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追放されたお荷物テイマー、世界唯一のネクロマンサーに覚醒する 〜ありあまるその力で自由を謳歌していたらいつの間にか最強に〜  作者: すかいふぁーむ
領地開拓……?

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191 悲壮な帰り道

「とんでもないことをしてくれたな、ヴェイ!」


 帰り道を逃げるように急ぐ騎士団員たち。

 団長ベリウスは勝手な真似をしたヴェイを叱責していた。


「……」


 ヴェイは何も言わず考え込んでいる。


「くそっ……これでミッドガルドが出張ってくればすべて変わるぞ……!」


 その言葉にようやくヴェイが口を開いた。


「いやいや……あれを見て気づかないはずがないだろう? 団長?」


 ヴェイはベリウスよりもある意味では冷静だった。

 ただの小娘と侮った相手。

 何の問題にもならないと考えたアイルにさえ手も足も出なかったのだ。

 ヴェイは自分の力を過小評価するタイプではない。だが過大評価もまた、するタイプではなかった。

 正しく自分の力量を見極めているからこそ、言うべきことがあった。


「団長は本気で、あれと戦うつもりなのか?」


 その言葉は団長だけでなく周囲を並走する他の団員たちにも突き刺さっていた。

 得体のしれない領民。

 洗練されたメイドたちの動き。

 それを統率する化け物の老人。


 唯一自分たちが理解できる範囲にいると思ったはずのアイルですら、騎士団随一の腕を持つヴェイに何もさせなかった。

 それにあの場でアイルが動かなければあの鍛冶師にヴェイが殺されていた……そんな景色が頭をよぎる団員も少なからずいた。

 非戦闘員のはずの鍛冶師ですらあれだけのオーラを持つ異質の領地に恐れを抱き始めていたのだ。


「ふんっ……なに。我々は今日の調査結果を持ち帰る。いいかヴェイ? 我々の背後にあるものを考えろ」

「背後……あのババァが……?」

「口を慎め。もはやこれは戦争なのだ。我々騎士団、王都ギルド、そしてその後ろ盾となる軍務卿と魔法協会。我々が勝手に止まるわけにはいかない」


 ヴェイはそこではじめて団長が震えていることに気付いた。


「止まるわけには、いかないのだ……」


 悲痛な面持ちで馬を走らせるベリウス。

 その背中に声をかけられるものは誰もいなかった。



おかげさまで2巻の刊行が決まりました!

皆様のおかげですーありがとうございます!!!


ちょっと短いんですが更新、次話から主人公たちの視点に戻ります

敵対勢力にとってもはやランドとミルムは魔王のように写っていることでしょう……


■新作短編もよろしければ

https://book1.adouzi.eu.org/n4721gn/

え、後輩が惚れてる⁉ それは惚れ薬のせい……違う⁉ 〜惚れ薬で発情した聖獣たちのせいで聖者としてもてはやされてるけど俺は女の子にモテたいだけなんだ!〜

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― 新着の感想 ―
[一言] 時系列だと、 神竜のテイムの後に、3人の騎士団が帰宅、の流れなので 流れ次第では、 3人の騎士団の王都への到達のタイミングと、 ギルドマスターの失態のタイミングが、 近い状態で同時に発生し…
[一言] 今まで誰にも知られることなく突如として現れた領民の 戦力が未知数で、騎士団を超える実力の持ち主が複数。 そして何より「理解できる範囲にいた」はずのアイルが 何もしていないのに極短期間に実力…
[一言] 騎士団の責任者なんだから「騎士団の現有戦力では勝利は疎か敵に損害を与えることが出来るかもわかりません」位の意見具申はしようよ
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