あなたに腕が三本あれば!
私はバスティアンの話を聞きながら、あなたこそ神様の贈り物じゃないのかと叫びそうになっていた。
こんな素晴らしい人ならば、たった一日で私が恋してしまうのは当たり前だし、こんな誠実な人が私を幸せにしたいと、私と家族になりたいと言っているのならば、私は彼の申し出を受けるべきなのだ。
ええ、物凄く、喜んで。
そしてその先は、私は親友シャンタルのようにして、バスティアンの愛情を勝ち得る様に私こそ彼を愛し続けるのだ。
他に愛人が出来た?
戦ってやろう!
それで駄目なら潔く引いてやる!
私は朝食室の入り口に立ったままのバスティアンの前に進み、顎をグイっと上げて背の高い彼を見上げた。
「私を迎えに来てくれてありがとう。私の一生の家族になってくれますか?私はあなたにたった一日で恋に落ちました。」
私の頬に雫が落ちた。
バスティアンは微笑みながらも涙を流していた。
「バスティアン?」
「どうして俺には手が二本しかないんだろう。愛する君を抱き締めたいのに。」
私は歓声をあげながらバスティアンの胴体に抱きついた。
彼が私に恋に落ちるはずはない。
既に彼は私を愛していたのだ。
読んでくださりありがとうございます!
二万文字、残念ながらオーバーしてしまいました。
そんなこんなですが、ぽちっとなをして頂けたら一点でも二点でも幸いでございます。




