表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/44

10:岩場の作物と大好き宣言

 なんとなく気になり、私は自身のステータスを確認した。

 せっかく洞窟の外に出たというのに、全く何もしないのは寂しい。


■ステータス■P1

<ダンジョン>

ダンジョン:<名称未設定>(レベル1)

ヌシ:モエギ(レベル3)

   体力—30/30

   気力—60/60

   特性—創世神の加護(ダンジョン内・自由カスタマイズ)

   装備—

   性質—ダメージ無効(ただしダンジョン内に限る)

面積:700平方メートル

   拡張—レベル3で可能(+200平方メートル)

地形:洞窟

<モンスター>

魔王:カルロ(レベル65)

ウルフ:ブルーノ(レベル6)


■ステータス■P2

<スキル>(レベルにより出来ることが増えていく仕様)

畑作:レベル2(畑で日本の作物を育てられる。四季は関係なく収穫の早さはレベルによる。消費する体力は作物によって異なる)

勧誘:レベル1(下級モンスター1体をダンジョンへ呼び寄せることが出来る。体力を15・気力を15消費する)

整備:レベル3(ダンジョンを少しだけ整備する。体力を5消費する)

召喚:レベル2(1回限り、前世にあったもの(無機物)を一つ呼び寄せることが出来る。体力10・気力20消費する)


 微妙にカルロのレベルが上がっているのが気になる。私も整備のレベルが上がっていた。

 荒れた洞窟全ての整備をしたので、今のダンジョン内は歩きやすい空間になっている。


(もう一度、ダンジョンを拡張することも出来そうね)


 私は洞窟外に拡張できないか試してみようと思った。

 さっそく、上着のポケットからスマホを取り出す。


「拡張っと」


 タップすると、またしても地面が揺れた。

 赤茶けた石の大地が少しだけ盛り上がり、徐々に平面に近い形になっていく。

 石や岩がゴロゴロしているので整備は必要だが、ダンジョンを拡張すると、その部分が歩きやすい地形になるようだ。


(チリを連れてくればよかったなあ)


■ステータス■P1

<ダンジョン>

ダンジョン:<名称未設定>(レベル1)

ヌシ:モエギ(レベル4)

   体力—40/40

   気力—70/70

   特性—創世神の加護(ダンジョン内・自由カスタマイズ)

   装備—

   性質—ダメージ無効(ただしダンジョン内に限る)

面積:900平方メートル

   拡張—レベル4で可能(+200平方メートル)

地形:洞窟・荒れた岩山

<モンスター>

魔王:カルロ(レベル65)

ウルフ:ブルーノ(レベル6)


 ここは「岩山」という名の地形のようだ。

 ダンジョンが拡張し、魔王もウルフもソワソワしている。


「次は、整備して……畑作ね」


 メニューを開くと、変化が起きていた。


<畑作メニュー(岩山)>

岩麦:レベル1(岩山に生える麦。3日で収穫できる。50株につき体力を10消費する)


 植え付けは、50株からのようだ。とりあえず、整備して100株植えてみる。

 洞窟内の作物は、水やりや草抜きをしないでも育っていた。


(ここも、放置で大丈夫かな)


 とりあえず、体力がなくなってしまったので今日はここまでだ。

 私は畑作メニューで植えた麦を眺める。


(麦を収穫しても、脱穀しないと食べられないよね)


 穂を梳いて、籾殻を飛ばして、精米(麦)しなければならない。


(穂を梳くのは、手もみでなんとか出来そう、籾殻を除けるにはザルを使うか扇風機で殻を飛ばす必要があるわね。小麦粉を作るには石臼も必要だし……面倒だわ)


 畑作メニューの他に、精米メニューや製粉メニューが欲しいところである。


(そのうちステータスに追加されないかなあ)


 とりあえず、植えるだけ植えて精米や製粉は後回しにすることにした。


「さて、出来ることもないし部屋に戻ろうかな。カルロ、ブルーノ、今日はありがとうね」


 私の言葉で、カルロがはじかれたように顔を上げた。


「モエギ……『戻る』のか?」


 よく分からないが、彼はこちらに熱視線を向けている。お腹が空いたのかも知れない。


「帰って、遅めの昼食にしましょう。またキノコとマメだけどね。パスタが残っていたと思うから、料理してあげる……ってうわあっ!?」


 叫び声を上げたのは、カルロが正面から抱きついてきたからだ。


「ありがとう、モエギ。大好きだ……!」


 またしてもよく分からないが、魔王に懐かれているということだけは理解できた。

 そして、彼またはモンスターの常識は少々変わっているのだろう。

 スキンシップが人間のものとずれている。

 真に受けては駄目だと自分に言い聞かせた私は、ウルフを洗うシミュレーションをしつつ洞窟へ戻ったのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ