゃなくなりそう。

 ここは上手いこと先延ばしにする方向で。


 『 妹は忙しいから紹介できるのは先になりそうかな』


 妹は実際友達が多いし忙しい母さんに代わって掃除のほとんどをやっている。

 なのでこの言葉に嘘はない。

 多分彼女紹介するって言えば予定断ってでも家にいるんだろけど。

 浮気された事を話した時次に彼女出来たらあたしに絶対会わせることって言ってたし。

 お兄ちゃんに見る目ないからあたしが見極めるってすごい気合い入っていたのを思い出す。

 

 返信してすぐに既読になったもののそこから10分たっても返信が来ない。

 これはもう寝落ちしたな。

 可愛いところあるじゃん。

 なんて思いながら風呂に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ