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獣達の騎士道  作者: 春野隠者
第五次十字軍
93/117

海湾都市群の陥落

 エルフィナス内乱の知らせを受けたロズヴェータとマルコーは、早馬を走らせて事態の急変をカミュー辺境伯家に知らせると同時、彼等自身も帰路につかざるを得なかった。

「太守の許しを得て、店舗を出す許可は頂きましたので」

 そう言って無念そうに語るのは、水の女王(フェニキア)の商人マルコー。本来であれば、店が軌道に乗るまで自身で商売を運営し、現地の人間の見極め等をすべきところを、途中で断念して帰国の途に就かざるを得ないと判断したようだった。無念さを滲ませて千の塔の街エルデッサを振り返る視線は、拾い損ねた大金を眺めるような未練がある。

 太守エミルアリマの意図は、その報せを受けた本国フェニキアからの圧力にこそあるのだろう。

 マルコーの読みを聞いたロズヴェータは、その考えに同意した。そのためには、マルコー自身がエルフィナスの有力者に事の次第を早急に訴える必要がある。

「来たばかりで、申し訳ありませんが帰らねばなりません」

 建前の観点からも、マルコーの護衛と言う立場で三日月帝国(エルフィナス)に来ているロズヴェータに、反対はなかった。

「……エルフィナスは、いいえ、総督アミルイブラヒムは、一気に聖都を狙うでしょうか?」

 ロズヴェータの質問に、マルコーは首を振る。

「いいえ、恐らく周りを固めるのではないでしょうか。前回十字軍の際に、三日月教が反撃を試みたことがあったのですが、補給線が切れなかったことにより、聖都を落とせなかったと記憶しております」

「ということは、狙いは」

「そうですな、海湾都市群でしょうな」

 獅子の紋と王冠(リオングラウス)王国の周辺に存在する無数の小国家群。そのうち海岸沿いに港をもっている国々を俗に海湾都市群と呼ぶ。代表例でいえば、都市国家シャロンのような彼等は、その成立過程から、元々は地元の有力者を長として海上に覇権を確立したフェニキア、ジェノビア、ピァツァ、アーマンティらの国々の支援を受けて成立した国家である。

 当然ながら十字軍の兵站を支えた海運国家である彼等の影響下にある国々であり、それらの国々の影響下から脱しようとすれば、周囲の国々から併合される未来が容易に想像できる。

 フェニキアを始めとした海運国家がそれらの国々を必要としたのは、十字軍発動当時は、港を必要としたからだし、十字軍が発動していない時期は、エルフィナスもしくは成立したリオングラウスをはじめとした十字教国家との通商のためである。

 いずれにしてもその国々は、我らが内海(ロマネア)を支配するフェニキア以下の海の覇権国家にとってなくてはならない足場であった。これらの国々を失うことがあれば、貿易の足掛かりを失い、港を保有する国家に許可を取って商売をするという弱い立場に逆戻りせねばならない。

 海上の覇権国家として、莫大な投資の後に得た港をただ放棄するなど、あってはならないことだった。

 ましてやそれが、十字教の聖都を落とすためであれば、なおさらであった。

「エミル・アリマは、なぜ我らにその情報を?」

 帰国の道中、改めてマルコーに質問したロズヴェータは、苦笑と共に答えを返された。

「ふふん、少し勉強不足ですぞ。まぁ、騎士様であればあまり気に留めないことなのかもしれませんが……エミル・アリマは、我らとの商売で儲けてますからな」

 東方世界からは絨毯、織物、香辛料等、西方世界からは武具、宝石等を彼等フェニキアの商人を始めとした商人達が運んでいるのだ。

 ただし、十字教と三日月教の対立があるためにいざこざは起こりえる。

 そこを理解ある領主が取り持って、円滑に進めることで利益を得るというのが太守エミルアリマの基本姿勢である。

 少なくとも、好意だけで情報をくれたわけではない。

 だからこそ、彼女のような勢力は十字教に寛容だし、現状を維持したいと考えるのだ。

 過激な三日月教徒からは、妥協派などと呼ばれたりするものの、太守エミルアリマのような勢力が一定数いるのも、また事実。

「経済的な結びつき、ですか」

「信仰の道では相容れなくとも、経済の道でなら手を組むことが出来る。個人的には、素晴らしいことだと思いますがね」

「……そうですね」

 ふん、と鼻を鳴らすマルコーに、ロズヴェータは、戸惑いながらも頷いた。

「まだ、お若いロズヴェータ殿には、理解が及ばないのかもしれませんが、よく覚えておいて欲しいのは、頑迷なことと一途なことは違います。そして少なくとも、富裕であることはいらぬ不幸を遠ざける。貴方より少しだけ長く生きた私からの助言というものですな」

 ロズヴェータの年齢を思い出したのか、最後は説教臭く締めくくったマルコーは、遠く故国の方を見た。

「激動の時代がきますなぁ。黄金で平穏は買えないものか……」

 

◇◆◇


 エルフィナス内乱の知らせは、瞬く間にカミュー辺境伯家にもたらされ、そしてすぐさま次の情報が入って来た。

 ──帝国の首狩り総督アル・シャーユーブ・アミルイブラヒム、内乱の勝利者として、西方及び南方の総督を兼任。

 ──同時期に発生したのが、海湾都市群の一つガッファルの独立運動。

 ──ガッファルの独立勢力は、ピァツァからの影響力を脱するため、エルフィナスの支援を要請。

 カミュー辺境伯家の当主であるノブネルは、領内の視察先でこの報告を聞き、受け取った書簡を思わず握り潰した。やや遅れてではあるものの、リオングラウス王国を運営する首脳陣も同時にこの情報が王家から開示され、絶望と悲嘆のため息を漏らすことになる。

 領地をもつ者にとって、この報せは最悪の一歩手前であった。

 ズンジェ派とシェリア派の宗派対立は、今の所表面化していない。エルフィナスにおけるアル・シャーユーブ・アミル・イブラヒムの影響力なのか、それともその下で各州はを取りまとめる者がいるのか。

 いずれにせよ、彼の下で宗派対立は回避されているように見えた。

 そしてガッファルの独立運動への支援を、イブラヒムは、当然ながら受諾する。

 すぐさま騎兵二千、歩兵五千からなる兵力が派兵され、エルフィナスから最も近い海湾都市は、ピァツァの影響力が排除され、エルフィナスの影響下におかれた。

 それは即ち、十字教の指導者は追放され三日月教の指導者が立ったということだ。

 これで一つ、聖都を守る聖墳墓の国(ジュルル・サルム)に向かう兵站拠点が一つ潰されたということになる。

「……いよいよ、エルフィナスが牙を剥くか」

 第一次十字軍の遠征以来およそ百有余年。リオングラウス王国から英雄は既に去り、十字教国家群に軍事的な英雄は見当たらない中にあって、対立する三日月教の国に、巨大な力を持った英雄が誕生し始めている。

 中東オーリェントの地域において十字教の攻勢期から守成期へ、時代は確実に移り変わろうとしていた。


◇◆◇


 約一か月をもってエルフィナスとカミュー辺境伯領を往復したロズヴェータを出迎えたのは、当主ノブネルからの招聘であった。

 謁見の間、という指定がなされたからには正式な報告が必要であり、そのための正装に着替え、正式な報告のための下準備も必要であった。

 謁見の間を使うというからには、他にロズヴェータの報告を聞かせたい人々がいるのだ。

 報告内容を次兄ナルクに添削してもらい、それを覚え込む。しかし時間をかけてはいられないため、ごくごく短時間でそれを成し遂げると、ロズヴェータは報告に向かった。

 カミュー辺境伯家にとって、ノブネルは王である。

 領地に住まう領民にとっても、そこを地盤とする豪族ユンカーにしても、遠く王都にいるリオングラウス王国の少年王リサディスよりも、直接彼らを統治し支配するノブネルこそが王であった。

 外敵から守り、その代わり税を納める。目に見える関係性こそが、彼等にとっての全てである。

 だからこそ謁見の間には、質素ながらも玉座が設えられ、左右には領地の運営を任せられる武官文官がずらりと並んでいた。その後ろには、自治をある程度許された領地の村長達からユンカーまで、様々な面々が並んでいる。

 謁見の間に続く重厚な扉が開かれると、正面には玉座に座るノブネル。左右には、嫡男である長兄ディリオン、次兄ナルクが侍る。席次についても注意が必要であり、ノブネルに近い程、領地の運営に深くかかわり、カミュー辺境伯家への忠誠が高いとされていた。

 正面から見れば養父ユバージルは、かなりノブネルに近い位置にいる。ロズヴェータを見た瞬間ウィンクしてくるなど、余裕綽々として侍っていた。

 気楽なものだと、内心だけでため息を吐くとロズヴェータは添削してもらった報告を、一字一句間違えずに報告し、その役割を終えた。

 スネク・カミュー辺境伯としてのノブネルは、終始無言で報告を聞いた。そこに親子としての情愛を見出すことはできず、無機質な臣下と領主との関係があるだけだった。

 下がってよいとの言葉を貰ったロズヴェータは、緊張に固まった身体を解しながら下宿先にしているユバージルの邸宅へ戻ろうとして、兄達の使いに呼び止められる。

 曰く、成果を報告せよとのこと。

 ロズヴェータは首を傾げた。

「成果は報告したはずだが」

 と、兄達の使者に問いただしても、要領を得ない。

「このうえは、本人達に直接報告してもらいたい。是非……」

 兄達の使者として現れた侍従は、心底困り果てたという風に、ため息を吐く。ロズヴェータとしても彼とは知らない仲ではないので、その懇願に応えることにした。

 兄達に来意を告げて、部屋に入ると既に昼食の時間を過ぎていたにもかかわらず、湯気を立てる食事が用意されていた。

「おお、ロズ!」

 嬉し気に微笑む長兄ディリオン。

「うむ、首尾を聞かせてもらおう」

 真面目な表情を作ろうとして、失敗し顔が引き攣っている次兄ナルク。

「はて、首尾とは?」

 彼らの意図が分からず、首を傾げるロズヴェータ。誘われるままに席につき、食事に手を付けながら話を聞いていれば、どうやら兄達はエルフィナスの美姫について知りたいらしい。

「で、どうだったのだ。太守エミルアリマのお茶会に参加したのだろう?」

 次兄ナルクがロズヴェータの着席ももどかしいとばかりに聞いてくる。

「はぁ、特に当たり障りなく答えることが出来たと思いますが……」

「ああ、うん。そういうことではなくて、他に同席者がいただろう?」

 長兄ディリオンは、残念なものを見る目でロズヴェータを見ながら先を促す。

「ええ、確かユーシャルと言う女性がいらっしゃいましたね。太守エミルアリマの遠縁の方とか」

「そう、それだ。で、どうだった? 贈り物もしっかり渡して、話は弾んだのか?」

 次兄ナルクの熱の入れように、ロズヴェータは首を傾げたまま答える。

「ええ、なぜか私の身辺のことをよく聞かれましたが……」

「それで、相手方からはなんと?」

「もしよければ、手紙のやりとりなどと……」

「おお!」

 長兄ディリオンと次兄ナルクは、その時ばかりは顔を見合わせてハイタッチでもしそうな勢いだった。

「まずまず、上出来ですな兄上」

「うんうん、良かったね。ロズおめでとう、ナルクも進めた甲斐があったね」

「……あの話が見えないのですが、お二人は一体何にそこまで喜んでおられるのでしょうか?」

「ん? 何って、お前の婚約の話だろう?」

「そうそう、ナルクが進めてくれたんだ。あれ?」

 呆然とするロズヴェータの顔を見て、異変を感じて長兄ディリオンは次兄ナルクを見る。次兄ナルクもまた、何かおかしいと感じて長兄ディリオンを見る。

「……兄上からロズに話が通っているのでは?」

「いや、僕からは何も。ナルクが主導で進めるからナルクからロズに話がいってるものとばかり」

 そして兄たち二人は一斉にロズヴェータを振り返った。

 彫像と化しているロズヴェータ。その頭の中では、千の塔の街(エルデッサ)で向けられた視線の意味がようやく実を結ぼうとしていた。

 品定めするような視線とやたらと個人的な質問が多いお茶会。

 完全にお見合いの席を設けられていたということに、今更ながらロズヴェータは気が付いた。

「い、言ってくださいよ!?」

 魂の震えるような声で叫ぶロズヴェータに、兄達二人は、同じような動作で頭を掻いていた。


◇◆◇


 兄二人から宥められ、謝罪されたロズヴェータは、それでも憤懣やるかたなく自身の領地であるエルギスト村へ向かう。元々計画されていた視察であったので、外すわけには行かなかった。

 兄達の謝罪は真摯なものだった。

 本来なら、貴族たるロズヴェータの結婚は政略の道具とされるのが当たり前なのだ。そこを領主ノブネルに直談判までして、自由にさせているのは兄二人の心遣いによるもの。

 エルフィナスとの関係も、婚約と言う話だったが、実際はそれよりも前段階。当人同士の相性が良ければ、婚約を前提に話を進めてみてはいかがだろうか、という程度の軽い提案に過ぎない。

 領主からの提案の前の、じ前交渉段階。可能性を探っていたに過ぎなかった。

 そんな兄達の話を聞くうちに、ロズヴェータの心には申し訳ないという気持ちが徐々に沸き上がってきていた。

 ロズヴェータは、未だに心の中に一人の女性の姿があるのを自覚していた。自らのことながら女々しいと感じる。しかしながら、鈍い痛みを伴って未だに自信を苛むのを、ロズヴェータ自身では止めようがなかった。

 だからこそ、不甲斐ない自分自身に、憤懣やるかたない。兄達に甘えている自分にこそ、情けなさと怒りを覚えていた。

 だが、そんなロズヴェータであったが、自身の領地への視察は、視察としてしっかりと行う。自身の心の整理がつかないからと領主としての仕事を先に延ばすようなことととは、無縁だった。

 エルギスト村は、一年前には300人だった人口がここ1年で激増していた。魔獣対策に、とロズヴェータが三頭獣ドライアルドベスティエの退役兵を村に入植させたことが切っ掛けである。

 彼らは、よく働いた。

 元々他で食っていけないために兵士になった人員である。過去の村では爪弾き者だったこともあり、彼等なりに必死で働いた結果が、魔獣被害の激減である。人的な被害から作物の被害まで、魔獣対策の成果は現れていた。

 彼等専門家と言っても良い者達の助言を、村長もまたよく聞いたというのが大きい。

 農耕地を木の柵から石垣に変え、罠を仕掛けて魔獣を寄せ付けない。森林地域を開墾する際には、計画的に伐採をして、魔獣の被害を減らすための偵察を怠らない。

 小さな一つ一つを積み上げていくことが、エルギスト村の人口が一年で40人も増加した理由であった。増えているのは、純粋な村で生まれた子供や退役兵、さらにはエルギスト村の噂を聞きつけてやってきた流浪の民などもいる。

 隣接するグランツ従士領とも、係争はなく発展に向けて順風満帆な状態であった。

 ロズヴェータとともに、村長の娘メッシーや村出身のメルブを始めとしたエルギスト村に縁のある者達も村に訪れていた。

 ロズヴェータが訪れると知った村長は、村を挙げての歓迎をしたいと申し出たものの、ロズヴェータからすれば気恥ずかしく、丁寧に断る。

 村の人々がロズヴェータに向ける笑顔は、感謝や尊敬の念であり、真正面からそれらを向けられた彼は、表面上は冷静を装いながらも内心では、どうしたら良いかわからない。今年で十七になる少年には、大の大人達から歓迎されるということに慣れているわけではないのだ。

 その頃には、淀んだ婚約に関する心情は少なくとも表面上は気にならない程度にはなっていた。

「先週生まれた子供に名前を付けて頂けませんか」

 村人の願いを受けて、名づけを頼まれる等ロズヴェータは領主としての務めを果たしながら、確かな充実感を感じながら視察を終えた。

 現時点でロズヴェータが村の為にしなければならないことは多くないように感じた。

 方向性は、間違っていないはずだ。

 騎士隊を退役して村に入った4名も、思った以上に村に馴染んでいた。開拓をこのまま継続していけば、まだまだ村は拡張できるだろう。

 村の拡張の計画として、森林地域の開墾を進めているという。

 今はまだ魔獣の調査の段階ではあるものの、それが成し遂げられれば、さらに多くの人口を養うことができるはずであった。一年をかけて開拓地域を偵察し、計画を立てる。

 計画を見せられたロズヴェータは、いくつかの助言をすると、兄達に必要な物資の融通等を頼む必要があると考える。

 ロズヴェータは村に問題があれば、すぐさま自分に言うように村長に言い残し、村を後にした。


◇◆◇


 王家の舞踏会に侵入したための冷却期間としては十分な二か月程度を、ロズヴェータはカミュー辺境伯領で過ごし、王都へ戻る。

 王都に残してきたアウローラからの手紙で、王都周辺が騒がしくなっているのを知ったからだった。

 聖都を守るべき聖墳墓の国ジュルル・サルムから、リオングラウス王国相手に救援の報せが来ていたのだった。そして更に、ガッファルに続いてエルノーが陥落したとの情報もある。

 時代は激動を迎えようとしていた。



ロズヴェータ:駆け出し騎士(銀の獅子)


称号:同期で二番目にやべー奴、三頭獣ドライアルドベスティエ隊長、銀の獅子、七つ砦の陥陣営


特技:毒耐性(弱)、火耐性(中)、薬草知識(低)、異種族友邦、悪名萌芽、山歩き、辺境伯の息子、兵站(初歩)、駆け出し領主、変装(初級)


同期で二番目にやべー奴:同期の友好上昇

三頭獣ドライアルドベスティエ隊長:騎士隊として社会的信用上昇

銀の獅子:国への貢献度から社会的信用度の上昇

毒耐性(弱):毒からの生還確率が上昇。

火耐性(中):火事の中でも動きが鈍らない。火攻めに知見在り。

薬草知識(低):いくつかの健康に良い薬草がわかる。簡単な毒物を調合することができる。

異種族友邦:異種族の友好度上昇

悪名萌芽:行動に裏があるのではないかと疑われる。

山歩き:山地において行動が鈍らない。

辺境伯の息子:辺境伯での依頼で影響度上昇

陥陣営:連続で落とし続けている限り、味方の能力に強化効果。(連続7回)

兵站(初歩):兵站の用語が理解できる。

駆け出し領主:周囲から様々な助言を得ることが出来る。

変装(初級):周囲からのフォローを受ければ早々ばれることはない。


信頼:武官(+20)、文官(+28)、王家(+17)、辺境伯家(+50)


信頼度判定:

王家派閥:少しは王家の為に働ける人材かな。無断で不法侵入はいかがなものかと思うが、まぁ大事に至らなくてよかった。

文官:若いのに国のことを考えてよくやっている騎士じゃないか。領主として? 勉強不足だよね。派閥に入れてあげても……良いよ? けれど、招待状の貸しは大きいわよ。

武官:以前は悪い噂も聞こえたが……我慢も効くし。命令にはしっかり従っているし戦力にはなるな。最近何かしたのか?

辺境伯家:このままいけば将来この人が辺境伯家の次代の軍事の中心では? 元気があって大変よろしい! 領主としてもしっかりやっているしね。


副題:ロズヴェータちゃん、いつの間にかお見合い。そして領地で大歓迎されて照れる。

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― 新着の感想 ―
ん?今更ですけど、もしかしてイブラヒムの原型はサラディンですか?
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