バフ、デバフ
埋まらない空白と真顔にらめっこをしてシャー芯が机にあたる音を子守唄に眠る週間がやってきry
そういうわけで、次更新は日曜日です。
ステータスの方も少し時間がなくて日曜の更新をした後数時間後、とういう形になるのではないかと思われます。
ご了承ください。
「メインで使ってるのが朱雀に貰った【領域射撃】、【追撃】ですね」
「ふむ?」
想定していた質問が来たので即答するも、雫先輩としては全く満足しなかったようで続けて?といったような視線を向けられた。プレイスタイルの根幹にも関わるので秘匿するべきなのかもしれないというのはこの際置いておいて、正直に言うとあまり言いたくないスキルが一つだけある。のだが……まあ雫先輩は知らなそうだし問題ないか。いずれ雫先輩も取得するのだし参考になるかは分からないが順序立てて説明してしまおう。
「ブラッドスキルって4つの軸があるのは知ってますか?」
「ああ。確か……攻撃、防御、バフ、デバフだったか?」
「そうです。朱雀の攻撃、白虎のバフ、玄武の防御と青龍のデバフ。それぞれでパッシブスキルとアクティブスキルを計8つ覚えられます」
「らしいな。一つ一つがあるだけで格が違うとも聞いている」
「ただ、俺のバフスキルとデバフスキルは殆ど同じ効果なのでそこに関しては他の人とは違うと思います」
「……?」
実を言うとそれよりも参考にならなそうなスキルが存在するが、取り敢えずそれは後回しで良い。これから説明する……バフスキル【吸魂】【矢刻ノ雨】、デバフスキル【吸魔】【矢刻ノ雪】。名前だけを見てもその効果の近さが伺える。
──あ。
「【撃墜】」
「……今信じられない物を見たのだが」
俺と雫先輩が近くにいるが故に、当たり前のように2つ首で襲いかかってきた劣化災獣が飛ばしてきた火の玉、光の玉を撃ち落とす。因みにだが会話中も撃つ行為、お互いの首に噛み付く行為の妨害を止めていないので回復はされていない。
他の首がある以上俺と雫先輩がいる所までは物理的に届かず、今の攻撃は苦肉の策の様な物だったのだろう。諦めてレイナさんの首の所へと協力に行こうとするが……させるわけがない。
……因みにだが、俺と雫先輩が相対する首はクヌギさんの方の首の存在を無かった事にしていた。何度か二度見をしたような気もするが……助けに行く気は無さそうだった。
……。
「今のは後で説明するので取り敢えず……【矢刻ノ雨】【矢刻ノ雪】」
MP回復薬を飲み、2つのスキルを発動させてから解説を始める。
「この2つのスキルですが、【矢刻ノ雨】は俺個人にかかるバフスキルで周囲100m内の敵への固定ダメージの追加。【矢刻ノ雪】は敵性体にかかるデバフスキルで周囲100m内の敵性体の貫通耐性無効です。両方とも持続時間は100秒、消費MPは1万です」
「……1万?レンジが使った回数を考えると到底足りる物では無いと思うのだが」
「その為のパッシブスキル、【吸魂】【吸魔】です」
「……」
俺の中で【領域射撃】や【追撃】よりも役に立っていると言っても過言ではないこのスキルだが……、
「バフスキル【吸魂】の効果は相手のHPを削った際に相手に応じた全ステータスの微強化、HP回復、MP回復。デバフスキル【吸魔】の効果は相手に与えたダメージに比例したMPダメージ、同MPの回復です」
「……。確か、チート?と言うんだったか?」
「多分他の人達も同じ様な能力を持っていると思います」
レイナさんであればHP最大値の回復に留まらず最大値の増加ぐらいは持っていそうだし、クヌギさんのブラッドスキルなど”相手にしか効果がない”などとは聞いていないので想像通りであれば圧倒的に格が違う。まあ流石に不死身では無いと思いたいのだが、クヌギさんのブラッドスキルは良く分からないのだ……。
「……格が違うわけだ」
「人それぞれで個性が出るので雫さんも取得した後、言っても良い様だったら教えて下さい」
「あ、あぁ。……わかった」
どの様なスキルを取れるのかに思いを馳せたのか、少し反応が鈍かったが……次の説明に移ろう。
遠くからナオの『楽しそうに会話してんじゃねえ!!』といった怒声が聞こえた様な気もするが……劣化災獣と戦っているナオにそんな余裕は無い筈だから気の所為だろう。それよりかは先程からずっと此方へと注意を払ってきているレイナさんが……、
「【血ノ暴巫】【血ノ暴覡】」
ブラッドスキルを発動した。
【血ノ暴巫】(バフスキル)
【血ノ暴覡】(デバフスキル)




