34.アイテム袋
ドワーフたちは私の作ったシチューを美味しそうに食べてくれた。
メシってやっぱいいよね。食べると元気になるし、作った側も、そんな食べてくれる人たちの笑顔を見ればうれしくなる。
良いことづくしだ。
「聖母の姐さん、本当にありがとうございました」
里のドワーフたちがぺこりと頭を下げる。
聖母の姐さんて……。
いつの間にかそんな名前になっちまっていた。
まあ、どちらでも呼ばれてるから、こうなるのは必然というか。
アンチの母親であり、こいつらのまとめ役だから、良いけどさ、別に。
「なんとお礼を言って良い物やら」
「気になさんな。お礼なんていいよ。こっちが好きでやってることだしね」
「そうはいきませんよ! 何かさせてください」
うーむ……。
うーん……。うん。
「そうさね、じゃ、手伝って貰おうかな」
「何でも言ってください!」
「この近くにも里やら村があるんだろ? そいつらに、これを配ってやってほしいんだ」
私はSSポーション、そして、作ったカップ麺などの救援物資をアイテムボックスから取り出す。
「私らは先を急ぐんだ。いちいち救援のために足を止めてたんじゃ、いつまで経ってもこの猛吹雪はとまらねえ。そこで、救助はあんたらに任せたいんだ」
「それはもちろん手伝います! が、このたくさんの物資を運ぶのは一苦労かと」
まあ言いたいことはわかる。
「これ使いな」
アイテムボックスから、1つの革袋を取り出した。
「これは?」
「魔法袋だ」
「魔法袋?」
「アイテムボックスの効果を付与した、空間収納袋さ」
「!? な、なんですかそれは!?」
ポーション瓶を手に持って、袋の中に突っ込む。
鍋も、食糧も、全部入る。
「す、すごい! アイテムボックスだ!」
「容量はちょいとばかり少ないけどね」
「でも十分です! ど、どうやってこんなものを?」
「うちにゃ、天才魔道具師がいるもんでね。そいつと、ガンメイジに作らせたのさ」
おおお! と里のドワーフたちが驚いてる。
「こんなすごいモノのアイディアを思いつくだなんて、さすが聖母の姐さんだ!」
まあ、アイディアはネット小説からパクってきたんだけどね。
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