『麒麟の招待状』
凄いアホな話ですが前数話は閑話にすべきでしたね……。
新イベントを書きたいのに雫先輩も出したいというジレンマでどっちつかずになってましたが、
此処からイベント始めます。
……と言っても後数話はイベント準備の話になりますが。
雫先輩に別れを告げて、移動を開始する。
行き先は……此処から一番近い『朱雀』がいる場所で良いだろう。【PRECEDER】や【瞬光】は当たり前の事、沢山のクランが第十の街まで到達しているこの現状、新大陸へと行く手段が見つかっていない事もあり、俺が出来る事は割と限られていた。
合計8つのブラッドスキルのレベルを上げる為に人工守護神獣に再戦を挑んだり、レアアイテムを求めて迷宮の奥地へと潜ったり。やろうと思えば街周辺の草原の殲滅者の称号を狙ったりも出来るのだろうが……人の混雑具合から、それは一度もやっていない。
「今は再戦は良いかな」
朱雀の虚霊頒神と戦った場所に移動してすぐに表示されたメッセージから非戦闘を選択して、半開きになっている神殿へと入っていく。因みにこの神殿だが、朱雀との戦闘勝利後に必ず飛ばされる……朱雀の本体が封印されている空間だ。初めて虚霊頒神と戦った時には背景程度としか考えていなかったのだが、ここで無いと【朱雀の加護】で得たブラッドスキル【追撃】【領域射撃】のスキルレベルを上げられない。
「んー……11にいけるかと思ったんだけど」
既に最大レベル──10に到達している【追撃】、【領域射撃】。両方共にタップすると『解放条件を満たしていません』という通知が来ていたので【五神に触れし者】の効果で更なるレベル解放条件が満たされたりするのでは……と思ったのだが、そう上手くはいかなかった。
因みに、両方のスキル効果だが……、
【追撃Lv.1】
全ての矢に追撃を発生させ、同効果×1.1倍を付与する。
消費魔力倍増
【追撃Lv.10】
全ての矢に追撃を発生させ、同効果×2倍を付与する。
消費魔力倍増
【領域射撃Lv.1】
任意の100の空間の歪みから10秒間、1秒毎に矢を射出する。
消費魔力1450
【領域射撃Lv.10】
任意の100の空間の歪みから10秒間、1秒毎に矢を射出する。
消費魔力1000
こんな感じである。今までは【領域射撃】にばかり目を向けていたが、効果上昇率が100%になった事で【追撃】があり得ない程の力を発揮してくれている。矢を普通に射るだけでも現在のSTR──400に依存する威力を発揮した後、その倍であるSTR800に依存する威力を発揮してくれるのだ。実際の所はそんな単純な威力増加にはならないのだろうが、それでも【インパクト】などがあり得ない威力で爆発する様になった。
現在のレベルが人工守護神獣の目安レベルである150を超え、そろそろ170に到達するからか……余裕でレッサーザラタンを消し飛ばす事も出来る。
総魔力量が闇精霊のヤミ、影精霊のエイに協力してもらった時に3万を超える事もあり……なんならレッサーザラタンが複数体出てきても簡単に倒す事が出来るだろう。
「どうするかなぁ……」
他のブラッドスキルも全てレベル10に上げている為、今できる事など迷宮の奥地を目指す事ぐらいしか無い。因みに、一度海底を歩いて何処までいけるのか試そうとしたのだが……途中で強制的に最寄りの神殿である此処に飛ばされた。
「……ん?」
そんな事を考えていると、頭の中に鳴り響いた通知音。一瞬雫先輩から連絡でも来たのかと思ったが……メールの色が違っていた。
「えーっと、イベントのお知らせ?」
まさか前話あとがきで書いたアホネタが両方拾ってもらえるとは……




