表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
190/206

そして残るは罵声のみーー。

「私は所謂マジックモンク、さっき追放処分された可哀想な薬師寺ちゃんと同じ風の魔法と格闘を得意とするけど……趣向から全く違う、彼女は風魔法をそのまま使っていたけど……それじゃあ意味ないでしょ?本来のスタイルから逸脱してしまう」


 朝倉は語り始める、自分はそもそもマジック・モンクなる加護(クラス)と言う、上位職を覚醒させた召喚者であると。だが薬師寺と違うのは、薬師寺は魔法を行使して空手は別と考えている事にあり、自分はルチャの技を使う為に魔法を使ったと、即ち魔法は所詮添え物でしか無いと言い切った。


「キミを跳ね返したり、私がさらに跳べたのは魔法……滞留させた空気を指定の場所に設置して好きな弾力のクッションを作り出すオリジナルの魔法……まーー風魔法の基礎を応用しただけなのだけど……私にとって最高の魔法なのよ?何せ好きな場所にロープを、マットを展開できる……リングを作り出せるのと同じなんだもの」


 魔法に至っては、名前すらない基礎を応用しただけの物、全てはいかなる場所、状況でもルチャの技を使う為、リングを作り出す為の補助でしかない。


「そしてこのユニークスキル!"パワーコール"が合わされば!!私は最強のスペル・エストレージャになれる!!」


 そして自らの力を歓声が引き上げるユニークスキル、その名は『パワーコール』!!これによって自分は最強のルチャ・ドーラ……いや、ルチャのスターを表すスペル・エストレージャになれるのだと神山に言い放った!


「さぁフィニッシュに行くわよ!!観客のみんな!!コールを上げなさい!!」


 場は整った、いよいよこの戦いを締めくくる最後の大技でフィニッシュを決めて幕を下ろす!朝倉は両手を上げ観客を煽り、自らへの歓声とコールを更に強く、大きくしていく!!


 カーイーリ!カーイーリ!


 カーイーリ!!カーイーリ!!


 カーイーリ!オイ!!カーイーリ!!オイ!!


 渦巻く歓声とコールは最高潮!!朝倉の肉体が神秘の輝きを見せるほどにまで煌めき、いよいよフィニッシュホールドの為に神山向けて走り出した!


「さぁ、くらいなさい!!そして散りなさい!!神山真奈都!!」


 最高潮の歓声と、最強まで高めらた肉体、最早この勝負は貰ったと突貫する朝倉!神山はそれに対して、ゆっくり手を上げ構えた。今更何をしようと遅い!!何ができようかと、そのまま自らの必殺技の為に神山の前で飛翔しようとした朝倉ーー。


 幕切れは突然起こった。


 誰もが朝倉海莉の勝利を確信した、TEAM PRIDEの敗北が決まったと思った。それは河上や中井ですら万事休すかと受け入れる気でいた。


 だが、それは突然だった……足がつまづいた様に、朝倉は神山の前で前のめりに倒れ、走る勢いそのままに神山へぶつかった。その勢いを受け止めて中々の距離を足を擦りながら止めた神山、そして歓声はピタリと止んだ。


 何が起こったのか……朝倉が転んだのか?技が失敗したのかと皆がざわつき出す……しかし神山は、力なく自らに体を預ける朝倉の後頭部を支えて、ゆっくりと仰向けに寝かせた。


「ドクター!さっさと運べ!!失神して意識もないぞ」


 神山の言葉で騒然とする会場……審判達が魔法障壁に入り、寝かされた朝倉に群がり状態を確認し……そして一人が手を交差させてから神山に向かい手を上げた!


「勝者!マナト・カミヤマ!!」


 えええええええええええーーー!?


 勝者が決まった瞬間、観客から驚愕の声が響き渡った!!


 何だ、この終わり方は!?何が起こった、何をしたのだとまさかの幕切れに観客の声は驚愕から、想像したエンディングをひっくり返されたことによる怒号とブーイングに変わっていく!


『ふざけんなぁああーー!再戦だ再戦!!』


『神山ぁ!テメェ何しやがった!?毒でも持ったのかぁ!?』


『こんなの無しよ!!審判!!再戦させなさいよーー!!』


 ブーイングと共に投げ込まれる、様々な軽食やらゴブレット、グラス……それらを浴びながらも神山は一礼し、出口へ向かった。


『な、何という事でしょう……ち、TEAM PRIDEが……ヴァルキュリア・クランを破って、決勝に……いや!ダメだ!こんなの認められるかぁ!!マナト・カミヤマァ!どんな卑怯な手を使った!戻ってこい!!審判が許しても俺が許さんぞぉぉお!!』


 もう実況としての立場すら忘れたマティウスが、エキサイトし始めても神山の歩みは止まらない、そのままブルー・ゲートに消えた神山の姿に、観客達は戻って来いと罵声を浴びせるが、神山が戻る事はなかった。



展覧試合 準決勝第二ブロック 結果


TEAM PRIDE VS ヴァルキュリア・クラン


◯シンヤ・ナカイVSオリヴィエ・サンジョウハラ●

試合時間 7:35 一本勝ち

決まり手 バックチョークスリーパー


◯キョウジ・マチダVSアヤメ・ヤクシジ●

試合時間 2:17 反則勝ち

決まり手 アヤメ選手の反則


◯セイタロウ・カワカミVSマナカ・マエダ●

試合時間2:14 試合放棄

決まり手 マナカ選手の戦意喪失


◯マナト・カミヤマVSカイリ・アサクラ●

試合時間8:51 KO?

決まり手 現在確認中……。


 TEAM PRIDE、展覧試合決勝進出決定!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  もしも朝倉さんの気絶した原因が、 『激しい運動による一時的な貧血(だって上下運動多過ぎだし)』だったりしたら…神山君も不愉快だろうなぁ(;^ω^)。  結局一発も入れられなかったんだし(^…
[一言] むう…マジになにをやったんだろう?顎先を高速のジャブで掠めて脳を揺らしたのか?長谷部さんあたりがなにが起こったか解説してくれそうな雰囲気。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ