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俺は異世界の潤滑油!~油使いに転生した俺は、冒険者ギルドの人間関係だってヌルッヌルに改善しちゃいます~  作者: あけちともあき
100・二世誕生

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第301話 名前はどうするの?と第二王子殿下が問う

「ナザルよ……」


「はっ」


 デュオス殿下のお屋敷で、今回も奇想天外な料理を振る舞った僕である。

 カレーうどんである。

 食材は揃った。

 ここからは組み合わせの妙で無限に戦える。


 殿下と奥方とお嬢さんは猛烈な勢いでこれを平らげ、満腹して一息ついていたところだった。

 そこで、突如我に返った殿下である。


「そなた、もうすぐ子が生まれるのであろう。天下に名を轟かせる美食伯ナザルの妻が、あの英雄リップルとは……。凄まじき夫婦よ」


「はっ、多分もうすぐ生まれるんじゃないですかね。リップルはお腹の重さを魔法で軽減しながら散歩していますが」


「羨ましい~」


 奥方がしみじみ呟いた。

 そうねえ。

 女性の妊娠におけるきついところを、全て魔法という力技で突破できるのがリップルだもんなあ。


「そうかそうか。男か女か……。どちらにしても嬉しいものだな。我が国では女であっても爵位を継ぐことができることであるし」


「そうですねえ。僕は別に爵位なんかどうでもいいんですが……」


 今までなら不敬な発言だった。

 だが、僕は地位と発言力を得てしまった!

 ということで、ちょっとくらいの軽口は全然許されるようになっているのである。


「ははは、そう言うな。そなたをこの国に繋ぎ止めるため、アーランはあの式場を立て、そなたに前代未聞の全く新しい爵位、美食伯の地位を贈ったのだ。私の顔に免じて、これからもアーランとともに歩んで欲しい」


「それはもちろんです。恩義を大いに感じていますしね。それに、何よりここは色々揃ってて本当に住みやすい……」


 後ろではシャザクが、このやり取りをハラハラしながら見守っていた。

 こいつもこいつで、僕のおまけで男爵から子爵に爵位がアップしている。

 奥方であるエリィは大喜びだったそうだ。


 で、なんかそれで盛り上がった結果、めでたくもエリィのお腹の中に新しい命が宿ったとか。

 いやあめでたいめでたい。

 こういうのは連鎖的に起きるものなんだな。


 で、僕とデュオス殿下のやり取りがほどほどな感じでまとまったので、ホッとしているシャザクなのだった。

 仲介役として、君の立場は重要だからなあ。


 思えばみんな出世してしまった。

 ギルボウもアーラン一の店のオーナーになってしまったしな。

 なお、そうなってなお、ギルボウは週に一度、ランダムに選んだ客数名に自分の手ずからの料理を振る舞うのだという。


 このランダム性が堪らないらしく、常連がどんどん増えていて、今では予約しないと食事できないほどなのだとか……。

 大変だなあ。


「それでナザルよ」


「はい」


 話が戻ってきた。

 殿下はじっと僕を見ながら、「分かるだろう?」とか言うのだ。

 何がです?


「子が生まれる。そうなれば、名をつけねばならない」


「そうなりますね。名付けをせねば」


「何か考えているのか?」


「あー、生まれた後でのんびり考えようかと思ってまして」


「そうか、ふむ。ほうほう、そうかそうか。ちなみに……。アーランの習わしでは、より高貴なものに名付けをしてもらうというものもあってな……」


「あー、よくありますよねえ。……アーランの習わし……? 建国数十年の国なのに……?」


 ソロス殿下が二代目の国王なのだ。

 前国王が建国王だからね。


 その前にも王家はあったのだが、ドラゴンの襲来によって本家は全滅。

 傍流であった今の王家が本流となり、全く新しい国、アーランを興したのだ。


「まあおいおい考えていきますよ」


「いやいやだがナザルよ。前もって考えておいた方が、名前の深みというものもだな。私であれば、教養を用いた深みのある名前のストックも……」


「なるほど、そういう戯曲なんかから取るのもいいですねえ。じゃあブレッドに色々歌ってもらってヒントを貰うかなあ」


「……ナザル、ナザル!」


 後ろからシャザクがつついてきた。

 なんだなんだ。


「殿下はな、自分が名付けをやってやろうかと仰っているのだ!! 察しろ!」


「あっ、そういうことかあ!!」


 僕が大いに驚いたので、殿下は気まずそうな顔になった。

 この空気がおかしかったらしく、お嬢さんが爆笑した。


「はしたないですよ!」


 奥方もたしなめつつ、ちょっと笑っている。

 殿下も笑ってしまった。


「いや、直接的に行こう。本来の習わしならば、私が臣下であるナザルに子の名を贈るものなのだ。これは強制ではないが、いうなれば王国からの祝福なのだよ。そなたの子は、我が国の流れに連なる尊き者である、という証になる」


「なるほどなるほど! それはお心遣いですね! では……お言葉に甘えちゃおうと思います」


「よしよしよし! では、とびきりいい名前を考えておくぞ。楽しみにしておれ」


 殿下が僕の肩をポンポンと叩くのだった。

 では、子どもの名前は殿下がつけてくださるものと、僕がつけるミドルネームの組み合わせにしよう。


 ……そう言えば我が家、家名がないのだった!

 美食伯という唯一無二の爵位があるので、これを以て家名に変えているところがある。


 それじゃあ、僕が考えるのは家名にしよう。

 そうしよう。



お読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
名付け親が国王。 リップルがどう思うかな?
と、いうことは殿下からは「お祝い」としていただくことに。
もしかして家名は陛下の方で用意してたりしない? リップルショックで前陛下が忘れてた可能性もあるけど。
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