ロシアン
検索履歴にニトログリ……
悲しいことに冬は暇なので月・金の定期更新にプラスして
沢山更新できるかと思われます。
多分ピークはクリスマスで、場合によってはそこで燃え尽きますがご了承ください。
流石に疑似星空空間は暗いとの事なので、皆がある程度楽しんだ後に終わらせ、フランスパンも気がついたらバスケットの中に輪切り状態となっていた。
……切るの早すぎない?
俺とソラ以外の全員はそれぞれでストレージ内から色々な食べ物などを取り出して机の上に並べている為、机の上は色鮮やかとなったが、何も持ってきていない俺、ソラはやることが無くただ突っ立っているだけとなった。
因みに姉は、手軽に食べられる物に食器、やばい色をした飲み物なども持ってきていた様で一緒に準備をしている。
「なあソラ…」
「言うな。…なんか持ってくるべきだった」
「それも有るけど、姉ちゃんが持ってる飲み物知ってる?何処からどう見てもやばいんだけど…」
「ん?…ん!?あー…うん。飲んでみたら分かるぞ。俺は絶対飲みたくない」
「……」
何かを思い出したのか、顔を顰めだしたソラを見るに相当やばい物なのだろうが…それを姉は中身の見えない水筒の様な物に入れ、残りの7個には普通の見た目をしたジュースらしき物などを入れてシャッフルし始めた。ロシアンルーレットのつもりだろうが、姉に当たれ。まじで姉に当たれ。
「こんな感じで良いですよね?」
「良いと思う…ルイはそれ全部自分の」
「良いと思うよ〜?大体有名どころは抑えてるしね…私【感覚強化】有るから無理……」
「…ソラのやつ」
「あれって…」
全員が準備を終わらせ、手を止めて会話を始めたと言うのに誰も目線を合わせない。全員の視線の先は姉の手元であり、それが色々とヤバさを物語っていた。…知らないの俺だけだと言う事よりもそんなヤバい物を持ってきた姉が恐ろしい。それで姉が引けば笑い話で済むだろうが…レイナさんなどが引いてしまったらどうなってしまうのか分かった物では無い。
「内訳発表!『死ねるぜ”改”』『青汁』『オレンジ』『ぶどう』『トマト』『リンゴ』『お茶』『魔水』以上!取りたい人から順番にどうぞ」
「…俺から行く。理論上は最初が一番安全な筈だ…よな?」
目線での会話をぶった切ったソラは一番最初に姉の近くまで行き、一つを選択して一気飲みし……
「ッッ……うぉっ……」
倒れるように部屋から出ていった。
「…え?そんなやばいの?」
「さ、さぁ私も選ぼっかなー!」
「ソラ…2度目だし、大丈夫…だよね?僕も選ぼっかな」
「わ、私はこれにします!」
順番に楓さん、イサさん、ユウさんが飲んでいき、普通に美味しかったようで何とも言えない顔をしていた。
「じゃあ、俺も」
「私は…これにします」
「これ」
俺、レイナさん、十六夜さんも続いて飲んでいったが誰も青汁を引いた様子は無く、全員が美味しそうに飲んでいた。因みに、俺が引いたのはお茶だったが、普通に美味しく…他の皆が何とも言えない顔をしていた理由が理解できた。姉ェ…普通に美味しいやつだけで良かっただろうが。
因みに、姉は青汁が苦手で…手元に残った一つの水筒を見ながら固まっている姉を見て他の皆も察したのか、一番扉に近かったイサさんは扉を閉め、包囲陣の様な物が完成していった。
「あ、そう言えば私急用があ」
「ルイ…私もレンジも家、いるよ?」
「「あっ!」」
「おぉっ!?」
「ん?」
…そう言えば有耶無耶にしたとは言えまだ誤解を解いてなかった。思い出した様子のユウさんに追加で楓さん、イサさんも何か引っかかった様子で首を傾げていた。…スルーしてくれて良いんですよ。
「……うぇ。ちょっとログアウトし」
「駄目」
「え、飲んだから良くない!?」
「…ソラ」
「厳しい!厳しいよ十六夜!」
皆が見守る中、一気飲みを完了させた姉はログアウトをしようとしたが、十六夜さんに止められていた。因みに、飲んだのを確認したユウさん、楓さんの意識は完全に先程の言葉に向いており、関係者3人の中で一番暇そうである俺の所へ来ようと
「ソラの様子見てきます!」
「あ、僕も行きます!」
していたが、扉に近い所にいたため、扉を使って近づかれる事を防ぐことが出来……
「え?」
「………………」
「イサさんイサさん、ソラ生きてる?」
「多分大丈夫だと…あと、タメでお願いします。僕ソラと同級生ですよ?」
「あ、うん分かった。…で、これ本当に生きてるの?」
部屋の外に出て一番最初に視界に入ったのが地面にぶっ倒れているソラ。イサ曰く大丈夫では有るらしいのだが…これ本当に大丈夫なんだろうか。
「多分、状態異常で変なのを引いちゃっただけだと…思います」
「…それだけで?」
「はい。前回は『魅了』『幻覚』『難聴』を引いたらしくて…色々と凄かったです」
「へ、へぇー」
ゲームだよね?
ソラ……




