表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹が可愛いすぎて困ってます。  作者: 蒼龍 葵
後から追加なので年齢順不同
95/96

⭐︎ヒーローごっこ


「ひろちゃん、ユキね、ヒーローになりたいの!」


 俺の家は両親共働きで、学校から帰ると宿題に取り掛かる俺と、テレビにかじりつく妹の雪音がいる。

 お友達の話と、アニメに影響されまくる雪音は時々とんでもないことに妄想を膨らませる。


「ひろちゃん、ユキ、ヒーローになりたいの!」


 普通ヒロインじゃないのか、そこは? と突っ込みたい。ただ、雪音の厄介なところは、「ヒーローになりたい」という言葉をストレートに受け取るととんでもない事件に発展する。

 まずは何の影響でそう考えたのか確認だ。


「誰がヒーローの話をしたんだ?」


「タケシくんだよ!」


 タケシくんは俺がキャラ弁を持っていかないから、時々靴を隠したり、無視したりイジメてきたけど、今はすっかり仲直りした。

 どうやらタケシくんは雪音のことが好きらしい。だから俺のことが嫌いだったのかもしれない。


「タケシくんがヒーローになるってことか?」


「うん! タケシくんがね、ユキのヒーローになるっていうから、ヒーローって何? って聞いたの」


「うん」


「ヒーローは、好きなコを悪の手から守るんだって!」


 まともだ。

 今日の雪音はまともなことを言っている。じゃあタケシくんの影響で何かヒーローアニメに影響でもされたのかな、と思う。

 でも今の話だと、やっぱりタケシくんは雪音のことが好きなのか。ちょっと兄としては複雑だけど、もう仲直りしたし、遊んでくれるしいいか。


「それで、雪はどうしてヒーローになりたいんだ?」


「ヒーローは好きなコを守るんだよね?」


「ああ」


 まあ、大雑把に言うとそれで間違いない。

 世の中に溢れているヒーローもののアニメや特撮は好きなコというよりも世界を守るとか大きな目標はあるけど、小さい世界で考えると身近な大切な人を守ることに変わりない。


「だからね、ユキはひろちゃんを守るヒーローになるのだ!」


「……はい?」


「好きなコを守るんでしょ? ユキの大好きなひろちゃんを守るために、ユキはタケシくんと一緒に世界平和の為にヒーローになるの!」


 世界平和とひろちゃんを守るは全くつながらない。しかも、雪音は多分、世界平和という意味が分かっていないだろう。

 

「悪のひろちゃんめ! ユキの大切なひろちゃんを守るために戦うぞー!」


「って、俺が悪役なのかよ!」


「だって、タケシくん居ないからヒーローごっこ出来ないじゃない。今度ひろちゃんが攫われたお姫様ね!」


「何のアニメに影響されたんだよ!!」


 雪音の大好きなカエルのぬいぐるみ攻撃を浴びながら俺は飽きるまでヒーローごっこに付き合う。

 ヒーローの捉え方は完全に間違っているけど、雪音が俺を守りたいと思ってくれる気持ちは嬉しいかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ