57.進化
セルシウスに口移しでSSポーションを飲ませた。
その瞬間、大精霊のカラダが突如として光り出したのだ。
「なんだ……こりゃぁ……?」
そこに居たのは、青髪の美少年だ。年齢は10代前半くらいだろうか。
ふわふわとした青い髪に、真っ白な肌を持つ……男の子。
精霊の時は実体を伴わなっていなかったが、今はしっかりと肉体がある。
「おまえ……セルシウスかい?」
「……うん」
セルシウスもまた目をむいていた。自分のカラダをペタペタと触っている。
「すごい……進化した。精霊族になった……」
「進化? 精霊族? なんだいそりゃ?」
「大精霊の上の存在。精霊は肉体を持たない。でも……受肉した。すごい……貴女のおかげだ……」
ぺこっ、とセルシウスが頭を下げてきた。
ま、まあそれについては家に帰って調べるとして……。
「体調不良はどうだい?」
「……大丈夫。すっごくよくなった。カラダが軽い。全然熱くない」
むんっ、とセルシウスが腕を曲げる。
うん、顔色もいいし、元気になったっぽいな。
「そりゃよかった」
っとと、なんだ?
頭が、ボウッとする……。
「……いけない。魔力を取り過ぎた」
ふらり……と倒れる私の体をセルシウスが支える。
気が遠くなっていくのがわかる……。
「……大丈夫!?」
「あ……ぁ……だいじょ……」
気が抜けたからか、私はそのまま気絶したのだった。




