ネコとダンボール
「快適だにゃ~」
ぼくは扇風機の風に当たり涼んでいた。この前、ご主人様が扇風機を買ってくれたおかげだにゃん。
ふと、扇風機が入っていたダンボール箱が目に入った。
「あのダンボールの中に入ってみたいにゃ!」
ぼくは、ダンボール箱が大好きだから見つけると、入りたくなっちゃう。
ネコはせまい所が大好きだからね。
あのダンボールは背が高いから、ここからだとぼくが飛んでも中に入ることはできない。
けど、テーブルの上に乗って、ダンボールめがけて飛びこめば、入ることができるはず。
「ピョーン」
ぼくはテーブルの上に乗って、ダンボールの中に飛びこんだ。
「シュ」
見事にダンボールの中に入った。
しかし、ぼくは大事なことを忘れていた。入った後のことを考えていなかった。
「にゃ!」
ダンボール箱が思ったよりも長いことに気がついた。
「ピョンピョン」
と飛んでも、ぼくのお腹が重くて、出られそうにない。
必死でもがいたけど、丈夫なダンボールはちょっとやそっとじゃやぶれなかた。
そのうち、ぼくがもがいていたせいか、
「パタン」
ダンボールの箱が閉じてしまい、真っ暗になってしまった。
普段は暗い所に慣れているぼくだったけど、あまりにも突然のことで怖くなってしまった。
「助けて~。ご主人様~。暗いにゃ~。怖いにゃ~」
ぼくは鳴きながらご主人様に助けを求めた。
すると、突然
「ピカッ」
「まぶしいいにゃ」
ダンボールの中に光が差し込み、ぼくの身体がつかまれ、
出ることができた。
そして、目の前にはご主人様がいた。
「ありがとう。ご主人様~」
ぼくはうれしくて鳴いた
「ネコは身体にピッタリする所が好きだから、箱とか、せまい所に入っちゃうことは仕方ない。けど、きみの場合は、自分のサイズにあった所に入るようにね」
ご主人様は言った。
そういえば、この前もダンボール箱を持った宅配便が着て、ご主人様はお取り寄せした食材を冷蔵庫にしまった。で、からっぽになったから、ぼくはそのダンボール中に入りたくなり、
「ピョーン」
と飛び込んだらぼくの身体が大きすぎて
やぶけちゃったけ……。
「箱に入ることも、出ることも大変だね。きみは」
ご主人様は笑っている。
「ぼくは悪くないもん。サイズに合わない箱が悪いにゃん」
と自分に言い聞かせた。
ご主人様はぼくを見てまだ笑っている。
きっと、ぼくがダンボール箱に入って抜けなくなった姿を思い出して、笑っているに違いない。
ダンボールをやぶいちゃったときも、ご主人様が近くにいたからとても恥ずかしかった。
そのときも、今回みたいに笑われた。
ぼくはそのときの自分のおマヌケな姿を思い出し、恥ずかしくなって、その場で身体を丸めた。
このときばかりは、扇風機の風は当たっているのに、ちっとも涼しくなかった。
「恥ずかしい」
ただその気持ちで身体が暑かった。
《終わり》




