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「ところで、このままでは私から提供するものがあまりに少ない。他になにかお望みはございませんか」
「そんなことないだろ?」
そもそも存在を明かすだけで十分すぎるほどの情報であるハイエルフの末裔のことまで聞いてしまっている。それに加えて俺たち二人と三匹の装備品の作成依頼だ。これはもちろんタダではないが、本来ならそんな依頼を受ける相手ではないところに無理を通してもらうんだ。
俺たちは通りがけに倒せる相手を倒しただけで、正直特段労力も使っていない。これ以上はバチが当たると、そう思っていたのだが、ミルムの方から声が上がった。
「吸血鬼の末裔、ネクロマンサーに関する情報、そして私達に万が一何者かの攻撃が加わりそうであれば、今後その情報をもらえるかしら」
「それはもちろんでございます」
「ならこの子を渡しておくわ」
【夜の王】で見るコウモリのような魔物を出して告げる。
俺はもう十分すぎる対価をもらったと感じていたし、それ以上はと思っていたわけだが、ミルムが耳打ちしてその意味を教えてくれた。
「商人というのはタダとか貸し借りを恐れる生き物でしょう。これは私達のためというより、相手のためよ」
「なるほど……」
その発想はなかったな。
そしてそういうことであれば必要な要求だったか。
その意義を感じないマロンではないしな。
「これは……俗に言う使い魔ですかな?」
「そうね。テイマーやネクロマンサーのものと違って、私のは自分で作った魔法生物だから意味合いは変わるけれど」
「なるほどなるほど。必ずお役に立つ情報をお届けいたします」
「ついでに頼んでる装備品も目処がついたら教えて頂戴」
「もちろんでございます」
前金という形で虹貨を1枚置いていく。
マロンはもらい過ぎだと言ったが使う当てもないし後でお釣りをもらえるくらいでもいいと思う。
意外と常識枠のミルムも反対をしなかったしいいと思おう。
昼更新しようと思ってたんですが寝てました……
短いので夜も更新予定です頑張ります
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