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ネコと私  作者: 昼行灯
新人冒険者編
22/143

021:蹂躙

スライムの迷宮:2Fボス部屋

火水土風のスライムがいる、光と闇はいないみたい、ハズレ?

「火の矢(改)!」

クロが比較的まともな魔法名を叫ぶ、しかし


一本の火の矢が飛んで行き、先頭のスライムに当たると共に爆発する

ズガァァン!

「ひゃー!」

「ふははは!」

このネコ魔法を改変して撃ちやがったあぁぁぁ!

「もー、危ないじゃないか!」

「ふふん、恐れ戦け!」

ドヤ顔で頭を突き出してくる、なんだよー撫でてほしいの?


「あれは、火魔法2の魔法なの?」

嬉しそうに頭を撫でられているクロに聞く

「うむ、火の玉というやつだ、普通に撃つとダサいので火の矢と

 ミックスして速度と威力をアップした!」

「おお、凄いね!」

それって、そんなに簡単に出来るものなの?

「圧縮×速さ=威力なのだ!」

「ふーん、すごいね?」

「むう!」


下りの階段と宝箱、そして転移魔法陣が出現する、鑑定

宝箱:罠:毒針


「クロおいで、宝箱開けるよ」

「むぅぅん!」

適当な返事で少し拗ねてたクロがローブの中にもぐりこんで来る

「ちょっとー、暴れたら失敗するよ」

「むぅ」

ローブの胸のところから頭をちょこんと出し静かになる


「?巻物」「鉄の指輪」

「おりょ?」

「にゃ?」

レアじゃないのに未鑑定品が出た

「ラッキー?」

「うむ、らっきー」


「リン、そういえば光魔法2になって解呪あるし鑑定したらどうだ?」

あ、それもそうだね、アイテムボックスから取り出し

「じゃあ、鑑定するね」


「?巻物」「?巻物」「?指輪」

「火魔法:火の矢」「闇魔法:毒」「鉄の指輪+1」


「うーん、どうなの?」

「ハズレ?」

まあ闇魔法とか希少なんだろうけど

「取りあえず、使える様になっても使いそうにないし、しまっとこう」

「うむ、転売だ!」

違うぞ!



スライムの迷宮:3Fボス部屋

キングじゃありませんでした、ラージスライムと属性スライム

「にゃー!」

クロの叫びとともに、空中に火の矢が数本出現する

ボッ!、ボッ!

一瞬でスライム達が消滅する、クロ多芸だよね!


ドヤ顔でこっちをみている、なにさ?

「はいはい、凄いねクロ今の何?」

「むぅぅ!」てしてし

「だってわかるもん、キングスライムの真似したんでしょ?」

前回キングスライムとの戦闘中、同じような魔法を使ってきてた

多分、私も出来る、少し溜めが必要なくらいか

「うむ、キングに出来て我に出来ない筈がないからな!」

「別に前回クロがしてたみたいに火の矢連射でも同じじゃないの?」

「ロマンだ!」

「凄いね?」

宝箱はハズレでした


「じゃあ、1回外出て潜りなおそうか」

2Fのボスがリポップ前なら2Fに戻る階段があるが、ポップしてると

2Fには戻れなくなっているのだ、他のある程度人気のある迷宮なら

しばらく待てば、他のPTがボスを倒して階段が出現するが

ここ、スライムの迷宮ではそれはまず無い

「リン、どうせ2Fでレア出て巻物拾えても部分魔法だけだろう

 それならこの3Fボスだけずっとやってればいいんじゃないか?」

うーん、確かに2Fのレアボスは当たりでも光か闇の魔法

しかも限定された巻物しかでない気がする、闇魔法全体の巻物は

おそらくこの迷宮じゃ出ない


3Fのキングスライムは属性魔法を使うが属性に縛られていないからか

罠解除スキルの巻物見たいなものが出たりするみたいだ

有用な闇魔法が出るかもしれないが、毎回1Fからやり直しもきつい

「そうだね、お昼に1回出て後は3Fだけやろうか」

「うむ」




スライムの迷宮:外

「おい、出てきたぞ!」

見張りから連絡がある

「あ、見たい、見たい」

一見すると誠実青年に見える冒険者風の男が覗き見る

「わあお!、凄いね貴族というよりあの黒髪は王族じゃないの?」

遠目で見てもわかる綺麗な少女だ、ペットと戯れる笑顔が可愛い

「あー、やべえ、めちゃくちゃにしてえ!」

「お前結局、赤髪の娘壊しただろう、あれは絶対ダメだ」

仲間の2人が話しながら覗いている


「ボスはまだなの?」

「はい、呪縛使いを迎えに行っているので、、」

「どうする?」

「帰るようなら、やるしかないだろう」

「大丈夫みたいよ、食事を始めたよ」


近くの石に腰かけペットと食事を取っている、楽しそうに笑う少女だ

「あー、うまそうだなー」

食事がなのか、少女がなのかよくわからない感想が聞こえる


食事後、しばらくペットとじゃれ付いた後、迷宮に入っていく少女

「あー、やりてー」

わからなくも無い、あの無防備な笑顔を絶望に染めたい

あんな苦労を知らないような少女が自分の無力さにうな垂れる姿を

助けてください、と懇願する姿を、泣き叫ぶ姿を


滅茶苦茶にしたい、暗い感情が共有される



!!仲間の2人がいない

「おい、あいつ等はどこに行った?」

「え?、あれ」

くそっ!、まさか抜け駆けか?




スライムの迷宮:1Fボス部屋

「うーん、どうしようか?」

とりあえずボスは倒し、宝箱の前で悩んでいる

「瞬殺?」

まあ、それでもいいんだけどね

ボス部屋に入る直前、私達に迫ってくる2人組みが見えた

おそらく宝箱を解除して部屋のロックが解除された瞬間に

襲ってくるだろう

「他にもいたじゃん?」

「うむ、外にだな、アイテムボックスから椅子とか出さなかったのは

 そのためか?」

「まあね、目的を知りたいんだけど、拷問とかしたこと無いからなあ」

心を折る感じに痛めつければいいのかなあ?

「まかせろ!」

「え?、クロそういうの得意なの」

「皆殺しだ!」

「なにそれー」

だめじゃんー


扉のロックが解除される、キィ、と音を立て扉が開く

「こんにちは、お嬢ちゃん」

冒険者風の2人組みが入ってくる

「こんにーー」

あれ?、声が出ない

(なにこれ?)

クロに聞いてみる

(風魔法の静寂じゃないか?)

ああ、だから声が出ないのか

「へへへ、声が出ないだろう?、それじゃ魔法もつかえないなぁ」

下卑た笑いをうかべながら剣を抜く2人

(静寂なのになんで彼らの声は聞こえるのさ?)

(さあ、ご都合主義?)

(えー、というか魔法って声が出ないとつかえないんだ?)

(一般的には?)

(だよね、クロなんか適当な名前言ってるだけだもんね)

(リンなんか、何も言わずに発動してるじゃないかー)

(あれ、もしかして治療士の時何も言わずに回復してるのまずい?)

(うむ、アウトだな!)

(がーん!)


鑑定をする

風魔法:静寂を持っているのは、後ろにいる少し用心深いほうだね

剣を片手に無警戒でこちらに来る下品な男はあまり情報持ってなさそう

(こいつはいいや、クロ殺っていいよ)

糸を繰る、水の刃!

(うむ、消炭の刑だ!)

火の矢が出現する、え?、ちょっとそれって

「な!」

男が爆散する、ぎゃー肉片がこっちに来る!水の壁!

(クロのばかー!)ぺしぺし

(反省!)


「あ、忘れてた」

少し先に、両手両足が切断された男が転がっている

糸で切断部分の上を縛っているので出血は少ない

「あれ?、気を失ってるのかな」

「軟弱なやつだな!」

とりあえず、ヒールをかける

切断された手や足をつけた状態で回復魔法をすれば元に戻るが

まあ、そんなことはしない、と思ったけど何もないと持ちづらい

片足だけくっつける


ずりずりずり

「リン、あそこにいるぞ」

クロが見つける

「あ、ほんとだ、てぃ!」

片足の男を投げる


ジュ!


「!!!、ぎゃああああああああ!!!」

スライムに頭からダイブした男が酸により溶ける、水の刃!、回復!

スライムを水の刃で倒し、男を回復する

「えっと、こんにちは?」

さっき途中で中断された挨拶をしておく

「あ、え?、ひぃ!」

混乱中みたい

「リン、悪逆非道だな!」

「え、な、しゃべ、え、」

混乱が深くなりました、

まあ気づいたら手足が無くてスライムに溶かされてるとか、混乱するね

そこでネコが喋る、ファンタジーだね!


なんか既に心が折れてるみたいなので、説明をしてから聞いてみる

「えっと、知ってること全部喋ってください

 取り合えず最初はどうせ嘘言うと思うんで

 10回くらいスライムにダイブしてもらってから

 話してくれればいいです、ちなみに私光魔法有るんで

 死ねないです、気が済むまで我慢してくれていいです」


ジュー!、ヒール!、ジュー!、ヒール!、ジュー!、ヒール!

「やめて!、全部話します、だからやめて!」

「いやいや、まだ3回ですから、後7回我慢しましょうね?」

「ああああ、ああ、あ」

「リン、心が壊れちゃうんじゃないか?」

「大丈夫!、光魔法で心も治せるのだ!、クリアマインド!」

「おー、わんだふる!」

「あ、あ、あ、あ、あ、あああああああ」


10回終わった時点で、全部話してくれました

なんと事の発端は藤原君!、なんというとばっちり

「あの小僧は、次にあったら抹殺だな!」

クロ君怒り心頭、そういえば最初っから藤原君の事嫌ってたね


「殺してくださいぃ」

男が懇願している

「あ、うん、かってに死んでいいですよ、じゃクロ行こうか」

「うむ、待っていろよキングスライム!」

まあ、今まで散々助けてという言葉を無視してきた人の言う事を

聞く気もない、最後くらいその気持ちを味わってみてね


ジュー!

「ああああ、たすけて!」

スライムが願いをかなえてくれるみたいだね



藤原君生きてたんだね、だけどなんか好き勝手にやってない?

とばっちりでこっちに火の粉が降りかかるのは勘弁してよね


まあ、けど、よかったね

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名前:楠木(クスノキ) (リン) 種族:人族 性別:女 年齢:16

レベル:3

HP:40/40 MP:180/180

STR:35 VIT:25 DEX:35 MND:25 INT:150

スキル:(特殊)言語翻訳、アイテムボックス、鑑定

    (技) 罠解除1

    (魔法)召喚魔法(式神)、水魔法1、光魔法2


装備:普通の服

   緋色のローブ:MP20、INT10

   素早さの靴:DEX10

   魔力の腕輪:MP20

   力の腕輪:STR10


金貨:180


使い魔:クロ

スキル:火魔法2、風魔法1

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