表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
224/286

プロローグ 動き出した計画

 今日はここまで。


 内容は短いです。

 アールネス国。

 軍部の兵舎。

 ある将軍の部屋。


 部屋に、ノックの音が響く。


「入れ」


 入室を促すと、部屋に一人の兵士が入って来た。

 兵士はとても慌てた様子ながらも、将軍へ敬礼する。


「どうした?」

「報告があります」

「なんだ?」

「ビッテンフェルト将軍が、殺害されました」

「何だと?」


 将軍は驚いた。


「どちらのビッテンフェルト将軍だ?」


 ビッテンフェルトという将軍は軍に二人いる。


 アールネス最強と呼ばれる将軍と、その家の婿養子としてビッテンフェルト家へ入ったアルディリア将軍だ。


「ビッテンフェルト公爵様の方です」

「……信じられん。あのビッテンフェルト将軍が……。もう老境とはいえ、あの方がそう易々と命を奪われるとは思えぬ。……相手は? 相手は誰だ?」


 兵士は一度息を飲み込むと、その名前を告げた。


「ティグリス・グラン子爵殿です」


 報告を聞いた将軍は目を閉じた。


「ティグリス・グラン……。確かに、彼の者ならば匹敵するか……」




 某所。


「予定通り、ビッテンフェルト公には死んでいただきました」

「うむ。ご苦労。下がっていい」

「はい」


 部屋の主に言われ、報告を終えた女性は杖をついて部屋を出て行く。

 扉が閉じられる。


「さて、計画は転がり始めた……。あとはどこへ行き着くか……。その先を楽しみにしているよ、特別顧問殿」


 そう呟き、部屋の主は口元を笑みに歪めた。


 不意に、振り返る。

 そこには、もう一人の男がソファーに座っていた。


 その男は答えず、部屋の主同様静かに笑みを湛えるばかりだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ