13話
ユニークアイテム。名前の通り、ゲーム内に一つだけしか存在しない、手に入れただけで全プレイヤーの憧れの的になる程の超絶レアアイテム。
第五弾アップデートが来るまで、ユニークアイテムは八本しか存在せず、それを手にした激幸運の持ち主であるプレイヤーは運営の使徒と呼ばれ、あのS○Aの舞台にも立ったゲーム内では伝説扱いをされている。
しかも、その八人だけで作ったギルド、スレイプニールは八人しか所属していないのに、全ギルドのトップに立っている、別名廃人ゲーマー集団。
まぁ詳細は省くが、その後のアップデートで、更に新たに六本追加されているが、運営からリークされた情報には、二人だけで、残りの四本は未だに謎である。
一人は、超有名ゲーム実況者『殺戮兵器僕達』という四人組のグループで、ボケ役のフヨが生放送でゲットしており、一時期トレンド一位だった。
「……まさか、疾風のナギ!?」
「まぁ、そう呼ばれてたりもする」
そして、目の前にいる花果はそこそこ有名だったりする。そりゃあ、時々しかやらない京介でも知ってる。
説明はーーーまぁ、いずれするとしよう。
「……今更だけど、身バレしてるけどいいの?」
「うん、別に気にしないよ、私」
「いや、それは気にした方がいいと思うんだが………」
と言ってはいるが、まぁ家が木更津だから大丈夫か、と自分を納得させた。
「それよりも、学校終わったら一緒にダンジョン行かない?」
「ん?まぁ別にいいけど………ちなみにどこ行くの?」
「白亜」
「よし、今日はやめとこっかなぁ」
六人の変則パーティーで挑む白亜の迷宮というダンジョン。比較的新しく実装されているのだが、既に別名が着くほどの鬼畜さで有名となっている。
『プレイヤー殺しの迷宮』。今まで最短でクリア時間が六時間を超えるという運営何やっちゃってんの迷宮である。
クリア要求レベルも高いし、無駄に時間を取られるので、大抵夜とか、金曜日の日とかに挑戦するプレイヤーはいるが、次の日も普通に学校である。誰がやるか。
「流石に冗談」
「はっはっは。冗談で絶対口に出したらいけない難易度だな」
「仕方ないから琥龍行こっか」
「一体何が仕方ないのかは知らんが……まぁ琥龍なら」
そこなら何とか京介でもクリア出来る。多少プレイヤースキルがおぼつかなくても、レベルというシステム攻撃でゴリ押しすることが出来るから何も問題は無い。
「それじゃ、終わったら……あ、連絡先交換しない?」
「OK」
と、ゴソゴソとスマホを取りだし、連絡先を交換する二人。
(…………むー)
そんな京介のことを、麗羅が器用にも空と喋りながら頬を膨らませてみていた。




