ネコとおばあちゃん5
「きみー。お出かけするよ」
ご主人様はぼくを呼んだ。
手には大きめの紙袋を持っていて、
オシャレな紙袋だったから気になった。
お洋服屋さんの紙袋みたいだったから何だろうと思った。
近づいていくと、その中にはプレゼント用の包装された
ものが入っている。
「誰かにあげるのかにゃ?」
これから届けに行くっぽいみたい。
誰かのお誕生日にあげるプレゼントなのかなぁ。
それとも普段、お世話になっている人?
もしかして、ご主人様が粗相をしてお詫びの品だったりして……。
けど、ぼくを連れて行ってくれるってことはぼくも知っている人だよね。
ぼくは車に乗った。
「ん~。誰だろう~」
と考えてはみたものの。いつものように
「スピピ~」
眠ってしまった。
「きみー。着いたよ」
いつものように起こされた。
目を覚ますと、ココがどこなのかにということに気づき、
誰にあげるプレゼントなのかが分かった。
「ただいまー」
ご主人様は玄関のドアを開けると、おばあちゃんが出てきた。
1か月前
「きみー。どっちがいいと思う?」
パソコンのディスプレイを見ていた
ご主人様はぼくに声をかけた。
どれどれ。そこにはチェック柄のパジャマの写真が写っていた。
青とピンクーどっちの色がいいと思う?
「にゃー」
ぼくは、ピンク色の写真を肉球で触った。
「やっぱりコッチだよねー。ありがとう」
ぼくはご主人様とこんな会話をした。
けど今日って、おばあちゃんの誕生日なのかにゃ?
「おばあちゃん。いつもありがとう。これからも元気でいてね」
ご主人様はプレゼントが入っている紙袋を渡した。
「ありがとう。きょうは敬老の日だったね」
おばあちゃんは、カレンダーを見た。
「敬老の日?」
ぼくはご主人様を見た。
「敬老の日は、多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。という日なんだよ」
へ~え~。だからおばあちゃんにプレゼントを渡したんだにゃん。
おばあちゃんはいつまでも元気でいて欲しいにゃん。
おばあちゃんは丁寧に包み紙を開けると
パジャマを取り出した。
「ありがとう」
おばあちゃんは嬉しそうな顔をした。
「この子といっしょに選んだんだよ」
そう言うと、
「ありがとう。肉まん」
おばあちゃんはそう言った。ぼくも嬉しくなって、
おばあちゃんの足元をスリスリした。
しばらくおばあちゃんのおうちにいて、
それから帰った。
帰りの車内で、
「来年は、なにをあげたらいいかな。甘いものが
好きだから、甘いものにしよかな」
食べ物ならぜひ、ぼくに試食させて欲しいにゃ~。
ぼくは目をキラキラ輝かせながらご主人様を見つめた。
「大丈夫、きみに試食を頼まなくても、
自分だけで決められるから」
ご主人様はそう言った。
「バレてるにゃ~」
ぼくの心の中はお見通しらしい。
けど、ご主人様も甘いものが大好きだから、
人にあげるものなら、自分の分も買うはずだし、
目新しいものを買うはず。試食という名目で。
今回みたいに1か月前くらいから探すかもしれないから、
そのくらいになって目新しいお菓子を買ってきたときは
おいしいものにありつけるかもだにゃん。
ぼくは期待に胸を膨らませた。
《終わり》




