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279話 姫咲さんとおはし
「普は食器の持ち方綺麗だな」
「この箸の持ち方ですか? これは幼い頃からキチンと持てるよう親に仕込まれていましたね」
「教育行き届いているんだなぁ」
「姫咲さんも普通に綺麗じゃないですか?」
「私はなんでも器用だからね。あ、そういえば幼い妹には物の持ち方の教育も始めたみたいだけど」
「箸の持ち方はキチンとしておいて損はないですからね」
「それでその妹ったらどこで覚えたのか『わたし、おはしよりおもいものもてないー』とかいって笑ってた」
「可愛らしいんじゃないでしょうか」
「冗談じゃないけどねー、ようやく小川にかかってるヤツ持てるようになったみたいだけど」
「どうして橋の持ち方を教えているのですか?」




