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【水獣の興味】

「ん?十六夜を知ってるのか?」

「いや、知ってるも何も今一緒にパーティー組んでる人ですから」

「何その贅沢パーティー…他は?」

「レイナさんとユウさんですね」

「ユウさんが誰かは知らないけど、レイナさんも称号数5個の人じゃない?本当に贅沢パーティーだね」


 レイナさん、いやあの人は称号数よりもリアルスキルのほうがやばい人ですよ?

まじで称号数とかに囚われずにPSを見て欲しい。あれマジでやばいから。


「まあ良いや。ツインヘッドベアの攻略法を教えてくれないか?」

「MPが枯渇するまで風の刃を避け続け、枯渇したら遠くから矢をあて続けます」

「…参考にならないんだけど」

「実際にそれで倒せますからね…」


 参考にならないのは俺も分かっている。てか、今の段階だと俺以外には出来ないだろう。


「因みに、次の層がどんな感じか教えてくれる?」

「ツインヘッドベア、嬲り殺されてましたね…」

「「「「……」」」」

「…そこの敵のドロップアイテムをなにか持ってない?ダンシンに鑑定してもらえばレベルが分かるから」


 あ、じゃあボスであったツインヘッドベアと嬲り殺されてたツインヘッドベアの両方を出そう。


「…片方は35で……もう片方が…」

「もう片方が?」

「…52だ」

「「「「……」」」」


 そんなに高かったのかあのツインヘッドベア。あいつ蜘蛛に殺されかけてたんだけど。


「よく倒せたね…」

「どうも。んで、深淵の森中層の素材で装備を作ってほしいんです」

「俺には荷が重い…」

「私もちょっと…」


 トッププレイヤーだから問題ないような気がするのだが、違うのだろうか。


「流石にそれはきついと思うよ…。大事な素材だし、失敗したらってどうしても考えちゃうからね…」

「…?…あっ!何を勘違いしてるのかは知らないけど、俺はそれじゃなくてこれで作ってほしいんです。アサシンスネイクっていう奴なんですけど、その隠密性能が少しでも欲しいから…」

「…何故ハードルを上げたんだい…?」

「いや、アサシンスネイクの皮は99個あるから、成功するまで失敗していいですよ?」

「「「……」」」

「レンジ君。まずは君は常識から覚えてこよう」


 常識?いや、普通に有ると思うのだが、違うのだろうか?それよりも、先程から一言も発しなくなった情報ギルドの男が凄い気になる。


「で、作ってもらえるんですか?」

「…それよりも、割高で買い取りますので他の情報もいただけないですか?」

「他の情報…ですか?」

「ええ。私は情報クラン所属ですから。出来るだけ情報は入手しておきたいんです」


 この人、情報提供者(仮)の行動を妨害しているのだが、情報を貰えると思っているのだろうか?


「情報をいただければ、こちらの専属裁縫士を紹介しましょう。彼でしたら怖気づく事も無いでしょうから、快く引き受けてくれると思います。それに、失敗した分のお金は払います」

「…あまり渡すような情報は無いのですが…」

「いや、そんな事は無いはずです。貴方の称号の内、半分は推測がつきますが、もう半分は全く分からないんです。いえ、少しは推測は出来ていますが、教えても良さそうであれば教えてもらえませんか?」


 称号の半分も推測できるってどういう事だよ…。大体10個分。どの称号は推測がつくのだろうか?


「【水獣の興味】」

「?」


 その時、急にダンシンさんが言葉を発した。


「…心当たりは無さそうだな。因みに、今のは特殊クエストの名前だ。今日俺等4人はそれについて話し合っていた。トッププレイヤーなら分かると思ったんだが…」


 【精霊の興味】関連のやつだろうか?すると、【水精霊の興味】を発生させる条件が分かるかもしれないから、詳しく聞きたい所では有るが…タダでくれそうには無い。


「…。…一応、その情報に関してはお教え致します。ダンシンさん、それでよろしいでしょうか?」

「良いぞ。クエストに関しては俺が説明しよう」

「ありがとうございます」

「ああ」

「よろしければそれとは別に、レンジさんが持っている情報も何か教えていただけないでしょうか?」


 【水獣の興味】を教えてもらえるのなら、問題無さそうな情報は全部言っちゃって良い。元から話す予定だったし。…精霊の情報は、一応十六夜さんに許可を取るまでは話さないほうが良いかもしれないし…。となると、第二職業などだろうか?


「中級職ってどうですか?」

「それはβ時からありましたね。私が知っている限り、上級、超級、神級というのも有るはずです」

「…じゃあ、第二職業」

「それもβ時から…」

「…誰でも取れる称号」

「詳しく聞かせてもらえますか?」

「【殲滅者 (グラスラビット)】【称号コレクター】【スキルコレクター】【迷宮挑戦者】」


 ただ、これは本当に誰にでも習得できてしまう称号だから、そこまで価値は無いような気がする。だが、どうやらルトさんは知らないのが有ったようで、質問を投げかけてきた。


「…2つ目と3つ目は聞いたことがないね。一応想像はつくけど…何個でかを教えてくれないかな?」

「称号は10個、スキルは25個ですね」

「多いね!…他の情報は?」


 …もう喋れるような情報は無いような気がする。精霊関連を話さないとなると、本当に話せる情報が減るな…。


「無いですね」

「そうですか。では【水獣の興味】ですが…」


 無いと言った俺を見てか、スイさんはダンシンさんに目線を移した。


「まあ、【水獣の興味】を発生させたのは俺だから俺が説明しよう」

「お願いします」


 ダンシンさん…となると鍛冶関連、生産関連だろうか?

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