『上級冒険者になりました』
「クラーケン討伐により、貴方たちは上級冒険者の仲間入りです!! おめでとうございます!!」
商業都市レスドア――冒険者協会。
受付嬢のリンによって、私たちは上級冒険者への昇級を告げられた。
「うおおおおっ!!!!」
「すげえ!! アメルちゃんたち冒険者になってどれくらいだよ!? まだ半年も経ってねえよな!?」
「うちなんか13年やってんのに中級止まりよん。泣きたくなっちゃうわん」
リンの声が響き渡ると、冒険者たちが盛り上がる。
「やったー!! やったよ、みんなー!! 私たちこれで上級冒険者だよー!!」
合格が告げられると――
喜びを抑えきれないのか、アメルが私たちを抱き寄せてくる。
「私たち、頑張ったもんね」
「当然の結果です。色彩の集いにできないことはありません」
「加入歴は浅えですけど、嬉しいもんですね」
はしゃぎはせずとも、笑みを浮かべるサツキとエーテルノ。
「見てみろよ、嬉しそうなアメルちゃんを」
「可愛いな」
「可愛いわね」
「立派に育って……お姉さん泣きそうだわ」
「いや、その歳でお姉さんは無理があるだろう……グハアアアアアアアアアッ!!!!」
アメルのファンクラブたちが、ワイワイと盛り上がっている。
悲鳴が聞こえてきたが、気にしないでおこう。
「色彩の集いのみなさんは昇級試験に合格し、正式に冒険者協会から上級冒険者と認められたので、冒険者活動の幅が格段に広がります。まずはこちらをお受け取りください」
女性冒険者から馬乗りになって殴られている男性冒険者を見ていると、リンから金色の冒険者カードを渡された。
「金色たァ豪華じゃねえですか」
「トップ階級ですから。これでもかというくらいピッカピカでないと」
「アガるじゃねえですか」
嬉しそうな表情を浮かべながら、人差し指の上で冒険者カードを回転させるエーテルノ。
かっこいいので、後で回し方を教えてもらおう。
「昇級試験を突破して上級冒険者になったことで、Aランクの依頼を受けられるようになりました。以前も言わせていただきましたが、Aランク依頼はヤバいですよ。人類未踏の地を探索したり、国を滅ぼすような魔物と戦うことになりますから」
「例えばどんなの?」
私が質問すると、リンは紺色のファイルを開く。
「今朝ちょうど入ってきたものですと、デス・スコーピオンですね。Aランクの中では弱いほうですが、尻尾の針に少しでも掠ったら30秒で死にます。解毒薬必須です」
「いいね」
「うん、いいねじゃないよね。少し掠っただけで死ぬとか絶対に戦いたくないよね。命がいくつあっても足りないよ」
「数秒前まで生きていた人が、気づけば死体となる。それがAランク依頼なんです。覚悟が無いなら受けないほうがいいですよ」
「……」
リンに言われ――
アメルが黙り込んでいると、受付の奥にある部屋から緑髪の男が飛び出してきた。
「緊急依頼だ!! 緊急依頼が入ったぞ!!」
竜巻のように渦を巻く前髪。
見覚えがあると思ったら、冒険者協会の副会長――ホークス=カザルトスじゃないか。
相変わらず、超イカした髪型。
「どうしたんですか、血相を変えて」
「冒険者協会の調査部隊がとうとう見つけたんだ!! 奴らのアジトを!!」
「奴らって……」
ホークスは大きく息を吸い込むと、冒険者協会の外にまで聞こえるくらいの声で叫ぶのである。
「『風犬の尻尾』のアジトが判明した!! ただいまより、上級冒険者以上限定で討伐部隊を募集する!! アジトの場所は、霧の谷だ!!」
――『風犬の尻尾』
聞き覚えがあると思ったら、モヒカン3兄弟が所属しているギルドじゃないか。
アメルも思い出したのか、私の方を向いてくる。
「その名前……」
「アメルも思い出したんだね。あそこの森で出会った、モヒカン3兄弟だよ」
私とアメルの会話を聞いたのか、リンが驚愕の表情で話しかけてくる。
「カレンさん、『風犬の尻尾』と出会ったことがあるんですか!?」
「出会ったっていうか、戦った。ゴルソン=グランスバーラって言ったかな。決着はつかなかったけどね」
「ゴルソン=グランスバーラといえば、『風犬の尻尾』のリーダーじゃないですか!! 上級冒険者10人分の実力を持つという!!」
ゴルソンって、そんなに強かったんだ。
脅威は感じられなかったし、私はてっきり下っ端だと思ってた。
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