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第142話

 冒険者さん達が頑張ってくれたおかげで、そこそこの人が集った。

 とはいえ、


「ふぁ~、早く終わんねえかな?」

「こら、せめてフリだけでもしときなさいよ、向こうの面子を立ててあげないと」

「まさか、あいつのキャー、ステキーが聞けるとはなあ……一体、なんの弱みを握られてんだが……」


 あくまで、冒険者さん達の付き合いでの参加でござる。

 曲を聞こうなんて思っている人は皆無だ。

 そしてさらに、なんていうか、ゴツイ。


 むさいおっさんに、ビルダー戦士な女性。

 ひげ面の爺に、いかにもアル中っぽい酒瓶を抱えた親父。

 うん、明らかに客層が違う。大丈夫だろうか……


「まあ大丈夫なんじゃない、あんたの歌を聞けば、ソイツの凄さも分かるだろう」


 サクラをしてもらうに当たり、バンドがどんなものか知ってもらうために幾つか曲を披露した。

 そしたら皆さん、すっかり気に入ってくれたようだ。

 サクラの演技にも熱が入った模様。……ちょっと入り過ぎた気もしない事も無いが。


「ただ、今日はオレは歌わないからなぁ」


 本日用意した曲は、明るいポップ系。

 明るく爽やかな曲調だったり、子供達が踊る、お祭り向けの音頭とかも用意している。

 冒険者さんが好きそうなロック系とは全然違う。果たして、ここに居るお客さん達に受けるだろうか?


「そうなのか、そいつは心配だな……隣にいる女性が歌うのか」

「ああ、オレの嫁でエクサリーって言うんだ」

「まだ、嫁じゃない」


 へえ、まだって事は、そういう関係なのかね……って聞いてくる。

 まあ、そういう関係でございます。


「あんなハーレムパーティ作っといて、他に女が居るなんて生意気過ぎる」


 いや、ちょっ! なんて事言うんですか! 人聞きの悪い!

 別にオレが作った訳じゃないですよ!

 元々女性のみで構成されていたパーティに、リーダーがやる気を無くして行かなくなったから代わりに入ったから、ああなった訳で。


 あと、カシュアはあんな見た目でも中身は男だ。


「必死な弁解が逆にあやしい」


 そんなっ! エクサリーさんまで!


「フフッ、冗談よ」


 と、そこへなにやら子供達を引きつれたロリドラゴンが教会から出てくる。


「なんだお前、その子分達は?」

「ナカヨクナッタ、ガウガウ」


 子供達はロリドラゴンの尻尾を引っ張ったり、頭の上によじ登ったりしている。


 随分楽しそうだ。

 しかしコイツ、ほんとオレ以外には温厚だよな。

 ペチペチ叩かれても、そ知らぬ顔で遊んでやっている。


 オレが尻尾を掴んだら牙を向いて怒るくせに。


「いつもロゥリちゃんを苛めるからじゃない?」

「苛めてないよ? むしろオレが苛められている方じゃない?」


 そんな子供達の数人がエクサリーに駆け寄って来る。

 そしてなにやら仲良さそうに話をしている。

 なっ! バカナッ! エクサリーに子供が懐いている! ありえない!


「それどういう意味?」


 いや、だって、ねえ?


「今はお化粧しているし」

「あと、ロゥリちゃんのおかげもあるよね」


 最後にヒメリアさんとボウリックさんが出てくる。

 この三人にはエクサリーの護衛をしてもらっている。

 他国だし、また狙われたら困るからね。


 なんでもヒメリアさんの話では、暇でやる事がないロゥリが、子ドラゴンになってエクサリーの膝の上で寝ていたらしい。

 それを見た子供達が、ロゥリを触らせて欲しいとやってきたそうな。

 それから少しずつ話をするようになり、今じゃすっかり仲良しこよしなんだと。


「ところであの子供達はなに?」


 ふむふむ、この教会は孤児院も兼ねている?

 ということは、あの子達はみんな孤児ってことか。


「そこでクイーズ君にお願いがあるんだけどね」


 えっ、子供達を雇って欲しい?

 普通に寄付すればいいんじゃないの?

 えっ、子供達もお祭りに参加させて思い出を上げたい?


「お金は勿論大切よ。だけど、思い出はもっと大切だと思うの。だから子供達を参加させてあげた上で報酬が出れば、一石二鳥だと思うんだ」


 さすが見た目は子供、頭脳は・・けふんけふん。

 確かにその通りですね。


「具体的に何をさせればいいかな?」

「歌に合わせて踊ってもらおうと思っているの」


 ほうほう、それはいい考えだ! ちょうどそんな曲も用意しているし。

 問題は……客層が明らかに違ってヤバイってとこか?

 せめてもうちょっとこう、普通の住民とか来ないだろうか?


「神父さんの説法を聞きに来る人も居ますし、そんな人達が広げてくれるのを期待するしかありませんね」

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