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その19

 さて! お腹も一杯になったところでまずは、手作業と『採集』のスキルを使った採取方法の復習をしよう。……カリンさんのおっぱいを揉みつつね。


 手作業の方は改めて復習するまでもない、ただ直接素手か、素材に応じた道具を使って実際に採取するだけの事だ。そう、こんな風に。


「ん? ちょっ、こらスーちゃん! 服の下に手を入れないの!」


「これは服じゃなくてただ布を巻いてるだけって言うんです! この位置なら道路から全く見えませんし、いいじゃないですかー。ふふふ」


 カリンさんの着ている異常なまでに裾の短いタンクトップに手を差し入れ、グニグニと生おっぱいを揉む。この感触、たまらない。

 ちなみにレナ先生は食器などの後片付け中で、私は木にもたれ掛かって休憩中のカリンさんと向かい合わせの形でくっ付いている。


 カリンさんは結構背が高めなので、こうして正面からくっ付くと丁度顔の辺りにおっぱいがくるのだ。素晴らしい。

 この世界でカリンさんくらいの身長は高くもなく低くもない、所謂平均値らしい。それはつまり、抱きつくと私の顔の位置におっぱいがくる女性の数は多い、という事になる。実に素晴らしい話ではないか。


「私もスーちゃんにおっぱい揉まれるのは正直好きな方なんだけねえ。……ひゃっ! こら! 外で先っぽ摘まなひゃう! いいい今のは効いたー!!」


 手を掴まれて服の下から引き出されてしまった。

 先っぽを摘んだままだったので最後のは完全にカリンさんの自爆だと思うのだけど、ここは素直に謝っておこう。


「ごめんなさい。カリンさんのおっぱいは本当に大好きなんです。おっきくて柔らかくて、いい匂いがして」


 美味しくて、とか、感じていい声を聞かせてもらえて、とか言ったらまた怒られそうなのでやめておこう。勿論美味しいと言っても母乳が出る訳ではなく、言うなれば気分の問題だね。


「ふう。そこまで怒ってる訳じゃないからいいんだけどね。やっぱ外だと恥ずかしいからなるべく控えるように! んふふ」


 私を優しくおっぱいへと抱き寄せて、頭を撫でてくれるカリンさん。


「はーい! ごめんなさい」


 うーん、甘やかしながらもちゃんと怒ってくれるのは本当にありがたいね。もう一度ちゃんと謝っておこう。

 あ、さっきまで弄ってたから先っぽがぷっくりと服の上からでも分かるくらい目立っちゃってる。


 指で摘みたーい、弾きたーい。舐めたーい、吸い付きたーい。……もう我慢できなーい!!




 もう辛抱堪らなくなってしまい、タンクトップの裾を掴んで一気に持ち上げて吸い付いてしまった私は、結構厳しめに怒られて一人距離を離されて反省中。薬草学が2になるまで戻って来るなと突き放されてしまった。悲しい。

 過保護代表のレナ先生にも普通に怒られてしまった、どうして自分にはやらないのかと。あれ? 怒ってるとは言えないなこれ。


 いやあ、あのぶるんっと飛び出すおっぱいは最高でしたね……。家に帰ったらまたやらせてもらおっと。



 復習と実践を兼ねて採集のスキルを試してみよう。

 まずは地面にしゃがみ込み、インベントリを開いて採集のスキルのウィンドウを開いて準備状態にする。後は今現在この場で採取できるものが一覧に並ぶので、一つ選んで決定をするだけだ。今回はリフリ草しか表示されていない。

 その後十秒ほど待つと採集ウィンドウは消え、インベントリだけが残った。中を確認してみると……、リフリ草が六枚増えている。


 これでスキルでの採取は完了だ。ね、簡単でしょ?



 採集のスキルの効果は、自分の現在位置から手の届く範囲にある素材を自動で採取してくれるという物だ。もちろん採取する素材に対応した道具と、採取難易度やそれに掛かる労力相応の魔力が必要になる。

 今回のリフリ草の場合は『素手』か『刃物』だね。刃物があった方が手作業でも綺麗に採れるのでいい品質になりやすいらしい。


 勿論手作業で採取してもスキルは上がるので、わざわざ魔力を使ってまでという人は少ない。が、例外として、採取がとても面倒な素材に対してはそれがどれだけ難易度の低い物でもスキルが使われる事が多い。

 私もスキルの練習とレベルを1にするために、ガラスの小瓶に水を入れる、という作業を一度だけやった事がある。

 インベントリにガラスの小瓶を入れ、水場でスキルを発動すると小瓶の中に水を採取する事ができる。これはれっきとした水の採取という行動なのだ。採取道具は『ガラスの小瓶』になる。


 十個程度なら多少面倒なくらいだが、こういった単純作業を何百回と繰り返すのは中々に辛いものがある。そんな場合は多少魔力を消費してでもスキルに頼るのが一般的らしい。

 簡単な行動であればあるほど魔力の消費は少ないので、瓶に水を詰めるくらいの作業ならどんな人でも余裕でできる事だろうからその消費の少なさも頷ける。


 品質については誰が取っても同じになるというのが当たり前だと思うのだが、実際採取する人の手先の器用さや魔力の多さなどで少々変動する事があるんだとか。なんとなく分かる話かな。


 しかし、どうしても納得がいかない事も一つある。

 例えば薬草学のスキルを持っている私が地面に生えたリフリ草を指差し、スキルの無いカリンさんがそれを採取したとすると……、何故かリフリ草によく似たただの雑草になってしまう。

 これは本当にどういう事なのか……。まあ、ゲームだからと納得するほかは無いね。色々と条件を検証するのも面倒そうだ。



 数歩歩いてしゃがんで採集、終わったらまた数歩歩いてしゃがんで採集を繰り返す。レナ先生とカリンさんは椅子に座ってのんびりとお茶とお喋りを楽しみながら、そんな私の様子を微笑ましい物でも見るかの様に眺めている。


 一々立ってしゃがんでを繰り返すのが非常に面倒くさい! 体は疲れないけど精神的にくるわこれは……。しゃがまないと地面に手が届かないしなー、便利は便利だけどそれだけに惜しいスキルだね。

 こうなったらもう四つんばいになってハイハイしながら採取するか……? 手と膝が汚れても洗うか洗浄を使えば済む事だし……。いやいや! 尖った石とかが隠れていたら危ないかー。


 そんな事を考えながら、気分転換にリフリ草を直接素手でぶちぶちと引きちぎっていた時だった。


「あ! ど、どうしましょうか?」


「ん? ああ、あれくらいソラ先生の服ならだいじょぶだいじょぶ。こういう事もあるんだっていい経験になると思うよ? んふふ」


 レナ先生のやや大きめの驚きの声に地面から顔を上げ、そちらの方を向いてみるが、二人とも椅子に座ったままお喋りをしているだけで特に変わりはない様だった。


 ソラ先生の服なら大丈夫? いい経験? 今の言葉からすると私に関係する話だと思うんだけど……、っと!


「わ、っとと」


 不意に背中側から押される様な衝撃を受け、地面に両手をついてしまった。本当に軽く押された程度だったので痛みは無い、が驚いた。


 今のは一体何が当たったのか? と、首だけで振り返って確認すると……。


「う? うさぎ?」


 体長3,40cm程の大きくて真っ白なウサギが、くりくりと愛らしい瞳で私を見つめていた。いや、睨んでいた。


「なにこれ可愛い。……むむむ!」


 よく見ると、いや、よく見なくても嫌でも目に入る。そのウサギの額には円錐型の角が生えていた。

 その珍しさにまじまじと見続けていたら突然ウサギが動き出した、真っ直ぐと私に向かって助走をつけて飛び掛ってくる。ご丁寧に角をこちらに向けて。


 緊急回避!!


 私は即座に横に転がり、それを回避する事に成功した。そして急いで体勢を立て直してウサギを視界に戻す。


 中々に早い! だがしかし……、甘い!! 私に同じ技は二度も通じぬのだ! ……一回目は後ろからだったから見てないんだけど、同じ技だったんだよね?


「あ、避けました! 避けましたよカリンさん!」


 そこで聞こえてきたのは拍手の音と、嬉しそうなレナ先生の声。


「おー、スーちゃんやるう! もう一回転ばされたら助けに入ろうと思ってたのにねえ。んふふ」


 カリンさんからもお褒めの言葉を贈られてしまった。なんという緊張感のない二人なんだろう……。


「カリンさーん! このウサギはー、わっ!」


 またウサギが飛び掛ってきたので少し横に移動して避ける。真っ直ぐに突っ込んでジャンプしてくるだけなのでとてもかわしやすい。


「それがちょっと前に話した角ウサギだよー! 体当たりしか能がないから落ち着いて避ければ大丈夫だからねー!」


 ああ、なるほどこれが……、? うん? 角ウサギっていう食用のウサギのお話は確かに聞いたけど……、モンスターの話だったのかそれ!!


「モンスターなんですよねー? っと」 


 本当に真っ直ぐ突っ込んでくるしか攻撃方法がないみたいで、飛び掛ってくるのを避けながら話すのも意外と簡単だった。


「うーん! ちゃんと見守っててあげるからそのまま暫く避ける練習でもするといいよー!」


「疲れたらすぐに言うんですよー?」


「はーい! ちょっと頑張ってみまーす!」


 なるほどなるほど、これが基本的なモンスターとの戦い方になる訳なんだね。敵意を向けられて攻撃される事に慣れさせるつもりなのか。

 よーし! それじゃありがたく、角ウサギ師匠が諦めるまで練習台とさせてもらおうじゃないか! よく相手の動きを観察して、っと!




 もう何回ウサギジャンプをかわしただろうか……、正直飽きてきた。まあ、この体の持久力や運動能力を試すにはよかったかもしれない。

 角ウサギ師匠もさすがに疲れてきているのか動きがやや鈍ってきている。いい加減諦めてお引取り願いたいところなのだが……。


「カリンさーん! 飽きましたー!」


「正直! うーん、全く怖がらないし、本当にに余裕そうだねえ。んふふ。それじゃそろそろ終わらせよっかー!」


「はーい!」


 はあ、やっと終わりか。

 確かにこの程度なら怖くもないし余裕だけど、複数に囲まれたり見た目が怖い大きなモンスターだったりしたらこうも簡単にはいかないだろうね。


「避けるのは簡単でもさすがに今のスーちゃんには追っ払うのも難しいかな。それじゃさくっと助けてくるね」


「ええ、そうですね。あの子は小さな虫も殺せないくらい優しい」


「ていっ!」


 何度目かのジャンピング体当たりを体を横に移動させてかわし、ウサギが着地したところを狙ってボールを蹴る様な感じで少し強めに蹴りを入れる。

 さすがに40cm近くもありそうなウサギの重量は中々のもの、今程度の力の入れ方では1m程転がすのが限界だった。


「心の持ちええ!?」


「おおう!? ちょ! マジで!?」


 二人から驚きの声が上がるが今は気にしていられない。まだあのウサギは動いている、動いて起き上がろうとしている! 


 その根性や良し! しかしこの隙を逃す訳にはいかない!!


 蹴った足に痛みは……、無い。すぐさまインベントリを開いてミスリルダガーを取り出す。そして右手に逆手に持ち、左手で鞘を抜き放ち、一直線にウサギへと駆け寄る。


「たぁー!!」


 我ながら気が抜けてしまいそうな掛け声を上げて、弱々しく動いているウサギの背中にダガーを振り下ろす。

 付いている特殊効果のおかげなのか、殆ど抵抗を感じず根本まで突き刺さった。それと同時に、ぴい! だとかそんな感じの甲高い悲鳴を上げ、ついに角ウサギは動かなくなった……。


「うわ、やっちゃった!! スーちゃん意外とモンスターに対しては情け容赦ない子だったんだね……。あ、森で暮らしてたんなら当然かな?」


「ああ、言われて見れば確かに……。さすが私の可愛い娘、子供なのに立派です。ふふふ、今夜はお祝いをしないといけませんね!」


 賞賛の声も今は聞き流しておく。


 まずは刺さったままのダガーを引き抜き、べったりと付いていた血を洗浄を何度か使って綺麗に落としてから鞘にしまい、インベントリに収納する。

 さらに角ウサギの死体に手を振れ、こちらも新鮮な内にインベントリの中に入れてしまう。


 そこでやっと、ふう、と一息を入れる事ができた。

 角ウサギ……、お前もまさしく強敵ともだった!! 


 まあ、実際ただの大きめのウサギだったし、全然強くは感じなかったけどねー。クリス先生にお土産として渡して今夜のおかずの一品になってもらおう。




 完 全 勝 利 ! !







NEW!

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