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ネコと私  作者: 昼行灯
冒険者編
42/143

041:必殺

首筋に刀が刺さる

「!!!」


振り返ると、男が1人

「お前、今死んだぜ?」


切られた部分に手を当てる、傷が無い

これは、斬るイメージを飛ばしてきたと言うことか


「そうだ、さすがにここで斬るわけにはいかないからな」

ギルド内を見回す、冒険者家業をやっている以上殺気には敏感だ

皆がこちらのやり取りに注目している


おい、あれ必殺だろ

え、狙った獲物を必ず仕留めるって言うあいつか?

ああやって公の場では、殺気を当てる事で殺して

実際に迷宮では、、、、らしいぜ

なんでフジワラが標的になったんだ?


有名なやつらしい

「必殺ってなんだよ?」

馬鹿にした笑いを向ける、と、またかよ首と胸に殺気が当る

避ける暇が無い、見事な攻撃だ


「お前、2回死んだぜ?」

そう呟きつつ、にやりと嗤いギルドを出て行く



「えらい奴に目をつけられましたね」

近くにいたギルド職員が話しかけてくる

「ギルド内であんなことしていいのか?」

殺してやるといっているようなものだ、問題ありだろう

「ダメなのですが、どういうわけかギルド長やサラさんが

 居ないのを見計らって来るんですよ、止めれる者が居ません」

ボケジジイはわかるが、サラも強いのか

そういえばあいつの一撃で意識を刈り取られたな


「で、どういうやつなんだ?」

面倒だが目をつけられたらしいので聞いてみる


「なにか特殊なスキルを持っているらしく剣術が巧みなんです

 フジワラさんも先ほどやられていましたけどとても速く

 しかも狙った的を外さない、ギルド内では剣を使わず気だけで殺し

 ギルド外では実際に剣で人を殺しています」

おいおい

「ギルドの外なら人を殺していいのか?、無法地帯だな」

「当人同士の了承があれば決闘は認められています

 普通は了承しないのですが、ずっと気だけで殺され続けるのです

 実際には死にませんが、あれをずっと我慢できますか?」


「無理だなあ」

あの、何回死んだぜってのが無理、虫唾が走る


「決闘は勝ったものが負けた者の全てを奪う権利があります」

「無視し続けた奴はいなかったのか?」

「いました、ギルドとしても殺気での挑発はしないようにと注意し

 決闘も断り続けたようです、暫くすると付きまとわなくなるのですが

 その人は高い確率で迷宮に行ったまま帰ってこなくなります」

「迷宮で殺してんじゃねーか」

「証拠がありません」

まあそうだな、迷宮での殺人は死体自体が残らない


「彼は、お金を貯めていそうな人や、ソロの人を狙って

 ああいうことをしています、狙われた人は

 全財産を差し出して許してもらうか、殺されて全てを奪われるか

 いつの間にかついた字が、必殺、です」

だっさ!、必殺ってだっさ!

「じゃあ俺は必殺されるのか、まいったな」

必殺されるのか、ってうまくね?、座布団くれよ!


毎日あれ以上の殺意と実際の部位欠損を受けてた身としては

ちょっとビックリする程度なんだが、迷宮で襲われるのは面倒臭い

そういや鷹山達ってどうなったんだろうな

力を手に入れた今でもあったら殺したくなるかな?

馬鹿にしてきたら思わず殺っちゃいそうだな、余裕あるな俺


「ここだけの話なんですが、実は私彼と伝がありまして、、」


なんだよ、ボケジジイとサラが居ない日教えてるのお前かよ


金貨500枚払えば見逃してくれるらしい、所持金は、、、


ぜんぜんたりねー



未鑑定品だな、これ売れば500枚くらいにはなるだろうな

当たりがあればもっといくか、やっぱ魔道具屋かなあ

ギルドに鑑定と売却依頼すると時間掛かるしな

というか、あの職員とかが誤魔化しそうだよな、信用できねー


考えつつギルドを出たところで、またか

「3回死んだぜ?」

めんどくせー


魔道具屋に寄ってみたが、既に閉店していた

「まだ昼間だろー、商売する気無いのかよー」

ここのばあさんは、どうも苦手だ、というか相性が悪いんじゃないかな


そうだ、

楠木に会いにいってみようかな、あいつも鑑定持ってるし


いい案だな!

当りの魔法だった場合、売らないであいつにあげてもいいしな!

全然あってないし、近況とかも報告しあいたいよな!



「そんな人は居ません!、とっとと出て行ってください」

は?、なんだよこの胸のでかい受付嬢

「ちょっと聞いただけなのになんだよその態度」

思わず噛み付いちまった

「サラから聞いてます、ホモのフジワラですよね?」

は?、なにいってんのあのボケ受付嬢

「ホモじゃねーし!」

ギルド内がざわつく、うおーい!

「サラに被害報告があがっていると聞いてます、たしかライとか」

は?、あいつらそれ卑怯じゃね?

「嘘だし!」

「オークの主という字もあるらしいじゃないですか?」

はああああああああ?

「なんじゃそりゃあああああ!!!」


あなたみたいな獣は私の天使ちゃんに会わせませんといわれ

ギルドを追い出される、ふざけんなし!



「よう、兄ちゃんあんたもあの受付嬢にやられた口かい?」

なんだよ、うぜーな話かけんなよ!

「いい作戦があるんだけどよ、あんたも噛まないか?」

うるせーな

「やらねーよ、どっかいけ!」

あー、気分悪りー、もう宿に帰って寝るか


「おい、魔道具屋だ、いそげ!」

男達が駆けて行く、あいつ等ろくでもないことするんだろうな

まあ、俺には関係無いか


明日は迷宮行きたいが、必殺さんがついて来るのかな?

「面倒くせーな、おじさん肉串3本くれ」

怒鳴りまくって腹減った

「はいよ、値段は、、だよ」

「なんだよその値段、たけーし!」

ここ貴族街かよ、物価滅茶苦茶だな!





翌日:

「リン、早く迷宮行こうー!」

なにさー、そんなに自爆歩法・極ってのやってみたいの?

「ば、く、れ、つ、ほ、ほ、う、き、わ、み!」

喋ってないのに明確な突っ込みありがとうね?

「リンだって昨日ずっと糸いじっていたじゃないか!」

ぷにぷにぷに、肉球攻撃だ!

新しい装備だからね、ちゃんと実戦前に慣れておかないと


マルアさんから昼食を受け取り、宿を出る

「いってらっしゃい」

「いってきます」

「にゃ~!」

ギルドから馬車に乗る


ゴブリンの迷宮行きの馬車みたい、顔見知りの冒険者の人と

他愛も無い会話をしながら街外れで馬車を降りる

「頑張ってくださいね」

「ああ、今日こそ光魔法を手に入れるんだ!」

レアボス狙いらしい


とことことことこ、街道を歩く

「リン、爆裂歩法で進もう!」

ひまなのだろうクロが変な提案をしてくる

「地面がえぐれちゃうじゃん、ここは迷宮と違って開いた穴が

 自然に修復されないんだからダメだよ」

音も結構うるさいし、目立つよね


後方から馬車が来る、近くの茂みに隠れる

「市民街のギルドの馬車かな?」

乗り心地よりも乗車人数と頑丈さを重視した作りだ

「楽しそうだな!」

車内で殺気が飛び交っている、殺伐としてるね!

「仲の悪い人達が乗り合わせちゃったのかな?」


まあいいや、長閑な朝の景色を楽しみながら歩く


平和だねー


ガタン、ゴトンと音を立てる馬車の中

「4回死んだぜ?」

もう俺50回ほど死んでるよ


次元の迷宮に行くため

途中まで道程が同じオークの迷宮行きの馬車に乗ったところ

必殺さんも乗り込んできた、迷宮で実際殺すという話しだけど

金無いし今殺しても儲からないと思うんだけどね?


運悪く乗り合わせた他のPTは目も会わせてくれない



まったくなんで俺ばっかりこんな目にあうんだろうな

必殺さんがこちらを見て、にやりと嗤う


あー、ころしてー

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:7

HP:130/130 MP:240/240

STR:75 VIT:90 DEX:75 MND:90 INT:240

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、空間魔法2

        火魔法1、水魔法2、雷魔法1、土魔法1

        光魔法3、闇魔法1

    (自動)HP回復


装備:普通の服、偽りの宝石、魔法の鞄

   聖なる糸 :HP50、VIT25、MND25、HP回復

   白のローブ:INT20

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪 :STR10


金貨:24225


使い魔:クロ

スキル:(魔法)火魔法3、風魔法2、土魔法1、光魔法2

    (自動)HP回復

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