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156話 姫咲さんとスノーボード
「普ー! いやっふうぅぅぅー!!」
「今度はスノーボードですか姫咲さん。これ、スキーより難しいので僕には無理です」
「なに? そうか! じゃあ二人乗りしようぜ!」
「全く意味がわかりせんが」
「言葉の通りだよ! さ、乗った乗った!」
「え? 姫咲さん、ちょ」
「私がコントロールしてやるよ! しっかり捕まってろよ! そーれ!」
何もかもがわからない中、僕を乗せた亜音速のスノーボードは動きだした。
途中、氷の滝を渡ったり、スノボの勢いで熊を倒したり、白い服を着た女性に出会ったりした気もしたけれど、それは極限の精神状態が産んだ夢か幻か、それとも────




