下腹部の証
暴力的表現と性的表現があります。
R15程度だとは思いますが、少しでも嫌という方は回避でお願いします。
暗いです。
私はファンタジー小説というところの異世界召喚にあった。
それだけならまだしも私は望まれていなかったらしい。
偶然この世界の聖女に選ばれたという彼女の近くに居たがために巻き込まれ彼女が目覚める前に私は森の奥へと捨てられた。
うっそうと茂る森の中何日か過ぎ食べられそうな木の実で何とか生き延びた私は近くの村へと助けを求めた。
そうしてその村で暖かいスープをもらいどうにかなると思ったその夜に私は奴隷商人へと売られた。
この世界では人の売り買いなんて当たり前でよそ者で厄介な匂いのする女なんて売った方がよかったんだろう。
着ているものなんて城で既に奪われて質素なものだったけど此処の人たちより数段綺麗な肌や髪は高く売れると思ったんだと思う。
気づいた時には狭い檻の中に藁が敷き詰められ敷かれていた薄汚い布の上で目が覚めた。
混乱した頭の中でやけに冷静に私は売られてしまったんだと思った。
どうしてそう思ったなんて考えても自分の周りにある同じ様な檻を見たらわかる。
力なく横たわる人間、家族なのか同じ檻で抱きしめ合う子供。
あの優しい笑顔も温かいスープもこれからお金になるからだったんだ。
こういう時泣き叫ぶかより呆然とする方が強いんだな。
ぼんやりと近づく男の姿が靄がかかったように良く見えない。
檻から出され檻のあっ部屋より少し狭い部屋で冷たい水で洗われ綺麗なドレスに着替えさせられた。
抵抗しようと思った。
けど、眼の端に写る血の跡や刃物、男の私を物としか見ていない眼が怖くて少し腕を上げるだけで終わっていた。
足かせと首輪を付けられ、それから馬車に数人の人間と一緒に詰まれ長い時間がたつと大きな建物についた。
あぁ、本格的に売られるんだ。
広いホールの中には棒が何個も立てられていて私はそこに繋がれた。
首輪と足かせ両方を短い紐で繋がられ動くこともあまりできない。
周りには私のように繋がれている人間が何人もいる近くには同じ場所に乗っていた人間が泣きながら繋がれていた。
苦しい姿勢で長い事耐えるとホールに高い鐘の音がなってやけに綺麗な顔をした若い男が私のところへやってきた。
私の傍にいた男に何か話すと私に近づき顔に触れたり色々なところ触られた。
短く私が悲鳴を上げると嬉しそうに笑った。
「これ、いいね。貰おうか」
この人の眼も同じだ。
私を物としか見ていない。
懐から何か宝石のような物を取り出し男に渡すと紐を外され若い男に連れて行かれた。
最初に乗った馬車とは比べようもない豪華な馬車に乗せられそのまま私は縛られ無理な体勢で苦しむ私を見ながら男はまた笑った。
男の屋敷であろう場所につくと綺麗な部屋に連れて行かれ服を破られ鞭をうたれ焼印をおされた。
その後知ったのは奴隷をまた売り払うために私のような労働をさせない奴隷には傷をつけたりは極力しないそうだ。
きっと彼の趣味なのだろう。
肉が焦げる匂いが下腹部から匂う。
焼印を綺麗に残す為に水をかけてくれたのが救いだった。
それからは毎日鞭でうたれ指の間に針をさされたり重い重石を乗せられたり箱に詰められ放置されたり色々な事をされた。
逃げ回るのが楽しいのだとわざと自由に動かせ部屋の隅に追い詰めてから鞭でうつのだ。
痛いと泣きじゃくる私に笑う姿に私の僅かにあった抵抗はどんどん消えていく。
それ以外の時は彼に体を洗われ食事を手ずから与えられ排泄の管理までされた。
私はペットでもあった。
さっきまで私をいたぶったその手で私の頭を撫でるのだ。
震える私が楽しいのか必ず私を撫でる。
彼は自分をご主人様と呼ぶようにいった。
名前を付けられその名を呼ぶ度に私はどんなに痛くとも這いずってでもご主人様の元へ行かなければならなかった。
一度辿りつけなかった時は一日中吊るされて、その時は死んでしまうのではないかと思った。
それが何日も何ヶ月も続き、ある日突然部屋から出され真っ白なドレスに着替えさせられた。
服を着るのは最初に屋敷にきた日以来だったから驚いた。
肌に触れる布が痛くてすぐにでも脱いでしまいたかった。
巻かれた包帯のおかげで血の滲む場所は痛くなかったけど腫れ上がった肌がじくじく痛む。
そして馬車に乗せられ白い建物につく。
まるで教会のような場所に大勢の人間、隣を歩くご主人様。
耳元でご主人様が
「全てはいと答えなさい」
そう言うので私はすぐさま頷いた。
私に意思などないのだから、ご主人様に腕を組まれそのまま進んでいく。
結婚式みたい。
どうして何でと思っても薄い布が顔を覆っているから表情は見られなくてすんだ。
女の人が何か言っている。
それに全てはいと答えると薄い布を取られご主人様に上に捲られ口付けられた。
抱き上げられテーブルに連れて行かれると、たくさんの食べ物が置いてあった。
久しぶりに自分の手から食べ物を食べ屋敷へ戻ると初めてご主人様の部屋へ連れられ抱かれた。
常に裸でいたのに性的行為をされたのは初めてだった。
普段される痛みとは違う痛みに耐え切れず泣きじゃくる私にご主人様が怒る事はなかった。
常に奴隷としてペットとして扱われていた私はどうすればいいのかわからなくてしがみつき爪まで立ててしまったのに。
おへその下にくっきりとついたご主人様の物である証を撫でながらご主人様は笑う。
「愛しているよ」
私にはそれが理解できなかった。
閉じようとしている視界の先のご主人様が泣きそうだったのは気のせいだと思う。
背中にまわっていた手は私の背中の傷に爪を立てていたから。
その日私はご主人様の妻になった。




