地球攻略編⑧~人類不可侵領域警戒区域攻略へ~
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黒騎士装備の点検を終えたので、魔王の卵を破壊するためにこれから不可侵領域へ向かおうと思う。
「じゃあな、天音。行ってくる」
「…………」
俺のそばから離れようとしないレべ天は、部屋にまでぴったりと付いてきている。
魔王の卵を破壊すると伝えた時から一言も自分の言葉を発しないレべ天に対して、俺が言うことはもうない。
装備を着けようとすると、俺の手をレべ天の白い手が止めてきた。
「一也さん、まだ今日が終わっていないので普通の日常を過ごしませんか?」
レべ天ができるだけ引きとめるために言っていることが分かり、俺はその手を優しく取る。
「もういいんだ。覚悟が決められたから、これ以上は必要ない」
「あなたが良くても私がダメなんです!! お願いです一也さん!! 少しでも私と一緒に居てください!!」
レべ天から手を離そうとしたら、逆の手で思いっきり俺の腕をつかまれた。
潤ませた目で叫ぶレべ天の言葉に身をゆだねたくなる気持ちを抑え、このままでは行かせてくれそうにないので腕を強引に振り払う。
「帰ってきたらいくらでも相手にしてやるから、今は我慢しておけ」
「必ずですよ!? 必ず戻ってきてくださいね! いつまでも待ち続けますからね!!」
レべ天の反応を見ていたら、死ぬことが確定しているんじゃないかというほど俺のことを心配している。
卵を割りに行くだけで十分勝算はあるので、帰ってきてからのことを少しだけ話をしておく。
「帰ってくるよ。そうしたらモンスターと戦い続ける生活は休止して、普通に過ごすよ。今から着替えるから、外に出てくれ」
「ちょっと、一也さん!?」
レべ天の反応を待っていたらいつまでも出発できないので、そう口にすると同時に背中を押して部屋を追い出した。
今まで俺のことを献身的に支えてくれていたレべ天から帰ってくるようにせがまれたら、大事な場面で自分の命を優先する選択を選んでしまうかもしれない。
(俺は自分の死力を尽くしてモンスターを倒す選択をしつづけたい……レべ天には悪いけどな……)
黒騎士装備を着け終わり、レべ天の顔を見ることなくワープを行うことにした。
俺がワープホールを起動させた瞬間、扉を叩く音とレべ天の声が聞こえてくる。
「一也さん! 行く前にお祈りをさせてください!!」
「そんなのいらないよ。俺よりも、他の人のために祈ってやってくれ」
俺がワープをする直前に扉から大きな音が鳴り、肩を揺らすレべ天が手にハンマーでぶち破ってきていた。
(そんな力技できたことあったかな?)
レべ天が扉を破った光景に思わず笑ってしまい、手を振って別れを告げる。
「じゃあな。扉、直しておけよ」
「一也さん!!」
駆け寄ってくるレべ天が俺の体に触れる前に、全身が青い光に包まれた。
すぐに視界が切り替わり、目の前にとてつもなく大きなゲートと、辺り一帯を囲うように20メートル以上高さのある壁が出現する。
最後まで笑顔で入れたのか不安になりつつ、到着した場所を見回して入り口に向かって歩き出す。
(ここに来るのは3回目……この壁の向こうに大量の殺戮の天使がうごめいているんだ)
この壁の向こう側では、中心にある爆心地に近づくにつれて、来る者を拒むように殺戮の天使が密集していた。
ゲートへ近づくにつれて自分の気持ちが高揚していくのがわかる。
(レべ天に引きとめられるのも嬉しかったけど……命を懸けた戦いに挑むことができるのは、何ものにも代え難い)
馳せる気持ちを抑えていたら、ゲートの上部に国連の旗がなびいているのが見えた。
国連に話を通しているので、このまま開くと思いながら進んでいたら、門がピクリとも動かない。
数分待っても反応がないので、ゲートを飛び越えようかと考えている時、中から数人の武装した兵士が現れた。
「両手を頭へ!! その場を動くな!!」
銃を俺へ向けてくる3人の兵士は緊張した面持ちでこちらへゆっくりと近づいてくる。
変に体力を消費したくないので、変に揉める前に身分証を提示したい。
「手は頭だ!! それ以外の所を触るんじゃない!!」
冒険者証を探そうとしたら、先頭の兵士が銃口を俺に向けたまま顔を真っ赤にして怒り出す。
自分で言うのも変だが、俺の格好を見間違える人なんていないと思う。
しかし、国連の兵士たちは俺へ銃を向け続けているので、さっさと入れてもらうために用件を口にした。
「俺が来ると話を聞いていると思うんですが――」
「うるさい!! そんな誰だか分からない格好をしているお前がそんなことを言うな!!」
言葉の途中で怒鳴りに遮られ、俺を囲うように兵士が配置に就いている。
そんなに言うことないだろうと思いつつも、もう兵士に付き合っていられないので浮遊した。
3メートルほど浮上したところで止まり、地面にいる兵士たちの方を向く。
「許可は国連から出ているので、確認しておいてください。これが俺の冒険者証なので、失くさないでくださいね」
取り出した冒険者証を地面へ落とし、そのままゲートの上を目指して浮上した。
ゲートに立つと、兵士の人たちが神経質になっていた理由がよくわかる。
(これだけの敵を監視していたんじゃ、気が気じゃないよな)
1体で第2次領土戦争を行なった当時の大隊が壊滅するほど力を持った天使が、ここから見るだけで数百体確認できた。
このゲートから中心へ向かった瞬間から、この天使たちが一斉に俺へ攻撃を仕掛けてくる。
世界大会で1体確保をしにきた時はこんな量ではなかったので、魔王の卵による影響だろう。
「よし、行こう」
俺は赤色のオーラを全身に駆け巡らせ、ゲートから飛び降りながら炎の拳を打ち出した。
しかし、攻撃が届く前に炎が飛散し、代わりに黒い羽を羽ばたかせて天使たちが急接近してくる。
向かってくる天使たちを撃ち落とすべく、手をにぎり直して、拳に魔力を注ぎ込んだ。
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更新は1月22日を予定しています。
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