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エピローグ 前編  クラス会

一度完結させましたが、少しだけ追加しました。

クラス会のお話です。

私は青山愛菜(あおやまあいな)


今、高校2年の時のクラス会に向かっています。


クラス全員仲良しという、小中高通じて、

私にとって最も思い入れのあるクラスのイベントで楽しみにしてました。


クラス会は大学時代に1回、就職してから1回開催されているので、今回は3回目です。


高校を卒業して8年経っています。結婚して、子どももいるクラスメイトもいます。

みんないろいろと変化しています。社会人となり、いろんな荒波に揉まれて苦労しているかもしれません。


私はごく普通の会社員。

独身です。

責任のある仕事を任せられるようになり、

毎日プレッシャーに押し潰されそうですが

何とかやってます。



それにしても、今回は驚きのクラス会になります。


幹事周辺のメンバーから連絡が来て、事前の案内がありました。当日、騒ぎが起こらないようにとの配慮だそうです。


案内には二つありました。

驚きの内容です。

一つ目は、

クラスの男子、島田正人君が、何と性転換しているという事実です。

メールで画像も送られてきました!

びっくりしましたが、やっぱりなあ〜と思ってしまいました。


私は、島田君と仲良かったんです。

私だけではありません。

島田君はクラスの女子生徒全員と仲良かったはずです。

他の男子は女子のことを苗字で呼ぶのに、島田君は女子同士でするように愛称や下の名前で声をかけてくる存在でした。

女子もそれを違和感なく受け入れてました。

つまり女子的な雰囲気を備えていて、女子の集団に紛れても溶け込める男の子だったのです。

でも、オネエ系ではありません。

どちらかというと、幼い子どものような

雰囲気でした。

背が低くて華奢で童顔だったんです^ ^

可愛いんです。

女の子の制服を着ちゃえばショートカットの

女子生徒に見えたかもしれません。


私は、そんな島田君に恋愛相談をして助けてもらった思い出があります。


ほかのクラスの男子を好きになって、でも仲のいい女の子には打ち明けられなくて、

悶々としていたときに、島田君とその恋愛相手が学校の廊下で談笑していたのを見たのがきっかけでした。


「島田君、斎藤君と友達?」


「うん、中学の時、クラスいっしょだよ。けっこう仲いいよ。」


ニコニコと天使のような笑顔で答えてくれる島田君は、まるで女の子みたいで抱きしめたくなりました。

私より背が低いので、可愛いんです。

その笑顔に乗じて、私は頼んでしまいます。


「あのさ、私、斎藤君・・・」


「わかった、相談にのるよ。まかして!うん、お似合い♡」


何ていう事でしょう、私が全部言い終わらないうちに私の心を読んでしまったのです。

エスパーなの?なんて突っ込みたくなりました。


島田君の協力で、私は別のクラスの斎藤君と付き合い始めました。

残念なことに、高校卒業とともに別れてしまいましたが、いい思い出をいっぱい作ることができました。島田君にはすごく感謝してます。


島田君とは斎藤君と付き合い始めた頃から卒業まで、よく女子的トークをして、より仲良くなりました。


目立たないように仲良くしてました。

たぶん、クラスの女子より仲良かったかも。

もしかしたら、一時は親友状態かなあ?

うん、親友だったと思います。



島田君がスイーツや芸能界の話に詳しいことはわかっていましたが、女子のファッションやメイクもすごく好きであることを新たに知りました。


彼氏ができた私は、学校では教室の中だけ、あとは電話でよくおしゃべりしました。


「島田君があまりにも、ファッションやメイクに詳しいので、もしかして女の子になりたいのかなあ?」

なんて、ちょっと思ったときもあったんです。


その時の感覚は間違っていなかった!



さて、クラス会の会場につきました。


藤沢のおしゃれなビストロを貸切です。


女の子が一か所に固まっていました。


それを周囲から見守るようにしている男子たち。


うわー、懐かしいメンバー!


あ、女子の中心にいるすごい美人は、メールで写真が送られてきた島田君だ!


今は葵ちゃんだっけ?うわっ!信じられない!細いのに胸大きい!

Dカップって聴いていたけど成長してそう!

Eくらいあるんじゃない?

クラスで一番の美人かも。

私、負けてるよおっ!


「お、青山、久しぶりっ。」 「うん、久しぶり!」


「愛ちゃん!こっちこっち、島田君だよ!!」「うん、わかった!」


そして、私の方に、顔を向ける島田君、いや葵ちゃんは、私を見るなり、目を大きくしました。


「愛ちゃん、会いたかったー!相変わらず可愛いっ!!」


彼女、葵ちゃんは私に駆け寄り、あっという間に抱きしめました。

うーん、美人の葵ちゃんに褒めらると照れるよー!

葵ちゃんの大きな胸に直接接触するとは思いませんでしたので、抱きしめられてその感触に驚きます。私はAカップです!

うわーっ、おっぱい迫力ある・・・

それにしても、美人だ!

親友の男の子がこんなすごいことに!

私は、何となく涙が出てきてしまいました。

訳が分からない感動があふれてきました。


「島田君、よかったね・・・

女の子、すごく似合う。きれい、惚れちゃいそう。」


「うん、ありがとう。愛ちゃんはわかってるはずだと思ってた。

会いたかった!」


「それから、結婚するんだってね。菅野君と・・・」


「うん、そうだよ。照れるけど・・・」


「おめでとう。似合いすぎてるよ!!」


実は、事前案内のもう一つは性転換した島田君がクラスメイトの菅野君と結婚するというニュースでした。


これについても、私はすごく納得できました。


だって、二人は高校時代、仲のいい男友達にしては、怪しいと思ってたんです。


たぶん、二人は意識してなかったんでしょうけど、

すごい信頼関係があり、男同志の関係以上にパートナー的な雰囲気がありました。

ホモというイメージはなかったんですが、もし島田君が女性なら、ベストカップルになるなあなんて

妄想したことがあるんです。


私と葵ちゃんはしばらく抱き合ったあと、離れます。


「島田君、いや葵ちゃん、これからは、女の子同志ということで、よろしくね。

また、親友になってよ。男の子紹介して!」


「うん、親友になろうよ!

男の子かあ?

うん、考えてみる、まかせて!」


「あ、愛ちゃん、ずるいっ、私も紹介してほしい!」

「私も私も!」「私も!」

回りにいた女子が騒ぎます。

男子連中も、

「島田、美人過ぎるよ。」

「菅野と結婚決まってなかったら、おれ、告白しちゃったかも。」

「あの胸。魅力的だー。でけー!」

なんて、言ってます。

うーん、女子連中に失礼だなあー。

まあ、女子たちも、葵ちゃんに男子紹介してって言うくらいだから、お互いさまか?


それにしても、クラス会盛り上がりそう!

今日は、楽しむぞ!


次回は本当に最後です。結婚式です。

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