モンスタートレイン?
リアルの都合で更新できなかった…。
今週の残り+来週で3話は更新します。
昼を学食で食べ、午後も先輩流?の早打ちの方法を教えてくれたので、それを一通り教わってから家に帰った。家についたのは午後5時過ぎであり、出来る時間は少ないだろうが、クロのレベル上げを少しでもやっておきたかったのでログインした。
ログインしてすぐに第五の街迷宮へと移動し、すぐにレベリングを開始した。
「んにゃ」
因みに、クロには申し訳ないが、クロのステータス構成は遠距離に特化させてもらった。一応AGIにも少しは振っているが、大半はMPとINTを上げるのと、影魔法、隠密を上げるのに使わせてもらった。
「ふにゅっ」
「……相変わらず、何ていうか」
いや、可愛いし、和むから別に問題は無いのだが……そのくしゃみをするかの様なモーションと共にシャドウランス?恐らくそれであっているであろう影で出来た槍が飛んでいくのは少しシュールである。
「あ、クロのレベルが上がったな」
「にゃっ」
「どんどん次行き……ん?」
ふと視界に入った土煙の様な物。距離的には200m以上離れているが、確実に土煙の様な物が発生していた。……まあ、プレイヤーが何かをしているのだろう。なるべくそちら方向には行かないようにして狩りを続ける。
「【手加減】……残んなかったか」
因みに、手加減のスキルレベルは未だに1である。基本的に調教スキルとセットに取得され、調教士が使うスキルであるそれのレベルを上げる必要性があまり感じられず、上げていない。
手加減スキルを最大レベルに上げていれば今頃はクロのレベルが40近くいったのかもしれないが、そんな量のSPは残っていないし、今後使いみちに困りそうなスキルを上げる気は無い。
「次ー…【手加減】…おっクロ」
「ふにゅっ……んにゃっ!?」
「ど、どうした?」
クロは安定の動作と共にシャドウランスを発射し…此方に振り返った直後に驚いた様な声を上げて固まった。
クロの視線の方向、俺の背後に視線を向けると…
「うはっ」
50m近くある木が数本倒れ、とても大きな土煙が発生していた。
「…、逃げるか」
「にゃっ」
恐らく、先程の土煙が巨大化したのだろうが此方には来ないで欲しかった。プレイヤーが何かをしているのなら関わりたくないし、プレイヤーが関わっていなかったとしてもとても危なそうなので、到底行く気にはならない。
「ま、待ってくれ!え、ちょ!?少しぐらいは止まる素振りを!」
今確実に見てはいけない物が見えてしまった。ちらっとしか見えなかったが、土煙の中には沢山の蟻が見えていた。一応、後退しながらも戦い続けているプレイヤーも数人見かけたが、如何せん蟻の数が多い。土煙の大きさから考えるに…最悪100匹を越えていると思う。
フォレストアント100体。遠距離から攻撃しても良いなら一切危なげなく倒すことが出来るだろうが、近距離から逃げながらとなると、周囲への警戒が疎かになり別の魔物からダメージをくらってしまう可能性も有る。
「お、おい!!」
「…なんです?」
「て、手伝ってくれないのか?」
「……」
確か…モンスタートレインと言うのだったか。このゲームではほぼいないと言われているPKプレイヤーだろうか。MPKというモンスターの擦り付け行為が存在するとナオは言っていたが、これはそれなのかもしれない。
「俺へのメリットが無いですし」
「…ッ。そ、そうかもしれないが!アントを倒すのを手伝うぐらいはっ!」
どうするべきか…。チラッと見た限りではアントとの戦いをしていないこの男以外は皆、俺の事には気づいていなそうだった。それがフリなのかどうなのかは知らないが、MPKに会う確率はとても低いと言っていたし助けてもよいのかもしれない。
ただ…助けるとしたらハンドレッズアローを使うことになるだろうから、MPが心許無くなる。
「…範囲攻撃に当たっても責任は負いませんし、経験値掠め取ったとか言わないなら……」
「そ、それで良い!頼む」
一番気にしている事はMP残量だが、そんな事を態々言う必要はない。取り敢えず、ナオが言っていたように経験値についてなどの言質を取ってから攻撃する。
「【ハンドレッズアロー】【インパクト】【ブラスト】」
なんとなく倒せそうな魔力量、1500MPを消費し、フォレストアントと戦っている人達には当たらないように矢を拡散させる。
「あ、レベル上がった」
俺が放った矢の範囲内にいたフォレストアント達が倒れたのを確認しながらMP回復薬をすぐに飲む。
「お、おぉ……」
「え、何!?」
「すげぇ……」
「「……」」
戦っていたフォレストアントが唐突に死亡したのを見てか、戦っていた4人と、俺に話しかけてきた男は驚いていた。
「では」
「いやいやいやいや!!!ちょっと待てや」
「何か?」
「そ、その、なんだ。助けてくれてありがとう。お礼と言ってはなんだが…これ、受け取ってくれ」
男のその発言と共に視界内に現れたフレンド申請とトレード画面。フレンド申請を承諾し、トレード画面へと移ってみると、此方からは何も差し出す必要はなく、ただ確定を押すだけで良かったのですぐに押した。
「へぇ……」
トレードで渡されたのはMP回復薬だ。ただ、ギルドで売っているような固定値回復ではなく、割合回復。割合は2割だった。代わりにクールタイムが10分と長いが凄く良いMP回復薬だろう。それが10個も渡されたと考えるとだいぶでかいだろう。
何も考えずにフレンド申請を承諾してしまったが…何も考えてなくてよかった。
「これ、貰っても?」
「ああ。俺が作ったやつだから貰ってくれ。何ならもっと渡すべきなのかもしれないが…今は無い」
「全然これで十分ですよ。貰い過ぎな気がしますし」
「いや、それは貰ってくれ。それと、今更だが俺の名前はランダだ。クラン【精霊の塒】のクランマスターをさせてもらっている。よろしくなレンジ」
「あ、はいよろしくお願いしますランダさん」




