72話 お互いの2週間とお風呂
お待たせしました。72話です。
この話と次の話を書きたくてここまで書いて来たと言っても過言ではないくらい書きたかった話です。
……うまく書けているかどうかは別のお話ですが(ーдー;)
72話 お互いの2週間とお風呂
「ーーーと言う事がありました。」
「……。」
俺とララはこの2週間、お互いに何があったかを報告しあっていた。
まずは俺の方から何がったかを簡潔に言い纏めて、次にララがどうして別行動をしたいと言い出したか、この2週間の間は何をしていたかなどを聞いたわけだが……。
え?これ、マジ?……いや、KBTIT先生じゃないよ?
そのくらいの訓練をしたから今のステータスになったんです、と言われれば納得しか出来ないけどさ……危ない事はしないって言わなかったっけ?
ちなみにララは2週間前に理由を言わずに出て言ったことを謝っていたが、そうじゃないんだよなぁ。まぁ、ララはその師匠には感謝しているようだし、とやかく言うつもりは無いんだけどね。
「……まぁ、いい人に巡り会えたね。」
「はい、師匠にはとてもお世話になりました。」
「そっか、じゃあ次に会った時は俺もお礼を言った方がいいかな?」
「え!?いえいえいえ!ご主人様にそのような事させられません!」
「でも、ララがお世話になったんでしょ?それなら俺にも関係のある話だし1回会ってお礼は言っておかないと。」
「ですが……。」
とこんな感じで話をしていると、日はすっかり暮れてしまった。
……お腹すいたな。
「……夕食にしようか。」
「はい、そうですね。」
夕食後
☆ミ
「それじゃ、明日の予定を立てておこうと思うんだけどいい?」
「はい。」
「えーっと、明日はまずグレイヌさんのところに防具の受け取りをしに行こうと思うんだ。」
「グレイヌ様……ですか?此方にいらしていたのですか?」
「そうそう、腕のいい鍛治師がいるって紹介してもらったら彼だったんだ。」
「それは僥倖でしたね。グレイヌ様ほど腕のいい鍛治師はいませんから。」
「へーそうなんだ。……って話が逸れたね。まぁグレイヌさんに俺の防具をお願いしてあって、明日が受け取りの日だからまずは受け取りをしようと思うんだ。」
「話の腰を折ってしまいすみません。了解致しました。」
「ララの物も一緒にお願い出来たら良かったんだけどね。ララに合う物がイマイチ分からなかったから……ごめん。」
「いえ、ご主人様が謝ることではありません!それに私の防具はもう必要が無いように思います。」
「……ですよねー。」
ララが自分の防具は必要ないと言った理由、それは彼女が着ている服にある。
彼女が着ている服はいわゆるメイド服なんだが、その性能というか付加してある魔法が尋常ではない。
色々と付加してあるせいで分かりづらいため簡潔にまとめると、全ての属性の強い魔法耐性を持ち、斬撃、衝撃、に対し強い耐性を持ち、解れても魔力を流せば自動修復でき、汚れまで落としてくれる……。
正直、その辺の防具なんかよりもずっと身を守ってくれる。
全身オーダーメイドでいい素材を使ってさらに魔法の付加をすればこのメイド服よりも良い物が出来るだろうが、現実問題そんな金も素材も手元に無い。ぶっちゃけそれくらい良い物だったりする。
……ララの師匠は人外オブ人外だって話だけど自重……しなかったんだなぁ。買う事になったら一体幾らになるんだよこの服。いや、とってもありがたいんだけどね?
もし会ったらお礼を言わないとな。
「まぁララの防具が必要ない事は分かったけど、武器は必要でしょ?今の武器は安物の剣だし。」
「……そうですね。このままでも戦えなくは無いですが、相手によっては厳しいものになるかもしれませんね。」
「それじゃ、明日はララの武器と俺の防具を受け取りに行くって事で!」
「はい。」
「その後は武器の性能を確かめるついでに幾つか依頼を受けようか。」
「そうですね。それが良いと思います。」
「よし、それじゃあ今日はもう風呂に入って寝ようか。」
大体だが明日の予定が決まった事で気の抜けた俺に対し、ララはそれまでは普通に話を聞いていたのに風呂という単語が出て来た途端目つきが変わり、まるで戦場に赴くのかってくらい本気になった。
………うん、そっとしておこう。いや別にぶるったとかそういう事じゃない。ちょっとだけ、ほんっっっっっのちょっとだけ怖かっただけだ。
「……そ、それじゃ俺は先に風呂に入ってくるね。」
「え?あ、はい。」
うーん、ララもお風呂は好きになったと思うんだけどな。師匠のところでも毎日は入れて嬉しかったって言っていたし……。うーん、何が気に食わなかったんだろう。やはり女心というものは分からん。
……まさか、俺の所に帰って来たく無かったとか?………いや、やめておこう。この妄想は俺の精神状態が悪くなるだけで何も生まない。予防線を張るにしてもやり過ぎは良くない、最悪首を吊りかねん。
脱衣所へと逃げ……いや、戦略的一時撤退をした俺は服を次々と空間収納にしまっていく。数日間続けているため慣れたものだ。
湯船に浸かる前に洗浄魔法で体を綺麗にしてから入る。
「ふぅぅぅ〜〜。…………。」
やっぱり風呂はいいなぁ、1日の疲れが取れる……。
時間にして数分後だろう。まったりと風呂を楽しんでいて完全に緩みきっていた俺に衝撃が走る。
コンコンガチャ。
「ご主人様、失礼致します。お背中をお流し致します。」
「……え?」
ララは顔を真っ赤に染めながらタオルで前を隠す様にして浴室へと入って来た。
あっ洗浄魔法使ってるんで流す背中が無いです。
……ってそうじゃない!え?ちょっと待って!俺ノックの返事して無いよね!?それだとノックの意味をなして無いよね!?
何?突撃お前が晩御飯なの!?俺がララに食べられるのか!?…………有りだな。ってやかましいわ!やってる場合か。
ここでよく分かる解説!
俺、風呂に入る→くつろぐ→ララがタオル一枚で突撃→俺焦る→一周回って悟りの境地(今ここ)
俺がテンパっていた訳がお分かり頂けただろうか?
俺もね?ララがメイド服を着ていればここまでテンパって無かったと思うよ?俺の可愛いマイサンをちょっと見られるだけだろうから。
しかし!ララの姿もほぼ生まれたままの姿な訳ですよ。隠しきれてない処がちょいちょい見えるんですわ。
少し考えてみてくれよ。ちょっと……いや、かなり気になっている可愛い女の子が急にタオル一枚で『背中を流します』って一緒に風呂に入ってきたら緊張するだろ?
寧ろ日本に居た頃の俺なら逃げ出してるわ。猥褻罪とかで捕まりたく無いし。
俺が逃げ出さないでいられるのは、少なからずララと一緒にやって来てそんな事を言ったりはしないだろうという信頼があるからだ。
「……あの、洗浄魔法を使ったので流す背中が無いんですが。」
「え?……しまっ!?し、師匠話が違うじゃないですか。(ボソッ)で、ででではご、ご一緒に入浴し、ししてもよろしいでしょうか。」
「……。(ゴクリ)」
俺は色々なツッコミと邪な感情とを生唾と一緒に飲み込んだ。
中途半端に終わってしまいすみません!
続きが出来次第投稿しますのでどうかご容赦をm(_ _)m
ご視聴ありがとうございます。
ブクマ、評価ありがとうございます!




