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神と血3

本日二話目ー

 ゲームにおける筋道、救済と言って一番最初に思いつきそうなのは初心者救済要素、チュートリアルや配布アイテムである。だが、VRゲームだとそれよりも明確な救済要素が存在する。それは、システムアシスト。俺が最初はVRゲームだと剣や弓などは必中だと勘違いするぐらいには、明確なシステムアシストがある事が多い。


 言ってしまえば弓術の技能である矢の取り出しは、手動の取り出しをシステムアシストによって自動化されているような物だ。だから……朱雀が言っているのはスキルが使えなくなった事で弱体化した事についてなのだろう。


「……は?舐めてんの?」


 自分の中で出た結論が理解できなかったため、内容を飲み込むまでに少し時間がかかってしまった。

 朱雀はスキル封印をしてきながら、スキルが使えなくて弱くなった俺を見て文句を言っている、と。

 だいぶ頭のおかしな要求をされている。

サウザウンドアローみたいな物を魔法、スキル無しで出来るわけがない。


「無理ゲー?」


 2度目の霊機再誕時にて、150近くまで増えた小型朱雀達を倒しながら突破方法を考える。

 流石に、ゲームである以上クリア方法は有るはずだ。適正レベルにある程度届いている筈の俺がクリアできないという事は無いはずなので、何処かに確実に突破方法は有る。


 NPC、この世界の住人150レベルとプレイヤー(俺)109レベル。明確な差と言えば、定期的に世界から消える事、称号システムが存在する事、アイテムストレージは……分からないので何とも言えないが、一番は死んでも復活する事だろうか。

 それ以外にも有るかもしれないが、パッと思いついたのがこれだけだったので、大きな違いはこれだけなのだろう。

 じゃあ次に、その違いで発生しそうな突破方法の差は……。


「死に覚え?」


 ……この世界の住人がクリアできるのだし、それは無いか。


「こう、ダブルショットでもつか……使えた?」


 何気なく、こう【ダブルショット】でも使えないかなーという考えをしながら射た瞬間、発生した【ダブルショット】。


「なんで?」


 ステータスを確認しても、未だにスキルは封印されている。MPの最大値が【ダブルショット】の分だけ減っているので、スキルが発動したのは間違いないのにだ。


「……え、どゆこと?」


 スキルは封印されていて使えない。

だけど、スキルは発動した。


「召喚、グドラ……は発動しないのか」

「じゃあ、精霊召喚、ライ……も駄目か」


 召喚系は出来ない。後は……試せるスキルが少なすぎる。

取り敢えず、鬱陶しい小型朱雀たちは纏めて倒すとして。


「ハンドレッズアロー、インパクト、ブラスト……は?」


 現れた計100本の矢は小型朱雀達へと飛んでいき、爆発する事無くその方向にいた敵を蹂躙した。

 【ダブルショット】【ハンドレッズアロー】と【インパクト】【ブラスト】の差は……MP消費量を変化させる事が出来るか、魔法攻撃という扱いになるかどうかだろう。

 要するに、魔法攻撃をする事は出来ないという事だ。消費MPはハンドレッズアローの分のみ。【インパクト】【ブラスト】はそもそも発動していなかった。


「じゃあ」


 一番手っ取り早く小型朱雀を倒すには、三連射を全てに行う必要が有る。スキルでは無いがスキルが発動している。自分でも何を言っているのか良く分からない状況だが……


「トリプルショット」


 どうやら、アレンジは許されるみたいだ。

ならば後は速攻で倒し切るのみ。


「トリプルショット」


 最初の頃の半分程まで減少したが、頭上にいる朱雀は動く様子が無いのでこれで良いのだろう。


「ショットトリプル」

「三連射」

「二追撃」


 試してみた限りでは、効果を想像しながらそれに合った技名を言えば能力は発動していた。

 三連射を全敵にやりたい所なのだが、全敵にというのをどう表現するのか上手く思いつかない内に……

 小型朱雀は全滅した。


『孤高たる人よ、汝の軌跡、汝の意志を……問おう、”生”とは』

「へ?」


 ”生”?寝て食べて寝て……というのを聞いている訳では無いだろう。だと……何を答えるのが正解だ?

 ゲームをやる理由?強くなりたい理由?

 他にも色々と思いつくがどれが正解なのかは全くわからない。今まで朱雀が生と言ってきたのは『汝の軌の生死』『与えられた筋道では無く、汝の生こそ』この2つだけだ。2つに共通して言えるのはスキルの使い方?いや、戦闘スタイルだろうか。


『どうした。答えよ……再度問おう、”生”とは』

「あー……ただ只管に連射有るのみ」


 俺の場合、これが一番正しいのだろう。精霊や従魔のちからを借りる事が多いとはいえ、自分一人となると、とにかく連射してどうにかするのが俺の戦闘スタイルだ。レイナさんみたいに一撃に重きを置かず、とにかく数撃ち攻撃し続ける。


『では、魅せよ。その”生”を』

『示してみよ、その覚悟を』

第二(second-)試練(gate)血脈(blood-)解錠(reveal)


レンジが魔法攻撃出来ない理由は、そもそも魔法攻撃系スキル【魔力感知】【魔力操作】などを持っていないからです。

逆に言えば、1レベルでも持ってれば使えました。

同様に、【火魔法】なども所有していないので使えません。


封印されてても割と重要です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔法の開発とかもできるのか なんかレンジもったいない気がする。
[一言] つまり技術系はそのまま発動可能、魔法系は下地となるスキルが必要? いや、自力で魔力を扱ったことが無いから魔力を使うという感覚を把握してなくて使えないって所かな? 技術系は体の動かし方がわかる…
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