表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/143

ネコと子イヌ2【前編】


「ワンワンワンワン 」


外からイヌの鳴き声が聞こえる。


「うるさいにゃん」


 ぼくは目を覚ました。


すると、


「ピンポーン」


 玄関チャイムの音が鳴った。

ご主人様は、玄関のドアを開けると、


「ワンワンワンワン」


 イヌの鳴き声が響いた。


「もう、うるさい。誰?」


 ぼくが玄関に行くとそこには……


「えりかっ!」


 つとむ君に抱っこされている小イヌのえりかがいた。


「肉まん。久しぶり~。ここは肉まんのおうちだったのね」


えりかがうちにやってきた。

えりかは、ご主人様のお友だちのつとむ君が飼っている小イヌ。

さびしがりやで、一人にすると鳴いちゃうし、

今みたいに、誰かに会うことが分かると興奮して鳴くこともある。とにかく、よく鳴く。

 


「さあ、入って」


 ご主人様が言うと、


「おじゃまします」


つとむ君は、おうちに入った。


リビングに入ると、


「えりか、元気いっぱいじゃない」


 ご主人様はそう言った。 


「肉まんが来てくれてからは、友だちができたと思ったらしく元気があったのだけど、

最近は別のことがあって元気がないんだ」


 んにゃ? またえりかは元気がないの? えりかに何かがあったらしい。


「それってあのこと?」


 ご主人様は聞いた。


「そう。えりかは気にしちゃってね」


つとむ君は言った。


「えりかは心配しているんだね」


何だろう? ご主人様は分かっているみたいだけど……。えりかに聞いてみよう。

さっきまであんなに鳴いていたのに、今はすっかりおとなしくなっていた。落ち着いているというよりも、どこかさみしげだった。


「つとむ君がえりかのことを元気がないって言っていたけど何かあったの?」

「実はね……。おにいちゃんが、け、結婚するの」

「おめでとう。よかったじゃない」


 これが、 元気がなくなった理由? えりかを見ると、心配そうな顔をしている。


「えりかはうれしくないの?」

「だって、結婚したら、お兄ちゃんがおうちを出て行っちゃうかもしれないじゃない!」


 えりかは大声で言った。



《続く》



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ