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第120話

「お兄ちゃん、私の所為で怒られたの?」


 オレとラピスの話が、どうやら部屋の外まで聞こえていたらしくて、心配そうな顔をしたレリンが駆け寄って来る。


「大丈夫だ。レリンが心配する事はなにもない」


 その頭をなでながらそう答える。


「でも……私みたいに、なんの役にも立たないモンスターをげっとしても……」

「今は、だろ?」

「お兄ちゃん……」


 オレはお前の将来に期待している!

 きっとお前は素晴らしい魔法戦士になる。に違いない!


「……うん! がんばる!」


 ラピスが、ハァ……とため息を付いて立ち上がる。


「まあいいでしょ。見たところ、今クラスチェンジしても碌な物がありませんね。クラスチェンジして戦力アップになりそうなのは、ハーモア、サウ、レリンの3名ぐらいです」


 そんなにひどいのか?


「今ここに無いカードはどうだか知りませんが……カシュアのとかひどいですよ?」


 ふむふむ、うわっニクダルマやっ! こわっ!

 膨張して街とか破壊しそうだな。

 ギターにお料理セットは普通に元のモンスターになるだけだし、骸骨と竜王はクリスタルカードで見ても大して変化が無い模様。

 鉱石Mに至っては、見た所、なにが変わったか分からないレベル。


「ハーモアは虎になるのか?」

「虎じゃねえ! ライオンだ!」


 まあメスの場合は区別つかねえし。

 いたたた、冗談だって!


「それでは、今後の育成方法は、レリンを20レベルにしてエロフにする。でいいですね」

「だな」

「はいっ!」


 ちょうどその時、エクサリーが店から帰ってくる。

 あっ、ちょっとそこのロリドラゴン! いい顔してどこへ行く!?


「ガウガウ、クイーズガ、マタ、コドモコサエタ!」


 ちょっ、おおお、おまっ、言い方! その言い方はまずいだろっ!


「また?」


 笑顔でロリドラゴンを迎えようとしたエクサリーの表情が凍り付く。


「こいつ浮気してたぞ! いやらしい目つきで顔をナデナデしてた!」


 ハーモアの奴までそれにのっかかる。

 サウが隣でウンウンと頷いている。

 しかも言った後逃げ出しやがった。


「どういう事かなクイーズ」


 凍りついた笑顔で迫ってくるエクサリーさん。うぉっ、これはこれで怖い。


「いやだなあ……ボクが浮気なんてするはずないじゃないですか~」


 オレはエクサリーの両頬に人差し指をそれぞれあてて笑い顔を作る。うん、怖い。

 なんか悪魔がニタァって感じになった。


「何やってるのクイーズ?」

「いや、こうすれば少しは怖くなくなるかなと。逆に悪魔の微笑みになったがな」

「………………」


 あっ、ヤバイ。エクサリーの目がだんだんつり上がって行く。

 スマイル、スマイルっすよ?


 ――ニタァ


「ひぃいいい!」


 なんとか事情を話して許してもらった。


「もう、ロゥリちゃんもあまりからかっちゃだめよ」

「デモコイツ、ゲットシタラビジンガ・・モゴモゴ」


 おい! いらんでいいことは言わんでよろしい。


 ――ガブリ


「イダダダ! このクソドラゴン!」

「ガウガウ!」

「もう、こんな所で暴れちゃダメよ」


 そしてその日の夜中。


「えっ、一緒に寝る?」


 どうやらまだ幼かったようで、一人では寝られないご様子。

 まあいいか、一緒に寝るかってなったんだが。


「ずるいぞ! ハーも一緒に寝る!」


 ハーモアの奴まで潜り込んでくる始末。

 ちなみに、サウの奴は前から足元に潜り込んで来ている。小さいから皆、気にはしていなかった。


「…………じゃあ私も」


 いやいや、さすがにアポロさんはまずいっしょ。

 なお、ロリドラゴンの奴は冬場は潜り込んでくるが、夏場は熱いので寄り付いてこない。ほんと自由な奴だ。


「お坊ちゃま、モテモテですね~」

「幼女にモテてもなあ」


 で、いざ寝ようとした時、なにやらシクシクと泣き始めるレリン。

 堪えていたものが溢れだした模様。

 それにつられてハーモアの奴まで泣きだす始末。

 サウの奴が一生懸命二人を笑わそうと変顔をしている。


 オレはそんな三人を胸に抱きかかえてゴロンと横になる。


「今は泣いて良いぞ。泣けるだけ泣いて、涙を枯らしておけ。そうすれば明日はきっと笑える」


 なにやらサウの奴まで泣きだし始めた。

 こいつの両親はどうだか知らないが、孤児にはかわりない。

 もしかしたら悪戯癖も、寂しさを紛らわせる為の手段だったのかもしれない。


「オレ達はもう家族なんだ。血よりも濃い、同じ命を共有する存在なんだ。互いが互いを支えあい、皆で一緒に生きていこう」

「お兄ちゃん……」

「ウウッ……」


 と、そこへ、バンと扉を開けてロリドラゴンが飛び込んでくる。


「イダダダ! 何しやがるこのクソドラゴン!」

「ナカシタナ! テンチュウ!」


 だから、天誅じゃねえ!

 格闘を繰り広げるオレとロリドラゴンを見て、いつの間にか三人の顔に笑顔が溢れているのだった。

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