表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

190/196

VSetc……

修学旅行中に市場に行ってきたのですが、あれですね。

客引き(?)の勢いが強すぎて友達が半ギレしてました。

頑張って陽キャのフリして全力で対応にあたったんですけど後から友達に『声ちっちゃかったよ』と言われて……泣く。

 押し流されている為、グドラに根付いてもらった場所から少し離れた所からグドラを見上げる形となったのだが、それが幸いしてかグドラという壁によって掻き分けられた水の間に立つ事に成功し──


「【ショートワープ】【スカイジャンプ】」


 そこに水が来るまでの一瞬の間にグドラに乗り移る事に成功した。その後すぐに俺が居た場所にはより勢いの強い水が入り込んできていたので賭けに近い物だったのだろう。


 ……水中からは分からなかったが、未だに中心部辺りでは水の柱が出来上がっており、そこから水が流れ続けている。上位災獣の動きがそれしか無いのは不穏ではあるが……背中から水を排出する、クジラの様な何かなのだろう。


「さすがに災獣は倒れないか……」


==========

上位災獣:1体 3.1/100%

中位災獣:2体

下位災獣:3体

劣化災獣:7体

眷属:849体

==========


 討伐状況を見る限りでは俺が知らない所で1体の劣化災獣が倒されているが、それ以外は倒された様子は無い。流石に『全ての災獣討伐に関わる』などと言う気は無いので誰かが倒したのだろうが……この濁流の中、何処かに災獣達が隠れているのだろう。


「出来る事が無いな……」


 取り敢えずMP回復薬を飲み周囲を見渡す。中心部に近い方向に先程見えた土の壁、木が一つあり、よく見れば後方には大きな水柱がもう一つ出来上がっていた。あれがザラタンの物だとすると俺が思っていたのとはだいぶ違った流され方をしたような気がするが……まあ良い。


 他には遠い所に凍った部分や蒸発してるからか空気が揺らめいている部分などもあるが、結構離れているのですぐ接触する様な事は無いだろう。目下気にするべき事は何故か此方へと近づいてきている泡。気泡の数からしてだいぶ大きな……いや、大量の群れで移動しているだろうそれは、確実にグドラへと近づいてきていた。


「なんだ……?」


 泡の数があまりにも多すぎるので水中の生命体では無い、肺呼吸をしている魔物の筈だが、それだと水の下にある土中……要するに上位災獣の体内を移動しているという事になる。


「……」


 暫く考えてみた結果、蟻。知識を踏まえた上ではインペリアルアントに相当する何かでは無いかと思ったのだが、だからといって何かが出来る訳もなく、気がついたら周囲一帯を泡で囲まれてしまっていた。俺の想像通りインペリアルアントだとすれば、何処かにインペリアルクイーンアントなどの女王種がいる筈なのだが、辺りを見回してもそれらしき泡は見つからない。この周囲の何処かに紛れ込んでいるとした──


「ッッ──」


 急に反応した気配……というよりも熱と共に、グドラに大きな衝撃が響き渡る。熱の勢いからして炎を身に纏って特攻してきただろうそれはグドラを挟んで丁度俺の反対側に止まった様だが、信じられない事に姿形からして──


「クワガタ……だよな?燃えてるけど」


 如何にも火に弱そうな見た目をしたクワガタだった。体を炎で包み込み、グドラに燃え移りかけているのだから火に弱いなんて事は無いだろうが、イメージとして虫が火に強いなどとは少し想像ができない。災獣故に何でも有りなのかもしれないが……お互いに硬直し、数秒の間が発生する。


「……よく見たら少し焦げてるな」


 焦げたような黒光りを所々に発生させながら、相変わらず動きを止めているクワガタ……の周囲に大量の虫が発生する。


「んなっ、下位!?」


 多少の眷属がそのまま下へと落ちていって流されはしたが、大半の眷属がそのまま空を飛び、グドラの周囲を囲いつつ止まり始める。

 それがある程度終わってからようやく、クワガタ……ではなく下の気泡から大量の気配が現れ始めた。

次の更新は日曜日です。

次回から試験的に分量を増やしてきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ