193/300
193話 姫咲さんと霧
「普ー、なんか前のほう、モヤモヤしてね?」
「ええ、霧が出てきたようですね姫咲さん」
「ふーん霧かー。どっかから煙でも出てるかと思ったよ。霧なら仕方ないな、そのまま歩くか」
「結構濃そうな霧ですね、気をつけて行きましょう」
「ん? そうか? ちょっとモヤモヤしてるけど、キチンと見えるぞ?」
「姫咲さん、視力も凄いですけど、こういう状況でも目が効くんですね」
「おー! ……ん? いや、やっぱ見えない! 見えないぞ!」
「え? どうしたんです? 姫咲さん」
「見えないから気をつけて歩く! 普! 手を繋ぐぞ!」
「はいはい」




