192 情報交換
「なるほど……そんなことがあったのか」
領地に戻ってすぐ、アイルとロバートから騎士団がやってきたときの話を聞く。
「災難だったわね」
「はい……守りきれたのは不幸中の幸いでした……」
「よく頑張ったじゃない」
「そうだな。ありがとうアイル」
ロバートは脅しの意味を含めて戦争と言ったが、セラをそんなことで失ったとあればそれどころでは済まなかっただろう。
もっともスペクタークラスのアンデッドになっているセラに剣を向けたところで消滅させるのは難しかっただろうが……。
「も、もったいないお言葉です……」
アイルが顔を赤くしていた。
アイルの成長は喜ばしい。王都ギルドが正面切ってこちらに敵対してきている以上、俺とミルムにはSランク冒険者が当てられる可能性を考えないといけない。
Sランクは一人で戦況をひっくり返す化け物……。
単純にミレオロやミルムのような規格外の力を持つ相手が敵になってもおかしくないのだ。
「騎士団の相手は、二人に任せて大丈夫そうかな?」
改めてアイルとロバートに問いかける。
「はい! 必ずや……!」
『騎士団だけが相手ということであれば問題はございません。ですが……』
「上出来よ。他のはこちらで引き受けるわ」
『頼もしい限りです』
ミルムが他のとくくった中に含まれる筆頭はミレオロだ。
できるなら不死に対策ができるミレオロの相手は俺が受け持つべきなんだろうけど……。
「相手のことをもう少し知りたいわね。せっかくここには直通の連絡手段があるんだから、あの辺境伯を使えば良いんじゃない?」
「あー、そうか」
セシルム卿が握っている情報を頼りに戦略を立てるか。
とはいえこちらの戦力はこれ以上期待できないけど……。
「いざとなれば貴方があちこちでアンデッド連れてくればいいだけよ」
「簡単に言うな……」
「少なくとも神竜よりは簡単でしょう?」
「お二人は神竜を……⁉」
驚くアイル。
セシルム卿への連絡をメイドに任せてから、俺たちはそれぞれ改めて何をやってきたのか情報交換を行った。
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