察せない人達
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ランダさんは、順番に他の4人も紹介してくれた。
フォレストアントと戦っていた時に前衛をしていた二人は両名共にドワーフで、男の人はスーラ、女の人はケイと言うらしい。
又、後衛をしていた二人はエルフで、男の人がアーミス、女の人は椿というらしい。
もう一人いたパーティメンバーはデスペナルティをくらってしまったらしく、その場にはいなかった。6人もいればこの層の敵のレベルは60無いぐらいのレベルなので、問題なく攻略できると思ったのだが、彼等は生産をメインとするクランらしく、あんなに沢山のフォレストアントが出てきたのは想定外だったらしい。
「その、なんだ。本当に助かった。第五の街に拠点が有るから、是非来てくれ。タダには出来ないが、優先して売ろう」
「ありがとうございます。機会があったら伺います」
「あ、あぁ。んじゃ、迷惑かけた」
「いえいえ。経験値ありがとうございました」
それからすぐに、ランダさん達は離れていった。邪魔をしないようにという配慮なのだろう。有り難い。
それと、このフィールドで木を伐るとフォレストアントが集まってくるという事も分かったので良かった。
これは…やるしか無いな。
「!!集まりすぎ!!!」
クロには好きなように攻撃しろと指示していたので、レベルが結構上がった。
ただ、深淵の森中層などでやっていたレベリング法とは違い、真正面から攻撃することになったので、精神的に疲れた。
ランダさんに貰ったMP回復薬は使い果たしてしまったが…買いに行くか。
時間も時間なので、ログアウトすることにした。
「…姉ちゃん、料理は…?」
「ん」
姉に促され、台所を見ると…
「誰?」
「泉月…十六夜ね」
「…お客さんに作らせてんの?」
「いや、作るって…」
「…もっと早くログアウトしてれば良かった」
流石にそれは想定外だった。ズボラな性格である姉を甘く見すぎていた。
「あのー、代わります、よ?」
「…、?…レンジ?」
「そうですね、蓮司です。いつも姉がお世話になってます、十六夜さん」
「此方こそ」
十六夜さんは天ぷらを作っていた。と言っても、作り始めたばかりの様でまだまだ揚げられていない物も多く、お客さんに作らせる訳にはいかないので交代を申し出た。
「…代わりますよ?」
「大丈夫」
「……、手伝う事って有ります?」
「…、……汁。お願い」
「分かりました」
「あと」
「はい」
「ゲーム、みたいで」
「はい?」
「敬語、いらない…」
「分かりま…分かった」
一瞬表情が変わりかけたので、慌てて敬語を取り払う。ほぼ無表情なのに唯一見た表情が悲しむ顔とか嫌過ぎる。
それに、姉がいつもお世話になっているのだし、要望には答えて…いつもお世話になってるんだったら敬語にするべきか?まあ、本人の希望で良いだろう。
ソファーでごろごろしている姉を横目に、汁と食器、飲み物を用意する。
ジュースは…まあ出さなくてよいだろう。天ぷらにはお茶の方が断然良い。
十六夜さんを確認すると、うどん、そばをそれぞれで茹でていた。姉と交換して欲しい。
まじ。
「出来たぁ〜?」
「姉ちゃん…」
「…。謹んで手伝わせて頂きます」
「うん。お願い」
出来たものなどは全て姉に運ばせる。
その間に茹で上がったようなので、それも水切りなどを此方から申し出て…
姉にやらせる。
「十六夜さんは…座っ…これ、運ぶのお願い」
「うん」
少しグダグダしてしまったが、十六夜さんのおかげで美味しそうな料理が出来上がったので、早速夜ご飯を食べることにした。
本当に、何処かの姉は少しぐらい見習って欲しい。
「「「いただきます」」」
「そう言えば泉月、なんで喧嘩になったんだっけ?」
「喧嘩じゃ、無い」
「順番に」
「…弟と、ゲームやるつもりで」
「うん」
「でも、弟、βで貰えなくて」
「うん」
「…いる?って聞いた」
「うん」
「いらないって」
「うん」
「だから、瑠依にあげた」
「うん」
「弟が口聞いてくれなくなった」
……。
ふむ?
「姉がすみませんでした」
「「えっ?」」
「え?」
「どゆこと?蓮司」
「弟さんが本当は欲しかったっていう事じゃないの?」
「でも…いらないって」
「多分、強がったんじゃないです…か?」
「「?」」
「駄目だこいつら」




