雨の音
四季様からレビューをいただきました。
ありがとうございます。
もう寝ようとしたら
強い風が吹き
雨音が屋根瓦を叩いた
アスファルトや近所の畑や
裏山の竹や木々だって打たれているけど
部屋の中では屋根瓦しか聞こえない
昨夜あんなに歌っていた鈴虫や
朝に幾何学模様を描いた蜘蛛や
跳ね回っていたバッタや
羽に夕日を透かした蜻蛉や
農道を遮った蚊柱は
どこでこの夜を凌ぐのだろう?
何故か一昨日フロントガラスに鎮座していた青々しいカメムシのように
俺の車に潜むのだろうか……
秋だと言うのに蛙が鳴く
複数の猫が咆哮
寝床を奪い合っているんだな
そんな事を考えていると
思考が曖昧になっていく
羊を数える前に寝てしまう俺は
きっと起きたら
今考えている事を忘れてしまうのだろう
ドバトはどこに。
タイヤキは、どこに。




