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9話 自宅での訓練

今日は鍛冶屋のオッさんに刀を納品してもらう日だ。

実はかなり楽しみでしょうがない、オッさんには失礼だが。正直に言うとメインウェポンでは無いのだ。

これから自分の武器をその都度作って行く為の教材・・なのだ、だがワクワクはする。新作の漫画や、ゲームとかをネットで買うと届く日は何故かワクワクするだろ?

そんな感じである。


サリュと準備をして出かける事にする、サリュも心なしか落ち着かない様だ。

尾と耳がヤケにヒクヒクしている。



「サリュ、楽しみなのか?」


「う、うん。だって武器が出来るまで1週間狩にも行ってなかったし。モーニングスターも、一緒に今日受け取る事になってるしさ。」



うん、思った以上に楽しみにしていてくれる様だ。



◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎



「オッさーん、来たぞー。」



言いながら店に入って行くと、オッさんが奥から顔を出す。しかし俺って側から見たら相当生意気そうなガキに見えるんだろうな。

そう感じながらオッさんと奥さんが武器を作業台に乗せて行くのを見る。

こっちじゃなんて言うか知らないけど 打刀。後は短刀。


しかし、この間は深く考えなかったが刀文化ってあったんだな。日本みたいな国が有るのか。親父がこの世界に刀という概念を持ち込んだか、だな。



「えーと、こっちが坊主ので、こっちが嬢ちゃんの。後はウォーハンマーと、モーニングスター2本だったなさてと、持って見な。店の奥に試し切りのスペースが有るから、使っても良いぞ?」



俺は言われた通りに刀を手に取る。能力値が高いせいか重さは感じない。細工、装飾はとても良い感じだ。注文通りに洋風の装飾だ。つかは持ちやすい様に蛇革の様な物が貼って有る全体的に白を基調にして有り、ツバの形は日本刀と同じだが装飾は白地に銀で模様を付け青い宝石が埋め込まれている。鞘も同様で特に柄頭や、鯉口、コジリなどは強めに装飾が成されている。



「コレさ、細工に結構金かかってるんじゃ無いのか?宝石も使ってるしさ」


「まあ、装飾代込みの値段だ、宝石は透明度の低いクズ石みたいなもんだからなぁ。そんなんでも無い。それになあ、刀自身に力を入れるのはもちろんだとしても装飾も大事な所だ」



という事らしい。だが、なかなか俺好みだ。

鞘から刀を抜いてみる、少し波打つ刃紋の様だ。そして本命の解析眼をかける・・・



打刀 等級4



おお、中々良い出来の様だ。というか、オッさんの能力値見た事なかったな。

名前すら知らない。という事でオッさんにも解析眼をかける。



モルグス ♂


年齢 41


lv 28


str 335/335

def 274/274

agi 190

mat 452

dex 1120

int 245


ギフト 感覚


魔法技術 火魔法 ランク3 水魔法 ランク1


スキル 器用 ランク4 鍛冶 ランク4 細工 ランク5



オッさんは中々レベルと能力値が高かった。

城の騎士が平均20超え位だ、元冒険者とかなのだろうか?

まあ、確かにこの能力なら刀の出来にも納得出来る。


サリュの方も見てみる、2本揃いのデザインで俺のデザインと似ているがこっちは黒を基調にしている・・・・

あ、成る程 髪の色に合わせたのか、気が付かなかった。

装飾は打刀よりも抑え目だが中々良い。


サリュは1本を手に持ち鞘から横に抜くと。



「わぁ・・凄く綺麗な剣・・・」


眼を爛々と輝かせてそう呟く。


「刀 と言うんだサリュ。後で一緒に使い方の練習をしよう。」


「刀かぁ… ありがとう!クロト!大事にするねっ!」



教材のつもりだったのに、なんだかサリュにも オッさんにも悪い気がしてきたぞ。

でも、俺自身もこの刀はすごく気に入ってる。まあ有り体に言えばカッコいいっ!


試し切り・・・出来るって言ってたな。

オッさんに許可を取ると店の奥にある広いスペースに進む。

中央には台座が有り、太さが違う丸太が数十本置いて有る、台座に固定して使う様だ。

オッさんが丸太を固定する所だ、太さは直径10センチ程、



「オッさん、もう少し太くても良いぞ?そっちの奴くらい。」



俺が指をさしたのは直径20センチほどの丸太だ。丁度 硬さも太さもオークの腕くらいだろう。今の鈍らの鉄剣でも切断は出来るが、切れ味を比べるには丁度良いかな?



「いや、7歳の坊主に刀なんてもん作ってやる俺が言えた事じゃあねぇが。コレは流石に無理なんじゃねえか?」



オッさんはそう言いながらも丸太をセットしてくれる様だ、オッさんって良い人なんだよなぁ。



「ありがと、オッさん」



鞘から刀を出し構える、丸太を斜めに切るイメージだ叩くのではなく切る。包丁を引いて切るときのイメージだ。



ザンッ!!!



音と共に丸太が斜めにずれ落ちる、おおっ!とは、オッさんの声だ。

異常なstrだからだろう、丸太を切るときに抵抗がほとんど無かった。


オッさんが落ちた丸太に近付くと切断面を指で撫でる。



「あー、こりゃダメだな。坊主は確かにすげー力だが、こりゃ剣を使ってるのとそう変わらねえ、切る時に刀が真っ直ぐじゃあねえんだろうな。持ち方が少しズレてるのかも知れんなあ、まあ、構えと動きはそれっぽかったがな」



オッさん、そんな事も解るのか、オッさん凄い。



「そうか、鍛練有るのみだな」


「クロトクロト!サリュもやりたい!」


「おう、やってみな!」



半分になった丸太をどかして新しい丸太を固定する。

サリュが、短刀を抜くと丸太に向かう 構えて・・・・


トーントーンっと軽くステップを踏むと・・・・


ガッガガガガッ!ガガガガッ!



10秒ほどだろうか。丸太の中心にクビレを作る様に丸太が削れて行く。

真ん中が指一本分程の細さになるとバキリと音を立て丸太が折れる・・・


チンッ!とツバ鳴りの音が響き・・・・



「ねねね!凄い?サリュ凄いんじゃない?」


「あ、ああ、凄いな うん 凄いと思うぞ。」



チラリとおっさんを見るとあんぐりと口を開けたままだった。



◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎



館に帰りサリュと鍛錬を兼ねて、少し休んだら寸止めの稽古をするつもりだ。

しかしさっきのサリュはすごい動きだったな。能力値は俺の方が高いが動きの質が違った気がする、流石は獣人族と言った所なのだろうか。

最近サリュと良く狩りに行っているから、lvも結構上がったんじゃないかな?




サリュ・ベルトス♀


年齢 7


Lv 13


ライフ 410/410

マナ 55/55


str 552

def 360

agi 696

mat 112

dex 130

int 180



ギフト 成長促進 俊敏


魔法技術 身体強化魔法 ランク2(3割増加 マナ=仕様秒数


スキル 迅歩 ランク2 暗殺 ランク1 短剣術 ランク1



ーーーーーーーー



ワヒト・ クロガネ

クロト・デュアリス ♂


年齢 7


Lv 11


ライフ 3015/3015

マナ 4650/4650


str 3750

def 3860

agi 2425

mat 3400

dex 2845

int 308


ギフト 解析眼 千里眼 龍化 闘気 思考力 真理理解


魔法技術 五大元素魔法 ランク3 生成魔法 ランク1 空間魔法 ランク2


スキル 器用 ランク2 剛力 ランク2 自己治癒 ランク3 魔力消費減少 ランク3 剣術 ランク1







ーーーーーーーー



久々に能力値を確認した、おお!名前欄が2つあるぞ!


それは置いといてだ、ふと思った事だが俺が魔法を創れる様になったのは、この生成魔法のおかげではないのだろうか。多分ランクが1に上がった後から出来る様になった気がする。


それよりも気になるのはサリュの暗殺スキルだ。短剣術はまあ解る。短刀が来るまでの間、狩りで短剣を使ってたしな。

しかし短剣術1の癖にさっきの 丸太を削り切る技か。ギフトの俊敏が関係してるんだろうな。技の拙さを俊敏でブースト、スピードで補っている訳だ。


しかし暗殺だよ暗殺。いつ覚えたんだろ?素早さと短剣術の組み合わせで使える様になるとか、有りそうだ。 まあ、この不思議異世界の事を深く考えても仕方の無い事かもしれないが。


いや、待て待て。


7歳?いつ7歳になった?



「なあ、サリュお前さ、いつ7歳になった?」


「えーと ね 今日かな…?」



下を向きつつ、モジモジしている。

ガーターベルトでタイツを上げ、ホットパンツを履き、チューブトップに少しだけ裾の長いジャケットを羽織っている。

膝当てや肩、ガントレットは、抽出魔法で炭素を大地から抽出。変形フォーミングで整形した物を装備している。

まだ、武器の様な精錬や成型技術よりも構造が重要となる物を作る事は難しいが。

単一素材で好きな形を作る事は出来る様になった。

装備に関してはこれで良いだろう。


しかし、なんかムチムチしてきたな、食生活が良いせいか?ま、もちろん文句はない。

眼福眼福。



それは良いとしてだ。

なんではやく言わないんだこいつは。何か誕生日プレゼント、うーん思い付かない。



「すまん、知らなかった。何か欲しいものは無いか?」


「え?」


「いや、プレゼントだよ。欲しいものだよ。」


「服も買って貰って、装備も用意してくれてもう充分だよ。其れにこれがプレゼントだよ・・・」



最後の方は聞こえなかったが、腰に挿した短刀をの手を触れさせている所を見ると、まあ、なんて言ったかは想像できる。



「それよりっ ワヒト、はやく 手合わせしよー?」


「ああ、こっちは何時でも良いぞ。」


「うーん、」



サリュが構えを取る、サリュの事だ、向こうから攻めて来るだろう。


思った通りにサリュが地面を蹴り5メートル程の距離を一瞬で詰める、まず首筋に一閃。

それを後ろに下がり避けるとヒュッと音を立て顎の下を短刀が通る。


俺の刀は背負って有り、手はツカを握ったままだ。


ここまで大体1秒、サリュが体勢を下げ膝のあたりを横に薙ぎ払う。

トンっと、俺が軽く跳ねると同時に、首筋を狙った刀を返し、十字を切る様に下から縦の一閃。最初に跳ねた時点で縦の一閃が来る事を見通していたので後ろにそのままバク転をする。ついでにサリュの顎につま先を当てるのも忘れない。

丁度顎に決まった様で、フラフラと頭をゆするサリュに、着地と同時に一瞬で距離を詰め、後はスッと刀を首筋に当て終了だ。



「絡め手に弱いな、サリュは」


「あうぅ。」



俺は刀を鞘にしまうと、サリュに話しかける。サリュは頭を横に振り声を漏らす。



「もうこの1ヶ月半近くで5000戦近くやってるのに一度も勝てない・・・」


「そりゃそうだろ。能力値がだいぶ違うからな」



転移者という事や身体の造りの事は言ってないが、サリュには自分の能力値を教えて有る。

やはりこの世界では技術がどんなに凄かろうが、能力値が倍ほども違えばどうしようも出来ない。どんなスピードで切り掛かっても倍のスピードで避けられたら当たらない。

よっぽどうまく相手の隙を突くしかない。


だが千里をも見渡す力があるこの眼は動体視力も半端では無いらしい。

そして思考力がある。戦闘中にどうしたら良いかなど夕飯のメニューを考えながらでも出来るし、それを成すだけの身体能力もある。



因みにサリュの言う5000戦と言うのは、今の様にたった10秒程度で決着がついてしまう為、間を入れても1時間近くで50戦、1日2時間100戦として、毎日鍛錬をしている為そのくらいの手合わせの数になった、俺の鍛錬というより、サリュの鍛錬だろう。

もう5000回死んでいる事になってるんだから。



「ねね、ワヒト今日のご飯何かな?」


「そんなに引っ付くなよ、汗もかいてるんだから、サリュはもう少し恥じらいを持て」



俺にピタリとくっ付きながら話しかけて来る。汗はまあ、臭くは無いんだが むしろいいにぉゲフンゲフンっ。


俺は130ちょい、7歳のしては俺も大きい方だろうが、向こうの身長が150越えだ、差があり過ぎて圧迫感がある。



「いいの、ワヒトにマーキングしてるんだから。」


「マーキングねえ・・・」



大凡、7歳児の会話では無い







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