51話 ある意味で男のロマン
続きです
残念な下ネタ注意です
11月7日に改稿してます
51話 ある意味で男のロマン
「……あっと、いきなり変な大声を出してごめん。」
「いえ、ご主人様。私のことは気になさらないでください。」
ともあれ俺は突然降ってきた閃きに昂る気持ちを隠せずにいた。
だってそうだろう?異世界に転移して色々と苦労?してきたが久しぶりに風呂に入れるんだ。
しかも一緒に旅をしてきた美少女エルフは俺と一緒に入るつもりでいて、風呂については話に聞いただけで詳しくは知らないかもしれないため俺が色々と詳しく、手取り足とり教えてあげないといけないかもしれない。
……それなんてエ◯ゲ!?
俺は逸る気持ちを抑えるように大きく息を吸う。
条件は整った。ここまでくれば俺のとる行動は………一つしかない!
「…………いっs……。い、いやぁ。べ、別に一緒に入らないといけないって決まりはないし、ゆっくりと別々にはいればいいと思うよ?」
それはもう早口でまくし立てましたよ。……はい。日和りました、すいません。
「ですが……。」
「分かった。なら俺のために入ってよ。」
「ご主人様のためですか?」
「そうそう。あーララの風呂上がりの姿が見たいなー。とっても見たいなー。」
こういうことは言えるんだけどなぁ……。つくづく俺はヘタレだ。
俺が自分のヘタレ具合に内心落ち込んでいるのに対しララは少し顔を赤らめて頭を下げた。
「ありがとうございます、ご主人様。ではお言葉に甘えさせて頂きます。」
「俺のわがままだからね。」
「ふふふっ。そうですね。」
いや、ララの湯上がり姿が見たいのは本心なんだけどね?
風呂に入る入らない論争にけりがついたので早速浴槽を洗っていく。と言っても洗浄魔法をかけるだけなんだが。
そして今度は綺麗になった浴槽にお湯を張っていく。使う魔法はもちろん生活魔法だ。いやー本当に便利。
ただ、湯を張ってて思ったんだがこの浴槽でかすぎね?
俺はチートスキルのおかげで数秒で湯を張れる。しかし、普通なら早くても10分はかかるとララに言われた。というか魔法使いでない人族にはできない規模らしい。……そりゃ10万ゴールドもかかるわ。
「さて、準備も終わったし風呂に入るかー。あ、ララが先に……。」
「……(ブンブンブン!)。」
「……入らないんだな。分かった俺が先に入るわ。」
「かしこまりました、ご主人様。」
まぁ、先に入らせてくれるっていうならお言葉に甘えるか。……言葉もなく譲られたが。
俺は浴室で服を脱いでは空間魔法にしまっていき、洗浄魔法で体を綺麗にしてから湯船に浸かる。体を綺麗にしてから入るのはマナーだからね。
肌寒いとまではいかないが、今まで服に守られていた肌が露出し少し身震いする。
思い切って湯船に浸かると体が急激な温度の変化についてこれなくてこわばる。そして徐々に慣れてきた筋肉が弛緩して体がほぐれていく。
「う、あぁ〜〜〜。」
これだよこれこれ、これがいいんだよ。
あーまじで久しぶりだ、2週間ぶりくらいか?こんなに風呂に入らなかったのは初めてだ。
長くこの余韻に浸りたいがララを待たせているので体が十分にあったまったあたりでホクホク顔で風呂を出る。この宿に泊まっている間は入れるんだし限界まで入ってる必要もないだろう。
「ララ、お待たせー。お風呂空いたよー。」
浴室を出るとララはソファに座って待っていた。……一応言っておくとちゃんと服を着てから出たよ?流石に少し仲が良くなった女の子に全裸を見られるのは恥ずかしい。てか確実に引かれるだろ。
それに、何も服を着ずに人前に出るなんてただの変態じゃないか。ちゃんとネクタイと靴下を装備しないと変態にはなれないぞ。
※意見には個人差があります。
ララに湯船に浸かる前に洗浄魔法で体を綺麗にしてから入るのがマナーだと伝えると『は、はぁ。かしこまりました。』と、意味はわからないが俺がいうのならといった様子で奥へと消えた。
まぁそうだよな。体を綺麗にするために入浴するって言われてたのに、入浴する前に体を綺麗にしなければならないなんて言われたら混乱するよな。まぁ、後で詳しく説明するか。
そして俺は待つこと10分…20分……40分…………。
って長くない!?俺はおそらく10分もかかってないよ?だって湯船に浸かるだけだし、ララを待たせるのはどうかと思ったし、あんまり長く浸かるとのぼせるし……ってまさか!中でのぼせてる!?
「これは……。」
俺はしばし考える。これは俺も中に入るべきか?もしかしたら中でのぼせて大変なことになっているかもしれないし……。いやでも女の子のお風呂は長くなるって相場が決まってるし……。いやいやでも髪を洗うわけでも手入れがあるというわけでもないし……。いやいやいやでも……。
俺は悩みに悩みまくった結果……。
「よし、様子を見に行こう!」
だってララは今日がお風呂デビューだし?何か不測の事態が起こったのかもしれないし?のぼせてるとしたら大変だし?そう、俺はララが心配なんだよ。決して覗きは男のロマンだとかそういうことではないんだ。俺はただ純粋にララが心配なんだよ。つまりこれは純度100%の思いやりの行動!
俺は意を決して勢いよく立ち上がった。
するとその瞬間奥の扉が勢いよく開かれ、ネグリジェ姿のララが興奮しきった様子で飛び出してきた。
「ご主人様!ご主人様!お風呂とは素晴らしいものですね!これは是非とも3日…いえ!毎日入りたいものですよ!ご主人様!」
……別に残念とか思ってないですし、目を輝かせるララは可愛いなー。いやーララもお風呂好きーになってよかったよかった。
え?いや本当だよ?
俺は興奮するララに笑って一言だけ答えた。
薄着を身にまとい、蒸気で少し頬を赤く染めているのがお風呂上がりだということを連想させてその艶かしさを強調させる。
「ありがとうございます。……眼福です。」
ヘタレはやっぱりヘタレですねw
ご視聴ありがとうございます。
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