表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

216/279

第216話 『モンスターカード!』で、ゲットしてみたら……浮気は駄目ですよ?

 先ほども言ったとおり、カユサルは演奏に高額な出演料を設定している。

 その為、結構な資金を溜め込んでいた。

 で、ソレを使ってですね……


「アイリスブラッド種のマンドラゴラを持ってきた人物には一千万を支払う! クエストを受けてくれるだけで、1万の手数料を支払う!」


 などと、金にモノを言わせて虹色のマンドラゴラを入手しようとした。


 クエスト受注だけで1万が貰える。

 そんな事したら、貰うだけ貰ってとんずらこかれるんじゃね? って聞いたら、これは広告料だと言う。

 無数にあるクエストの中で埋もれてしまわないように。


 賞金一千万ってだけでも結構な目玉だろうが、そういうのは高価な素材にならいくらでもある。


 そして逆に、そんな高額なクエストは埋もれがちになる。

 そんなに高いんだ、きっと難易度も高くて俺たちにゃ用がねえな。みたいな感じで。

 だからこそ、受注した時点で1万を支給する。


 そりゃもう冒険者が殺到する始末。


 仮にとんずらこかれたとしても、これだけインパクトがあった出来事、頭の隅には残っている。

 万が一、道中で虹色のマンドラゴラを見かけたら決して見逃さないだろう。

 その金額、総額で30億以上もの資金を捻出したという。


 まあ、姫様は50億使ってグリフォン買ってたんだから安い方?


 お金持ちのお金の使い方は良く分からない。

 ただ、これで副次的な効果はあった。

 冒険者が一気に増えた。


 そりゃ登録してクエスト受けるだけで1万もらえるんだもんな。


 ニートや無職だった人も冒険者になるだけで1万ゲット。

 で、冒険者になってみたら、ちょっとぐらい……と冒険に出る人もいる。

 中には意外な才能を発揮して、そのまま冒険者家業を続ける人達も出てきた。


 家族からの後押しみたいな感じで、それをきっかけに無職から脱出できた人も。


 地元のピクサスレーン、アイリスブラッド種のマンドラゴラがあったというヤマト大国では、そりゃもう凄い人が集ってきたようだ。

 さらに経済にも好影響を与えた。

 昔日本でもやった定額給付金のように、一律お金が貰えるわけだ。


 特に冒険者はお金遣いが荒い。


 金は天下の回り物。

 たった一万だが経済の歯車を動かすには十分。

 使う、という事が連鎖して、作る、という事に派生する。


 作る事が増えれば働き口も増えるわけだ。


 今、その二国では結構な好景気が訪れている。

 好景気を起こしたカユサルに付いては、大層な評判を呼び、カユサル景気などと言われ一気に人気者に。

 そんなカユサルさんを呼んで演奏してもらおうと、さらに貴族様方は高額な報酬を支払う。


 減った以上のお金が入ってきた、と嘯くのも分かる。


 そういえば誰かが言っていたな、お金を稼ぐ為には、お金を使わなければならない。と。

 まあ、これがそれにあてはまるかどうかは分からないけど。

 実際、日本の定額給付金はあまり効果が無かったようだし。


 ちょっと話が逸れてしまったが、結局の所、そんな大金をかけたカユサルの元へ、3本の虹色のマンドラゴラが集ってきた。


「さあ師匠、これをお願いいたします!」

「えっ、でも3枚もカードが無いよ?」

「どれがいいか選べませんので、全部まとめて照らしていただき、あとはランダムでもいいでしょう」


 なんていうから、その3本のマンドラゴラに向かってカードを掲げてみた。


 するとなんと! 3本とも同時に姿を消すではないか!

 そして現れたカード、それは、


『フルドラムシンセ』

 ☆8・レベル1

 スキル:ミキシング、アンプリファイアー、サウンドウェーブ


 ドラム型のシンセサイザー。


 様々な種類のドラム、シンバルが所狭しと並び、椅子の背もたれから伸びた天井にいくつも用意されているボタンやつまみ類。

 更に、その天井から半透明なパネルが目の前に垂れ下がり、それをタッチパネルのモニターで操作できるという優れもの。

 ラピスの奴が試しに使ってみて、天井とモニターを器用に耳で操作していた。


 うん、人間には厳しそうな操作性だな。


 演奏途中で操作するには、ちょっと無理があるかもしれない?

 また、3本同時にゲットした所為か、スキルも3つある。

 このスキルはあれか? ミキサー、パワーアンプ、スピーカーのライブセットの機能を持っている訳か?


 今までは、エクサリーのハウリングボイス頼りだったが、これがあれば、エクサリーが居なくても演奏が出来そうだな。


 カユサルは大層喜んで、それを持って家に帰って行った訳だが。

 何日かした後に、ソーサーを連れたセレナーデさんが家出してきた。

 どうやら、ドラムシンセばかりに気をとられているカユサルにヤキモチを焼いている模様。


 すっ飛んできたカユサルが土下座を敢行して許しを請う。


 色々話し合った結果、ドラムシンセについてはオレに返納されることに。

 いいのかな? 30億も使ったんだろ?


「俺は間違っていました。セレナーデさえいれば他に何もいらないのに、こんなものに浮気してしまうなんて……」


 お前ちょっと変わってるな。

 いや、奥さんが楽器だから仕方が無いのか?

 結局、30億をただ浪費したカユサル、浮気をされてプンスカなセレナーデさん、それに付き会わされてげっそりしているオレ。


 皆、散々な目にあった中で、唯一、ドラムシンセを手に入れられて、ニンマリなラピスであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ