召喚士と従魔ギルド
更新遅くなってすみません。
リアルの都合で金土日が書く時間を取れませんでした。
又、今後も金土は更新が出来ないと思います。
ご了承ください。
「そう言えば…お前どうやってハヤテを殺したんだ?」
「普通に弓で射た」
「は?…弓って当てられないんじゃないのか?」
「リアルで少し齧ってるからねー」
そう言えば、【遠距離物理】の認識はそんな物だったか。始めた頃しかそんな事を言われたことは無かったし、周囲にいるレイナさんやユウさん…は怪しかったような気がするが、普通に当てていたから忘れていた。
「…因みに、教える事は出来るか?」
「やった事が無いから何とも言えない」
教えるのは…擬音ばかりになっても良いなら確実に出来るだろうが、論理的にと言われると厳しいものがある。そんな質問をしてくるという事は、弓を使えない友達でもいるのだろうか?
もうすぐこのゲームがリリースされてから一週間近く経つが、そのぐらいの時間があれば当てることぐらいは出来るようになると思うのだが…。ナオ情報だと【瞬光】にもリアルで弓を扱った事は無いが、センスと努力とスキル効果で問題なく使えるようになった人もいるらしいし。
「んー…お願いしてもいいか?リアルの友達なんだが、一緒にゲームをしたいんだ」
「……利点がなぁ」
申し訳ないが、教える時間を取るよりかは自分のレベル上げを行いたい。友達だったら時間は取るが、今日あった見ず知らずの人の友達というほぼほぼ無関係な人に時間を使うのは…まあ良いのだが…。
……、
「あ、そうだ。【召喚】するのを見せてよ。見せてくれたら出来る限りで弓の使い方を伝えてみる」
「そんなんで良いならいくらでも見せるが…」
それで良い。【召喚】という物がどんなスキルなのか気になるし、精霊召喚との違いなども気になる。
ナオからのお願いがなければ、召喚士と弓使いのどちらを選ぶかで長時間悩んだであろう職業でもある。
召喚士でないと同時に1体までしか召喚していられないらしいし、召喚している間は他プレイヤーとパーティを組む事は出来なくなるが、召喚士で無くても【召喚】を使うことは出来る。基本ソロの俺からしてみれば、デメリットはあって無いような物だし、なんなら【召喚】を取得しても良いかもしれない。一応、SKPは50近く有る。【方向性】が違う為、取得だけでも4SKP使うが、4レベルまでは上げることが出来る。
「それでお願い。元から召喚士は気になってたんだ」
「…なら、それでお願いしてもいいか?」
「うん」
「分かった。なら、取り敢えず第五の街まで戻って、従魔ギルドへ行こう。ギルド内にある魔法陣じゃないと召喚も出来ないからな」
「分かった」
それから、少年について行き、第五の街にある従魔ギルドへと移動した。
「あ、そう言えば【召喚】とか、使役系のスキルがないと入れ……てるな」
「……」
そういうのは出来れば早く言ってほしかった。道中で軽く自己紹介をしあった少年、ソラに悪気は無いのだろうが、そういうのは止めて欲しい。恐らく【精霊召喚】が使役系スキルに該当するのだろうが…あまり知られたくない。
「レンジ、使役系スキル持ってたのか?」
「あ、あぁ…」
どうせ取るかもしれなかった【召喚】をレベル1だが取得し、誤魔化せる様にすることにした。
「あ、レンジエルフだし【精霊召喚】を持ってるのか」
「は?」
……。ソラは人族だ。精霊関連のクエスト発生条件を満たすのには精霊人である必要があった筈だが…となると、外部から取得した情報だろうか?【精霊召喚】…まあ、ルトさん達も【水獣の興味】を教えてくれたわけだし、広まっていないわけがないか。
「違うのか?」
「…さっき【召喚】が欲しくなって取得したんだ」
「あーそうか。変な事聞いて悪かった」
「いや、大丈夫」
それから、ソラに連れられてギルドの地下へと移動した。ギルド内で数人程魔物を連れている人を見かけたが、人数としてはとても少なかった。10人いるかいないかだろうか?魔物の数を含めると3倍から4倍程度にはなりそうだが、大型の魔物はいないため、いつも利用しているギルドよりは広く感じた。
因みに、従魔ギルドは西にあった。
「これ?」
「ああ。この魔法陣の中心に魔石を置いて、ワードを唱えれば召喚される。何が召喚されるかは基本ランダムだな。ただ、だいぶ魔石の種族が出やすくなっているはずだ」
「へぇー」
因みにこのゲーム、詠唱というものが元々必要とされていない。一応、詠唱をしても問題ないらしいが、【詠唱】というスキルを取得し、自分で詠唱を考えなくては効果がない。まあ、【詠唱】というスキルが最大限に発揮すればだいぶ威力が上がるらしいが、わざわざ【詠唱】をする人などいないだろう。
魔法陣のサイズを考えると、大きすぎる部屋の中心に魔石を置いてから、ソラは端っこまで移動した。勿論、俺もついていっている。
「じゃあ、俺がやるな?まずはグラスラビットの魔石からだ」
「うん」
「【召喚】!」
その掛け声と共に、魔法陣が光り…グラスラビットが現れた。
「…外れかぁー【開放】。……まあこんな感じだな。見たいもの見れたか?」
「うん、ありがとう」
見た目としては、フィールドボスが召喚されるのと然程大差は無かった。元々あった魔法陣の大きさから小さくなり、グラスラビットが現れたのだ。まあ、ソラはグラスラビットと召喚契約を結ぶつもりは無いようで、すぐに送還していたが。
「んじゃ、次はオー」
「俺やっていい?」
「ん?ああ」
取り敢えず、許可は貰ったので……アサシンスネイクの魔石を使う。アサシンスネイクの魔石は3個持っているから、失敗しても…まあ良いだろう。
「おまっそれ」
「ん?まあ気にせずに。【召喚】!」




