表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/56

第41話

シリアス。


R15まではいかないですが、残酷な内容ではあります

「あ!お帰り〜ラット!お疲れぇ!」


「・・・疲れた・・・本当に・・」


ありゃ?珍しい。

まぁ、あれだけサンチェスト中くまなく調べてたら、そりゃあ疲れるよね?よしよし?いい子いい子。


「・・・・お前。それ、ヤメロ。俺もそうだけどよ?ササラにも未だにしてるだろ?こういう事。気持ち悪りぃ」


え?そうなの?ちょっとハグして頭撫で撫でするだけでしょ?エリスは喜んでるよ?


「そうなの?寧ろ待ち構えてるのかと思ってた。最近は抵抗しないから」


「諦めたんだよ!!いくら言ってもアンタやめないだろが!!」


「やめなーい!面白ーい!ラットの反応」


もっと抵抗してもいいんだよ?最近は皆全く反応しなくなってつまんない!!僕は嫌がる皆を弄りたい!!


「・・・・・アンタさぁ・・・前から気になってたんだけど・・」


「ん?」


何?本当に疲れてそうだね?

これはもう休ませた方が良さそうだ。


「もしかして、アンタも奴隷だった?」


「カスバールで?そうだね?まぁそれに近い状態だったよ?」


あの地で親が居ない子供の境遇を考えれば、まぁそうなるよね?なんとなく気付いてるとは思ったけど、どうしたの?


「ラット、もう休んだ方が良さそうだね?部屋行こう」


「・・・・どんな目に合った?」


「どうしたの?もしかして、何か嫌なこと思い出した?」


コレは強制的に休ませた方が良さそうだ。よっこいせ!


「うお!!ちょっ!担ぐんじゃねぇ!オイ!」


「はいはーい通りますよー?ラットちょっと最近真面目に働き過ぎだね?無理して脳がパンクしたかな?」


いや、フラッシュバックかな?

多分ここでの生活と前の生活とのギャップがありすぎたんだね。怖くなっちゃったかな?


「ほら、ちょっと横になって寝た方がいいよ?あ、絵本読んであげようか?」


「俺は子供か!!要らんわそんなもん!!」


「えーー?僕からしたら君は子供だよ?小さい子供」


ラット?大丈夫だよ。そんな不安そうな顔をしなくて。


「デズロ・・・・俺、なんでここにいるんだ?」


「それは、僕が君を欲しがったからだよ?君とエリスをここに留めたのは僕だからね?」


大丈夫。どこにもいかないよ。


「デズロは・・・いつ、俺達を捨てるんだ?」


「そんな日は来ないよ」


「・・・・嘘だ。嘘つくなよ」


・・・・ラットを宮廷で働かせたのは、失敗だったかな?

才能があったからと呼び寄せたけど・・・ハマり過ぎたのか。


「ラット・・・・ここはカスバールじゃない。君はもう、サウジスカルの宮廷魔術師だ。誰にも支配されない。誰も君に手を出せない。君が僕の側に居たいと言うなら僕はそれを受けいれるよ?」


「嘘だ。いつか、アンタも俺を切り捨てる」


「捨てない。そんなに不安なら、君も僕の子供になる?それでも構わないよ?ラット、何をそんなに怖がっているの?」


なんで泣くの?これは、かなり弱ってる?


「あ、朝・・・起きると、暖かいご飯が用意されてて」


「うん」


「馬鹿みたいに、優しい顔で声をかけられる。それで、仕事から帰って来ると当たり前みたいに出迎えられるんだ。関係ないのに心配されて、気遣われる。そんな事したってアイツらには、なんの得にもならない」


「うん」


「でも、毎日そうやって暮らしてると分からなくなる。どっちが現実なんだ?これは、いつか終わるんだよな?俺はこんな世界を知らない。俺達は使い捨てられる人間だろ?」


やっぱり・・・少し、早過ぎたのかな?


でも、いつかは通る道だよ。

ラット、君がまだ生きて行きたいと思うのなら。


「僕の両親は僕が5歳の時、僕を知り合いの家に売った。僕には弟がいるの、知ってるよね?弟はまだ3歳。そんな子供が売られていく理由、ラットは理解出来るよね?」


そう。僕達にとってあそこは奈落の底だった。


僕達は、そこから始まった。


「そこから逃げだしたのは僕が10歳になる頃。でも、10歳の子供にまともな生活が出来る訳がない。その、手段もわかるよね?」


「・・・・それで、どうやって?」


「それがさぁ?ある日、突然パトロンが現れた」


「は?」


アレは驚いた。

突然僕の客を刺したと思ったら平然と言い放ったもんね?


「金が欲しけりゃくれてやる。その代わり俺の物になれって。頭いかれてるよね?僕と年が変わらない子供がそんな事言い放って来たんだから」


「それで、そいつの奴隷になったのか?」


「いや?友達になった」


「・・・・は?」


だって。金だけ貰って何も無しじゃねぇ?

だから、お金は出世払いする約束で借りる事にした。


「それから、色々。本当に色々あって。僕はここに来た。僕もね、思ったよ?これは夢で、いつかまた、あの奈落の底に落とされる。何度も何度もそう思って、でも現実はそうはならなかった」


「・・・・デズロは、俺をどうしたいんだ?」


僕は、望んでここに来たわけではなかったよ。

でも、ここに来なかったら、僕はきっと分からなかった。


「ラット。君はこの世界に生まれてきた。生きていいんだよ? 君にはちゃんとその権利がある。幸せになっていいんだ」


僕は、生きて幸せになっていいんだと。

それが許されるのだと。


それを、エルハドが僕に教えてくれたんだ。

だから僕も君達に教えてあげるよ。


「幸せに、なっていいんだ」


君がそう思えるようになるまで、君達をちゃんと見守ってあげる。僕は、一度懐に入れた人間は手放さないと決めているからね?


もう、二度と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ