上位災獣
活動報告でもお知らせしましたが、現在二巻の予約受付中です!!
コミカライズの方も結構進んでたりして色々嬉しい限りです。
少しでも気になった方がいましたら是非予約してみてくれると嬉しいです!
「そういえばナオ、あっちの方が騒がしくない?」
「ん?……あぁ、あっちはな。聞こえた限りだと大きな穴が開いてるらしいぜ?ここ、海から結構離れてるし『地下への入り口なんじゃね!?』っていうわけ」
「へー……」
俺の考えどおりこの地面が災獣のそれだとなってしまうと、その穴とやらは災獣の体内への入り口となる訳なのだが……。そんな事を考えたタイミングで下位災獣と戦った時に発生した大きな爆発の事を思い出す。
大地が紅く染まり、その表面を氷が覆っていた爆発後の現場。あの時はあれがエクスプロージョンとブリザードをかけ合わせた事による追加効果の様な物だと思っていたのだが……あれが災獣の肉だとしたら?劣化災獣がそれを見て縮こまっていた事もあり、そう考えれば考える程にそうとしか考えられなくなる。
「……見てみるか」
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上位災獣:1体 0.8/100%
中位災獣:2体
下位災獣:3体
劣化災獣:9体
眷属:3257体
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「0.8%……?」
想像通りというべきか、『???』の代わりに上位災獣と表示された事で確信を得る。それよりも気になった0.8%という数字だが……前回見た時が0.1%だったので、あの爆発のみで0.7%も削れたという事になる。実際は他のプレイヤーも爆発を起こしたりしているだろうからもう少し少ないだろうが……”上位”という割には弱いのは間違いないだろう。
「おーいレンジ、一人で納得しないでくれ」
「いや……うん?」
そういえば、一番最初にザラタンを見た時、俺が『下位災獣』と『眷属』が表示されたのに対して、レイナさん達は何も表示されていなかった。俺はそれを認識の差だと思ったのだが……今ナオを使って試してみるのもありだろう。
「ナオ、表記はどうなってる?」
「ん?……あぁ、さっき下位災獣が倒れたタイミングで”下位災獣”、”劣化災獣”の二項目が追加されたぞ。”眷属”は眷属を倒したタイミングで追加されたから……倒した敵以下のが解明されるんだろうな」
「……ザラタンいたのは見た?」
「あぁ、海にいたやつか?見たけどあれは下位災獣の一個上に分類されるんだろうな。てっきりあれが四体で下位災獣だと思ったんだが」
「……」
ザラタンを”知っていた”ナオが見たというのに『中位災獣』と表示されなかった以上、俺の推測は間違っていた事になる。よく考えればレイナさん達にも俺が災獣であると伝えていただけであまり反応が良くなかった。そうなると、俺個人に何か問題がある事になるのだが……心当たりしか無い。
「レンジ、どうした空を見上げて」
「いや、一人だけズルしてる気分になってて」
「……、あれか。あの樹の奴で何かあったのか?確かあれも災獣だっただろうし」
「グドラね」
名前を知らない筈は無いのだが取り敢えず『グドラ』という名前を伝えてから、一瞬で察したナオへと、表記についてのみを軽く説明した。察しが良すぎて『それ以外にも何かあるんじゃねぇの?』と問われたが……あのアイテムに関しては俺が一人で独占したいから言うつもりは無かった。麒麟を拒絶した共犯にする訳にはいかないという大義名分の様な物もあるのだし、これに関しては例え姉やレイナさんであっても言うつもりは無い。
「よし、急拵えだがこんな物だろう」
その後も、ナオと共に他愛のない会話を続けていたが数分してようやく、クヌギさんが声を上げた。それによって何かを話していた様子の雫先輩とミウさん、ハクさん。ハルトとルファさんが動き出し、それに続いて俺とナオも動き出した。因みにだがレイナさんはいつ頃からかは分からないがクヌギさんの横にいた。何か会話していた様子だが……まあレイナさんの顔を見る限りだと情報交換かなにかだろう。
「悪いが手持ちも少なくて下拵えはスキルだよりだしシチューしか作れてない。まあ……品質は悪くはないから味わってくれ」
そう言って皿によそったシチューを配るクヌギさんから各々で受け取り、クヌギさんが用意した椅子へと座っていく。台所の様な物に机に椅子。流石にこの数がぴったりだという事は無いだろうから……なんだろう、クヌギさんはイベント中に店でも開く予定だったのだろうか。
何気に今年一回も本屋に行ってないorz
二巻発売されたら見に行こうと思います。




