『僕が来るまでよく耐えた』
「バ、バカ!! 死ぬ気ですかアメル!!」
「親友として、私が助けてあげないと。カレンもこんなことはしたくないはず」
エーテルノの叫びに、アメルは小さな声で返事する。
「気持ちは分かるですが、神に等しい力を持つルヴィエラですら手も足も出ねえんですよ!! てめえじゃあ、1秒であの世行きですよ!!」
エーテルノに言われ、
黄金色の鎖を握るアメルの力が強くなる。
「わかってる。そんなことくらいわかってるよ。誰にも助けられないのなら、親友の私が助けてあげないとカレンが可哀そうだよ」
「アメル!!」
「ごめんね、エーテルノちゃん。ずっと私は助けられてばっかりだったから……カレン、今回は私が助けるよ。ギルドハウスに帰ろう。みんなでテーブルを囲んでサツキちゃんの美味しいごはんを食べよう」
「視界に入るだけで反吐が出ますね。その鎖は我々天使を縛り付ける。この世に存在してはいけません。まずは使用者である貴方を殺し、ソフィエルとハレスを殺します」
「……」
親友から向けられる殺意ほど、心が痛くなるものはない。
「私やわたしでは壊せないでしょうが、ワタシであれば壊せます。破片すらも残しません。ワタシの呼びかけに応じなさい――『終銀ノ焔神弓」
カレイアの背後に現れた、銀色の焔で生成された巨大な弓。
弓に合わせ、巨大化していく聖槍アルジェーレ。標的はアメルだが、この大きさで撃ち出されてしまえばここら一帯が消し飛んでしまうだろう。
「……」
無言で、鎖を構えるアメル。
「死になさい。愚かな人間」
「ううん、死なないよ。カレンは私が助けてあげる」
聖槍アルジェーレが、銀色の焔を纏う。
熱いと感じるということは、アメルを敵と判断している証拠。
「アメル!! 逃げるですよ!! たとえ魔法は無効化できたとしても聖槍アルジェーレの威力にてめえの身体は耐えきれねえですよ!!」
「……」
エーテルノの悲鳴は聞こえているのだろう。
しかし、アメルは表情を変えない。
「くそ、頑固なやつですよ。魔法以外で、カレイアにダメージを与えられるものは――自然現象。しかし、あいつはここにいねえ。おい、ルヴィエラ。テューエはどこにいやがるですよ。銀色の焔を気にすることなくカレイアにダメージを与えることができるあいつをてめえが連れてこねえはずがねえですよ」
「竜界でティアレの治療中だよ。天候操作だけでなく回復魔法も使える超便利なやつだからね。デウスノーヴァを取り込んで強くなった自分の力を過信してた。まさかこんなことになるとは思わなくて」
「ばっかじゃねえですか!!」
「ばかです」
しょんぼりとするルヴィエラ。
完全に戦意を失っている。
「てめえ何回も生き返れるのなら竜化して聖槍アルジェーレに突っ込むですよばか。時間稼げばか」
「無理、もう生き返れないし。生命のストックはさっき全部焼き尽くされた。補充には長い年月が掛かる」
「くそが、役に立たねえですよ」
「ぐすっ」
エーテルノに罵倒され、泣き出すルヴィエラ。
「死んでもらいます」
「くっそ、どうする……」
カレイアが右手を伸ばす。
諦めるものかと、脳をフル回転させるエーテルノ
――しかし。
対抗策が思いつかない。
魔法の無効化。シンプルだからこそ最強の力。
魔界と竜界を合わせ、そこそこの強さを持っていて自然現象を操れるのはテューエしかいない。
「万事休すってやつですか」
「いいや、まだ終わっていないさ。僕が来るまでよく耐えた」
「……この魔力」
ぴくりと反応するカレイア。
空を見上げると、落下してくる超巨大な隕石が見えた。
「隕石ってことはまさか!!」
「僕のライバルが迷惑をかけてしまったね。しかし、もう心配はいらない。それはなぜか、僕が来たからさ」
魔界の空に姿を現したのは、黒髪黒目のショートヘアーの女性。
整った顔立ち。長身ですらりとした体型。3対6枚の白翼。黄金に輝く天輪。耳には黄金色のフープイヤリングをつけている。
「イ、イケメンくそったれ!!」
「やあ、虹色ちゃん」
笑顔で手を振る女性こそ、天界の序列4位――『神装』ルフィア。星座となった神々の権能を扱うことができる熾天使である。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます!!
来たあぁぁぁぁ!!!!
遅いぞルフィア!! 待っていたぞルフィア!!
これからもよろしくお願いします!!




