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「にしても本当にあっさりばらしたな」
よほど何か、信頼がおけるものがあったのだろうか。
考えが読まれたようでミルムが説明を加えてきた。
「信頼というより、そもそもバレている相手に今更どうこうするつもりもないといったところかしら」
「ああ……ミッドガルド商会の長ともなれば、そのくらいは……ってことか」
「いやはや……ですがやはり、こうして言葉にしてもらえるというのは気持ちがいいですな」
マロンが笑う。
うん。悪い相手じゃない。
「予算は任せる、といってもあるのはこれだけだ」
「十分すぎます。それでは具体的なお話に移っていければと思いますが……まずはお二方のことを、私の知る範囲ですとテイマーと魔導師とお伺いしておりますが……」
そうじゃないことはもう理解しているんだろう。
といってもネクロマンサーとヴァンパイアというともう、自分でも何者なのかわからないけどな……。
まあいいとりあえず伝えておこう。
「俺はいまネクロマンサーって形で登録されている。もしそれに合うものができるならそのほうがありがたい」
「ネクロマンサー……初めて耳にしますな」
首をかしげるマロン。直接見せたほうがいいだろう。
というより、こいつらの分もお願いしたい。
道中も顔は出していたが、改めて使い魔たちを紹介することにした。
「【宵闇の棺】」
「これは……!」
レイ、エース、アールをそれぞれ見えるようにする。
にしても……こいつらが全員揃っても大丈夫なところがすごいな、この部屋。大きすぎる。
「なるほど……たしかにこれはテイマーとはまるで違う……召喚師のような……それでいて全てが精霊体……ふむふむ……」
レイは機嫌良さそうにしっぽをふり、エースはじっと動かない。アールはマロンの観察はそっちのけで俺のほうにすり寄ってきていた。こいつだけどうも精神が幼い気がするんだよな……ドラゴンゾンビ時代とは見た目もガラッと変わったし。
「ネクロマンサーは死者を操る。こいつらもそうだ」
「なんと……なるほど。道理でまるでテイマーとは違うわけですな」
いくつかの質問に答えていくとマロンの中である程度の結論は出たらしい。
「今の情報と、私の持てる手段で得た知識をあわせて装備の作成にかかりましょう。鍛冶だけでなく服飾から装飾までそのものであれば対応できますから」
「すごいな……」
さすがハーフハイエルフってところだろうか。何年生きているのかわからないが経験値が違うんだろうな。
「フェンリル、ミノタウロス、ドラゴン。こいつらにもそれぞれ装備が欲しい」
「これだけの使い魔たちであればそれなりのものがなくてはなりませんな……。こちらで出来得る限りのものを集めましょう」
「私は闇魔法に特化させてくれればいいわ」
「はい。必ず、良いものをご用意いたします」
その後サイズ調整のために別室でメイドに対応を受けたり細かい調整をしていく。
偶然の出会いだったが、良い話ができて良かった。
早く話を進めたい……!
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今日明日テイマーの限界を〜の方も更新予定です
よろしくおねがいします。
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