表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

137/196

クラン戦11

発売日です!!!

何ていうか未だ夢を見ているような気分ですが……

今後も時間があれば拙作を楽しんでくれると嬉しいですm(_ _)m

 無言の時間が生まれている内にハルトさんの後ろへと移動したエナさんのさり気なさに驚いたが、それよりも一番近くにいたルファさんではなく、ハルトさんの後ろに隠れた意図に気づいた時の方が驚かされた。普通に嫌がるハルトさんを前へと押していくエナさんを見るとそういった感情は無いように思えるが……。


「そういうのしてたら勝てないと思います」

「わたしも……そう思う」


 そんな中切り込んでいった麻友さんに俺、エナさんが驚きの表情を浮かべる。が、それに続いてルファさんも同意した事で何となくそんな雰囲気は霧散した……と思う。


「クッ、こっちから攻めるわけには」

「なんで私の職業は火力が出しづらいのよ」

「えぇぇ……ん?ナオ、そういや【剣闘王の誓い】って?」


 軽く流したが、よく考えれば漢字を使った声に出して言うスキルはブラッドスキル、守護者関連のスキルしか知らない。厳密に言えば生産系のスキルもそうなのかもしれないが、どちらにしろ【剣闘王の誓い】などというスキルは聞いた事がなかった。


「んー、これ言っていいやつか?ハク、どう思う?」

「ナオの好きにして良いぞ」

「んじゃ……内緒だな。自分で探してみろ、レンジ」

「いや、ジャンル的に俺じゃ探せない奴だろ……」

「ん?……まあ、探してみろよ。きっと見つかるぞ」


 見つかる……と言われても剣闘王なんてスキルを取れる気がしないし、取れても使える気がしない。ハクさんの職業が剣闘王なのだと考えると連撃王の誓いというスキルも有るのかもしれないが……全く手がかりがない今、どうやればそのスキルを習得出来るのか想像できなかった。


「……脱線しすぎたな。ミウ」

「な、何よ!?」

「エナを守ってくれ」

「はぁ?ま、まあ分かったわよ」

「ハク、行くぞ!」

「ああ!」

「んなっ」

「……ミウにしか頼め──」

「【ファイヤースラッシュ】!!!」

「……」


 どう考えても当たるわけのない距離から放たれた【ファイヤースラッシュ】を余裕を持って躱して攻撃源の方を見ると……ミウさんを見てニコニコ笑っているハクさん、真顔でハクさんを見ているミウさん、その後ろで守らている筈なのに何故か離れようとしているエナさんがいた。ナオは……後ろッ!?


「【ショートワープ】」

「ッチ!?だからなんで場所が分かるんだよ!?」

「多分【精霊王の加護】かな?」

「ルトさんと同系統のスキル!?」

「ルトさん!?」


 ルトさん……となると【竜王の加護】だろうか。効果はあまり想像する事が出来ないが……スキル効果増加、ステータス増加といった所だろうか?


「レンジ……何処でそのスキルを?」

「王都墓地区の教会」

「ん?あそこ行きはしたが何もなかったぞ?綺麗な像はあったけど」

「像が汚くなってたから綺麗にしたら貰えた」

「は?……汚くならねえかな」

「天罰下るぞ」


 何とも罰当たりなセリフを吐いたナオに戦々恐々しながら、周囲にいる精霊達をチラ見しながら『俺は一切そんな事思ってませんよ!』と祈っておく。何かがあるという訳ではないだろうが……一応元は神様らしいし精霊王様にはお伺いをたてておくべきだろう。


「そういやこのゲームの神官ってさ、何に祈ってんだと思う?」

「……なんだろう」

「想像付かな──……また脱線したわ。【ダークスラッシュ】」

「あぶっ!?」

「躱すなよ!」

「じゃあ、躱すなよ?後ろに、な?【ハンドレッズアロー】【インパクト】【ブラスト】」

「うし……?あぁ。【ショートワープ】」

「……普通に躱しやがった」


 丁度ミウさん、エナさんとナオが重なる様な位置取りをして躱すなよと伝えたのだが、考える素振りすら見せずに躱したナオには驚きが隠しきれなかった。そんな俺を見てナオは鼻で笑うと……。


「はっ。俺はミウを信じてるからな」

「……確かに防げてるけど」

「あ、あのー……?」

「「ん?」」

「1対1の方が良いんでしょうか?」

「はい」

「不意打ちで倒しちゃって」

「おい」


 戦闘に一切参加できていない麻友さん、ルファさん、ハルトさんを代表してか麻友さんの言った発言に対する回答は、正反対に別れた。確かに、クラン戦なのだからそれが正しいのだろうが……卑怯だと言いたくなる。


「分かりました」

「いや、分かんないでください」

「……【シャドウスピア】」

「つっ!?!【ショートワープ】」

「んな、レンジガチで逃げやがった」


 超至近距離、俺の影の部分から発生した槍が避けられず、ほぼ瀕死の状態までダメージを食らってしまう。状態異常にならなかっただけ運が良かったが……これはグドラのHP自動回復を待っていたらやられるな。HP回復薬はあまり持っていないからこういうのが何度も起きてしまうと負けてしまう。【領域射撃】の様な一撃の攻撃力がそこまで高くない物はナオには効かないし……どうするか。


挿絵(By みてみん)

本日TOブックス様より発売致しました!!

是非ともお手にとってweb版との違いなどを感じて頂けると嬉しいです!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] アマゾンで注文しました!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ